在宅復帰に力を入れたいなら老健看護師

投稿者プロフィール

介護老人保健施設(老健)の看護師 ぴーさん

20代前半 女性経験:2年3ヶ月 北海道

現職 / 正社員

投稿者の仕事満足度

総合満足度
4.50
仕事内容
4.00
やりがい
5.00
働きやすさ
5.00
給料・年収
3.50
休日・待遇
5.00
成長・将来性
3.50
メッセージ

私は施設看護師として介護老人保健施設(老健)で勤務しています。

病棟看護師は7か月で辞め、この業界に転職してきました。

施設看護師は、利用者の健康管理や在宅復帰するために必要なケアを医師・介護士・ケアマネ・リハビリ・栄養士と連携しながら考えることが大きな役割になります。

病院に比べ治療する設備は十分とは言えないので患者さんの病気を治療することに携わりたい人には物足りないと思いますが、病院から地域に帰るのにあたりサポートを行いたい人にはとてもやりがいのある仕事だと思います。

また、病院勤務より点滴等治療が少ない分身体的・精神的に余裕があり、残業もあまりないのは魅力です。

経験年数が浅くても、努力次第で自分の能力をしっかり発揮できます。ぜひ、選択肢にいれてみてください!!

仕事内容

勤務地は横浜で、規模は2フロア(最大50人×2)の介護老人保健施設です。

仕事内容は、利用者の健康管理(バイタル測定・急変時対応・経管栄養・血糖測定・インシュリン注射・採血・導尿・バルーン管理・便処置・病院受診付き添い・内服薬管理等)やパット交換、離床介助、食事介助などになります。

なるには

看護師になるため、3年制の看護短大に行き試験・実習等フル単位取得(これが必須条件)にて国家試験受験資格取得。

3年生の2月の国家試験にて合格し看護師になりました。

国家試験は他の医療系試験に比べ合格率が高く(例年全国平均90%前後、わが大学は全員受験で98%合格)、しっかりやるべき勉強をしていれば合格できます。

私自身、日常の授業や試験は居眠りしてしまうことも多かったのですが、3年の夏休み頃からゆるゆると国試対策を始め、実習が終わった11月から本格的に(8時間/日くらい)勉強時間をとるようにして、現役合格しました。

その後二次救急のある市立病院の救急病棟に配属、7か月在籍したが体に合わず転職し現在の老健看護師に至ります。

転職活動は比較的スムーズに進み、半月で3社受けて2社内定もらっていました。

やりがい

この仕事のやりがいは、車いすや寝たきり状態で入所してきた利用者が、施設での生活やリハビリを経て生活動作能力が向上し、在宅復帰を果たした時に一番感じます。

1年前、もともとわが施設のデイサービスを利用していた独居の80代女性が迎えの時間になっても送迎車の前に現れず、職員が家の中を確認したところ、蜂窩織炎による高熱で倒れており施設に緊急入所になる、という出来事がありました。

当時は非常にぐったりしており、数日間の施設での治療で熱は落ち着きましたが、体力がおち、自身で動くことはできず在宅復帰は絶望的ともいわれる状態でした。

しかしそこから1年かけ日常生活で行うリハビリやリハビリ職による専門的リハビリにより、現在はシルバーカーでの歩行ができるようになり、自身での着替えやトイレ動作など日常生活動作も自分のことはある程度自分でできるまでに回復しました。

現在は、主介護者の長女が環境を整えるのを待っている状態であり、まもなく在宅復帰予定です。

つらいこと

病棟を経験してから施設に転職すると、特につらいことはないです。給料が気持ち下がるくらいです。

ただ、夜勤は看護師は一人だけなので、最終判断を自分がしなくてはならずプレッシャーは常にあります。

また、看取りも行うので人が少しずつ弱っていき息を引き取る姿を見届けること、そして大切な人を失った家族の心のケアをしていくことは専門職としての覚悟が試されていると思います。

