「照明デザイナー」の仕事とは

照明デザイナーの仕事内容

光を使って空間をデザインする仕事

照明デザイナーは、住居や店舗などの空間を光によって演出する仕事です。

照明デザインは主に3つのジャンルに分類されます。

1つはテレビや演劇、ライブ会場などの舞台照明をデザインする仕事、2つ目として照明器具を作るプロダクトデザインが挙げられます。

そして最後に、住居や商業施設のインテリア照明や街灯などをコーディネートする照明デザイナーが含まれます。

3つ目に挙げた照明デザイナーはライティングデザイナーとも呼ばれ、光を使って空間をデザインするのが仕事です。

クライアントと打ち合わせをしながら、空間をより魅力的に見せる照明デザイン案をグラフィックや模型に落とし込み、プレゼンテーションをおこないます。

全ての人にとって心地よく安全な空間をデザインするためには、美的センスはもちろん、照明手法や光源に関する専門知識が不可欠となる職業です。

照明デザイナーの就職先・活躍の場

活躍の場は広いが需要は少ない

照明デザイナーの多くは、照明器具メーカーや照明施工会社、照明デザイン専門の事務所などに就職をして経験を積みます。

住居やオフィスなどの身近な空間からビルや橋、公共施設といった大型照明まで、照明デザイナーが手がける空間は多岐に渡ります。

空間ごとに求められる感性も異なるため、男性・女性ともに活躍することができる職業です。

ただし、メーカーや施工会社内にデザイン専門の部署を置いている企業は一部の大手企業に限られています。

多くの会社では建築士やインテリアデザイナーなど、別の職種で働いている人が照明デザインまで担当しているケースが多いです。

照明デザイナー1日

案件の進捗によって流れは異なる

照明デザイナーはクライアントから依頼を受けてデザインの提案・実装をする仕事です。

そのため、案件の進捗状況によって1日の流れは大きく異なります。

9:00 出社・メールチェック
出社をしたらメールをチェックして返信します。

9:30 デスクワーク
施工に必要な照明器具の発注をおこないます。

10:30 ミーティング
チームで打ち合わせをし、新規クライアントへの提案内容を固めます。

12:00 ランチ
事務所近くの飲食店で同僚と昼食をとります。

13:00 図面作成
設計ソフトCADを使用して照明器具などを配置した平面図を作成します。

14:30 顧客先へ訪問
クライアント企業へ出向き、デザインの要望をヒアリングします。

16:30 企画書の作成
クライアントとの打ち合わせをもとに施工期間や予算を含めた企画書を作成します。

18:30 退社
業務が一区切りついたら退社します。

照明デザイナーになるには

照明器具メーカーへの就職が一般的

空間をデザインする役割を担う照明デザイナーの歴史はまだまだ浅く、照明デザイナーになるための道筋も確立されているわけではありません。

インテリア照明のデザインに関わるのであればインテリア業界を、建築・都市照明に携わりたいなら建築業界を目指すのが一般的です。

美術系の大学や専門学校で空間デザインを学んでから照明器具メーカーや照明デザイン事務所へ就職する人が多いですが、特定の学校を出ていなくてもなることは可能です。

照明デザイナーを募集している企業は少ないですが、空間デザインナーやインテリアコーディネーターとして就職し、同時に照明デザインを手がけていくという方法もあります。

照明デザイナーの学校・学費

デザインや建築を学べる学校が有利

照明デザイナーになるために必ず通わなければならない学校はありませんが、大学や専門学校などで事前に知識を習得していれば就職の際に有利となります。

