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仏師とは?

仏師は、仏像を制作する人のことをいいます。仏像には彫刻による木彫仏や石仏、鋳造(ちゅうぞう)による金銅仏(こんどうぶつ)、和紙や粘土の塑造(そぞう)、乾漆造(かんしつぞう)などの技法があり、この仕事に就くためには仏師のもとに弟子入りし、10年ほどかけて修業をするのが一般的とされています。仏師養成の専門学校や美術系大学の彫刻専攻課程で学んでから修業することもできます。修業中は決まった給料がなく、月に10万円程度の小遣いのみとなっています。一人前になってからも一部の著名な仏師を除けば収入が少なく、仕事を継続できない人が多いという現状もあります、時代が変わりゆくなか、今後は技術の習得に加えてセルフマネジメントの上手な仏師が活躍できると考えられています。

仏師の仕事内容

仏像を制作するのが仏師(ぶっし)の仕事です。

仏像には彫刻による木彫仏や石仏、鋳造(ちゅうぞう)による金銅仏(こんどうぶつ)、和紙や粘土の塑造(そぞう)、乾漆造(かんしつぞう)などの技法があり、それぞれ専門化しています。

木彫には「寄木造(よせぎづくり)」や「一木造(いちぼくづくり)」などがあります。

いずれもデッサンや三面図をもとに大まかな「木取り」をしてヒノキやカヤなどの木材に下絵を描きます。ナタやノミを使って「荒彫り」「中彫り」「仕上げ」を行います。

また役割の違いから仏像は大まかに「如来(にょらい)」「菩薩(ぼさつ)」「明王(みょうおう)」「天部」「諸尊」に分類されます。

このような仏像を寺院や仏壇用に個人から依頼されて制作するほか、古く壊れた仏像を修復することもあります。

仏師になるには・必要な資格は?

仏師になるために必要な資格や学歴はありません。

ただし仏像制作は奈良時代から伝承する仕事です。仏像は完成度の高い芸術作品というだけではなく、仏教の信仰対象であり、世界観を伝える役割を果たします。

そのため仏師のもとに弟子入りし、10年ほどかけて修業をする人が多いでしょう。

得度をして僧侶になる人もいます。

中学卒業後に弟子入りする人もいれば、弟子入り前に仏像彫刻の専門学校に通ったり、美術・工芸関連の大学で彫刻を専攻したりする人もいます。

いずれにしてもまったく自由に制作するわけではなく、仏教の教義に基づいた枠組みがあり、そのなかで工夫を凝らすことになります。

修業が終わると、師匠に雅号(別名)をつけてもらい独立することもできますが、職人として工房に残る人もいます。

仏師に向いている人

仏像を制作することで仏教の世界観や心の安らぎを表現するためには、数多く存在する仏像の役割や各宗派の教えを深く理解する必要があります。

日本の伝統文化に関心が高く、学習熱心な人は仏師に向いているでしょう。

大小さまざまな仏像がありますが、顔や手の表情は非常に繊細です。立体把握の感覚に優れ、手先が器用で細かい作業が得意な人、長時間集中力を持続できる人は仏師の適性があります。

ひととおり仏像制作ができるようになるまでには非常に長い年月がかかります。

厳しい修業期間を経て一人前になってからも必ずしも生活は安定するとは限りません。忍耐力や持久力、根気強さがある人は仏師に向いているでしょう。

仏師の就職状況・雇用形態

一般的な求人情報には仏師の募集は非常に少ないですが、まったくないわけではありません。

また仏師養成の専門学校や美術系大学の彫刻専攻課程で学ぶあいだに師事する仏師を紹介してもらい、弟子入り先の工房を決定する人もいるでしょう。

おおむね約10年間の修業期間を経て一人前の仏師になりますが、職人として工房に残る人もおり、事実上弟子入りが就職の役割を果たします。

ただし修業期間は正社員やアルバイトなどの従業員として採用されるわけではなく、あくまで弟子です。

若者を中心に仏像に対する感心は高まっているものの仏像業界全体は低迷しています。

弟子入り可能な工房が減少しているため狭き門ではありますが、仏師になりたいという高い志があれば受け入れてくれる師匠と出会うことができるでしょう。

仏師の給料・年収・待遇

修業中の弟子は無料で指導してもらったり、食事や住居など生活の面倒を見てもらったりするため、月に10万円前後の小遣いはもらえますが、決まった給料はありません。

修業が終わると一人前の職人として収入を得るようになります。

仏壇用の仏像の場合、像高30cm程度の日本製の一点物で、著名な仏師作なら100~200万円程度、通常は30~100万円程度で販売されます。

中国製は一点物で20~30万円程度、大量生産なら10万円以下という価格です。

像高50cm程度の仏像の場合、日本の著名な仏師作なら300~500万円程度が相場です。ただし中国製であれば10~50万円程度であり、日本の多くの寺院は安価な中国製を求める傾向にあります。

仏師の収入は腕前や人気により大きな個人差が生じています。

仏師の生活・勤務時間・休日

仏師の工房に入門するという従来の内弟子制度は、中学卒業後から25歳程度までの約10年間に行われるのが一般的です。

住み込みで師匠と寝食をともにして、師匠の身の回りの世話から始まり、徐々に仏像制作について学びます。

修業中は勤務時間や休日は定まっていません。時間があれば修業に専念しますから休みはないと考えたほうがいいでしょう。

また大学や専門学校で仏教彫刻を学んでから弟子入りする人もいますが、習得が早ければ5年で修業が終わることもあります。

美術関連の公募で入選するなど実力を認められると、独立する仏師もいます。寺院や個人から依頼を受けて仏像を制作するほか、デパートで個展を展覧会するなどして販売ルートを拡大します。

仏教彫刻の教室や講座を開催し、講師を務めることもあります。

仏師の現状と将来性

「仏像ブーム」は『見仏記』いとうせいこう・みうらじゅん著(中央公論社/1993年)をきっかけに始まりました。

さらに奈良の平城京遷都1300年(2010年)を記念して2009年に開催された「国宝 阿修羅展」(東京都博物館)から現在のブームに発展しています。

高齢者のみならず20~30代の若者が率先して仏像を鑑賞する習慣が浸透していますが、仏像業界はもともと低迷しており、一部の著名な仏師を除くと収入が少なく仕事を継続できない人が多いという現状もあります。

ただしインターネットの普及により宣伝や販売方法にも変化が生じています。

弟子入りはせず、大学や専門学校で仏教彫刻を学ぶ過程で仕事を得る人も増加しています。

技術の習得は必須ですが、セルフマネジメントの上手な仏師が今後は活躍するでしょう。