向いてる人

利用者に対して献身的にケアに当たれることが一番大切だと感じます。

向いていない人は淡々と仕事をこなすことだけに精を出す人。

施設看護師は、根本は施設という生活の場にいる利用者が体調を崩した際に対応をするのがメインになります。

利用者は80-100歳代が多く、体調を崩してからでは回復を見込むには遅いことも。

つまり体調変化の早期発見は大切になります。(体調を崩す際には8割が前兆がみられるといわれている)

そのため、ルーティンワークを淡々とやるのではなく、利用者さんの状態を業務のなかで注意深く観察し「いつもと何かが違う。」「元気がない気がする。」という視点を持つのが大切です。

志望理由

看護師になった理由は、資格を持つことで一生涯使えるし、自立して生きていけると思ったからです。

実際に働いてみて、人生・命に関わらせていただくことで自分の看護師として感じることが人生観につながったりして、言葉で表現するのは難しいですが自分の人間としての成長につながっているように思います。

働きやすさ

職場は7割程度は女性です。

看護師は子供が成人したくらいのママさん世代が多く、とても可愛がってもらっています。

また、他職種とも連携や情報共有を大切にしており、お互い話しかけやすい雰囲気作りを心掛けており、和気あいあいと楽しく仕事ができています。

給料・年収

・年齢:24歳(3年短大卒社会人4年目)
・継続年数:2年3か月
・月収:28万前後 手取り:22万前後(交通費1万、夜勤手当1万×4回)
・年収:350万くらい

看護師4年目にしては多くはない方だと思います。

しかし、プライベートの充実や心の余裕から満足しています。

休日・待遇

月8-9日休みで夜勤(2交代制)明けの翌日は必ず休みになります。

夜勤をしていれば、基本的に4日勤以上のシフトにはならず休みを挟んでもらえます。

有給も積極的に消化させてもらえます。

産休やパートへの移行もスムーズに行えるようです。

私は仕事のほかに、通信制の大学を受講したり、趣味の時間に使ったりと充実したプライベートを送ることができています。

就職・転職

資格の世界なので、就職・転職はほかの業界に比べると非常にしやすいです。

自分で選ぶことができるような世界です。

そのため、給料・休み・残業量・福利厚生など、自分が納得できる条件をとことん追求すべきだと思います。

新卒の病院面接は、看護師になりたい理由(多くの人は国試の前に内定をとるため、まだ看護師資格は取得していません。)、志望理由、実習のときに印象的だった看護、どんな看護師になりたいか、などを聞かれたように思います(4年近く前なので詳しくは覚えてません。)

転職した理由は、単純に自分が配属された病棟(救急)に合っていなかったからです。

勤務中ずっとパニックで頭が真っ白になっており、ミス連発、先輩に白い目でみられ、どんどん看護師という自分が死んでいきメンタルクリニックに通っていました。

転職に老健を選んだ理由は、「医療現場と地域を結ぶような現場で看護をしたい。」と転職エージェントにて相談したところ、何か所か回復期リハビリテーション病院と今の職場である老健を紹介され、一番雰囲気の良かった老健に決めました。

恋愛・結婚

職場内恋愛は何組かあり(従業員が100人程度と非常に少なくアットホームなので、職場内の場合あっという間に全員に広まる)、そのまま結婚した例も数知れずあるようです。

結婚・出産に対しても非常に協力的で、祝い金がでたり、産休・育休が取れたり、夜勤回数を少なめに調整させてもらえたりと非常に優しいと思います。

成長・将来性

正直、ずっと同じ施設で働き続けることに将来性は乏しいと感じています。

病院のように医療的な技術や知識は最低限しか使わないので成長しませんし、若いうちに就職すると後々入職してくる後輩は自分より看護師年数がはるかに長いベテランばかりなので、プリセプターをする機会も当分ありません。

利用者のことを考えてケアを検討したり、急変時にアセスメントして病院に送るか判断するなどの能力は養われますが、どうしてもマンネリ化しがちな仕事でもあります。

ただ、せっかく老年の専門領域にいるのだから、プライベートに余裕がある分、認定看護師や大学院進学・専門看護師を目指したりすることも可能であり、そこから仕事の選択肢の幅が広がる等の成長は見込めるのではないかと思います。

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