空間デザインやプロダクトデザインなどを学べる美術系の大学や専門学校へ進学してから照明デザイナーの道へ進む人も多いです。

また近年では、民間のスクールでも空間デザインやインテリアについて学べるところも増えています。

ただし、照明デザインに特化したカリキュラムを設置している学校はまだまだ少なく、空間デザインの一つの分野として「光」を学ぶことになるでしょう。

私立大学や専門学校へ通う場合の学費は年間で50〜150万円程度、民間スクールでは1コースにつき15〜50万円程度のところが多いです。

照明デザイナーの資格・試験の難易度

取得必須の資格はないが就職には有利

照明デザイナーになるために取得が必須となる資格はありません。

ただし、現状では照明デザイナーの求人数はあまり多くないため、関連する資格を取得していれば、就職や転職を有利に進められるでしょう。

業務に関わる資格としては、照明学会が実施する「照明コンサルタント」や、その上級資格である「照明士」、さらに日本ライティングコーディネート協会が認定する「ライティングコーディネーター」が代表的です。

ほかにも、「建築士」や「インテリアコーディネーター」、「インテリアデザイナー」といった建築やインテリアに関わる資格も役立ちます。

照明デザイナーの給料・年収

照明デザイン単体での高収入は難しい

照明デザイナーという職業は、近年少しずつ認知度が高まっているものの、照明デザイン業務のみを専門とする人の数はまだ多いとはいえません。

そのため照明デザイナーの平均年収を割り出すのは難しくなりますが、一般的には初任給が17〜20万円程度、年収は400万円程度だといわれています。

現状ではインテリアデザイナーや建築士が照明デザインを手がけるケースが多く、照明デザイン単体の業務件数はまだ少ないため、専門職ではあるものの高収入は見込みづらいです。

ただし、民間資格である照明コンサルタントや照明士としてライティングを総合的に企画立案する立場になれば、収入アップも期待できるでしょう。

照明デザイナーのやりがい、楽しさ

自分のデザインが人に感動を与える

照明デザイナーは「光」を巧みに操りながら、心地よい空間を生み出していく仕事です。

照明デザインが施されるのは、住居や店舗、オフィスをはじめ、街のイルミネーションや大規模なライトアップなど、人々が身近に感じる場所であることがほとんどです。

自分の手がけた照明デザインが多くの人の目に触れ、感動や心地よさを与えることができたとき、照明デザイナーとしての喜びや達成感を味わうことになります。

また、自身の感性と発想で光の空間をゼロからプロデュースできる点も、「ものづくり」に関心のある人にとっては大きな魅力となるでしょう。

照明デザイナーのつらいこと、大変なこと

正解のない空間づくりに携わること

照明デザイナーは「光」を使って空間をデザインする仕事ですが、人によって心地よい光の程度や快適な空間の基準はさまざまです。

ときにはクライアントの要望と自分がよいと思うものが全く異なり、折り合いをつけるのに苦労することもあります。

照明デザイナーが生み出す空間は、絶対的な正解がありません。

プロとしてのこだわりと、一般の人々が求めるニーズ、クライアントの要望、さらには予算や環境への影響といった全ての要素を考慮しながら一つの空間をデザインすることに、難しさを実感する瞬間は多いでしょう。

照明デザイナーに向いている人・適性

照明に興味があり、人と関わるのが好き

照明デザイナーは専門職のため、業務で扱う「光」そのものに関心があってこそ務まる仕事です。

自然光をはじめ、住宅や店舗の照明、街のイルミネーションや建築物のライトアップなどに目を惹かれ、それらの光によって空間を演出することに魅力を感じる人は照明デザイナーに向いているといえます。

また、照明デザイナーはデザインだけでなく、デザインによって得られる集客力や宣伝効果を考慮する必要があります。

普段からさまざまな人の意見や要望を聞くことができる人、周囲の人と協力しながら物事を進めていける能力を持っている人は活躍が期待できるでしょう。

照明デザイナー志望動機・目指すきっかけ

照明によって多くの人に感動を与えたい

照明デザイナーが目指すきっかけとして多いのは、照明が作り出す「光」に魅了されて、光をデザインする仕事に興味を持ったというものです。

最近では街のイルミネーションなどの大規模な照明だけでなく、住居や店舗、レストランやカフェといった身近なスペースにも光を使ったお洒落な演出が施されています。

照明の光は同じ場所を心地よい空間に変化させたり、人々に驚きや感動を与えたりする力を持っています。

自分が作り出す光のデザインでたくさんの人に喜びを与えたいという気持ちを持って、照明デザイナーを志す人が多いようです。

照明デザイナーの雇用形態・働き方

企業の正社員として働く人が多い

照明デザイナーの多くは、正社員として照明器具メーカーや照明デザイン事務所などの企業に勤務しています。

大手企業であれば新卒採用を実施している会社も多数あり、空間デザインに携わった経験があれば中小規模の会社でも正社員として採用される可能性は高いでしょう。

ただし、照明デザイナーという職種ではなく、インテリアコーディネーターや空間デザイナーとして募集がかけられ、採用後に照明デザインの業務にも携わるというケースが多いようです。

未経験の場合は、アルバイトや契約社員からスタートして経験を積むこともあります。

照明デザイナーの勤務時間・休日・生活

担当案件によって生活スタイルは異なる

正社員として企業で働く照明デザイナーは、1日8時間勤務、土日祝日が休日となるケースが一般的です。

ただし、案件の進捗によって企画書の作成に追われたり、現場に出る時間が長くなったりと、変則的な勤務になることも珍しくありません。

クライアント店舗の営業時間や休業日によっても勤務時間が異なるため、深夜の作業や休日出勤が発生する場合もあります。

担当する現場が近場ばかりとは限らないため、国内・海外を問わず出張することもあり、取り組む案件によって生活スタイルが左右される仕事だといえるでしょう。

照明デザイナーの求人・就職状況・需要

照明デザイナー自体の求人数は少ない

少し前まではインテリア照明や建築照明というと、取り立ててデザインを重視せず、単に照明器具を設置するだけで完工するのが一般的でした。

そのため、照明デザイナーの認知度はまだ高いとはいえず、現状ではインテリアデザイナーや建築士が照明デザインを手がけている場合がほとんどです。

近年では照明デザイナー職を募集する求人も少しずつ増えていますが、その多くが建築やインテリアに携わった経験のある人材を求めています。

照明デザイナーとしての活躍を目指すには、学校などで照明や空間デザインを専門的に学んで就職口を見つけるか、まずは別の職種で建築やインテリアの仕事を経験することが近道となるでしょう。

照明デザイナーの転職状況・未経験採用

即戦力になる人材が歓迎される

照明デザイナーは最近になって認知度が高まってきた職業のため、転職者向けの求人数もそれほど多くありません。

主に募集をかけているのは照明器具メーカーや照明デザイン事務所などですが、欠員補充を目的としている求人が多く、採用人数も1名から若干名というケースがほとんどです。

また、照明デザイナーは即戦力になれる人材が歓迎されやすくなっています。

未経験者が応募できる求人もゼロではないものの、建築やインテリアに関わる実務経験やCADやPhotoshopなどのスキルを持っていると優遇されることは間違いないでしょう。

照明デザイナーの現状と将来性・今後の見通し

さらなる発展を期待できる新しい職業

LED照明の普及により今後の発展が見込まれる照明業界ですが、照明デザイナーという職種はまだまだ発展途上です。

しかし、新しいビルや商業施設の建設、都市開発などが話題になるたびに、照明による空間デザインの重要性は高い注目を集めています。

照明の光を巧みに操ることにより、店舗や飲食店、テーマパークやランドマークなどへの集客力が高まることもあります。

さらに最近は、プロジェクションマッピングやデザタルサイネージとは一線を画した「メディアファサード」と呼ばれる外壁の照明演出など、新しい技術も登場しています。

芸術的なセンスと照明に関する深い知識を持ち合わせ、デザインの美しさで人々に感動を与える「光の専門家」は今後ますます活躍していくでしょう。