人材派遣会社の正社員の年収はいくら? 給料についてくわしく解説

人材派遣業界は、高収入が得られるというイメージを持つ人が多いです。

一方で、実際に人材派遣会社で働いている社員からは「年収が低い」という声も聞かれ、働く際には、給与についての正しい情報を知ることが大切です。

ここでは、人材派遣会社の正社員の給与について解説します。

人材派遣会社社員の平均年収・給料の統計データ

人材派遣会社の平均年収は、400万円~500万円前後がボリュームゾーンと考えられています。

人材派遣サービスを手がける企業の数は多く、規模も大手から中小までさまざまです。

勤務先や能力、経験等によって給料には差が出てきますが、全体としては大手企業のほうが給与水準は高めの傾向です。

大手人材派遣会社では、人材紹介や人事コンサルティング、アウトソーシングなど、人材に関わる幅広いサービスを手掛けているところが多く見られ、昇進しやすい環境があります。

外資系人材派遣会社や一部の職種では、成果に応じて給料が上乗せされる「インセンティブ」制度が取り入れられている場合もあります。

人材派遣会社社員の平均年収・月収・ボーナス

求人情報などを見ると、人材派遣会社の平均年収は360万円~480万円ほどが相場といえます。

ただし、求人情報のなかには人材派遣以外の人材サービス(人材紹介、人事コンサルティング、アウトソーシングなど)が含まれている場合もあることから、この数字は参考程度といってよいでしょう。

人材派遣会社では正社員として働く人が比較的多く、20代でも年収300万円以上が見込めるケースが多いようです。

人材派遣会社社員の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

人材派遣会社社員の年収が450万円、ボーナスが年に2回(4ヵ月分)支給される場合、月の手取りは22万円~23万円ほどと考えられます。

経験を重ねて管理職になれば年収は500万円以上になる人が多く、手取りも25万円ほどまで上がるでしょう。

手取り収入が比較的高くても、残業時間が多く残業代がたくさんついている場合や、一定の残業時間を想定して支給される「みなし残業代」が含まれている場合もあります。

大手企業では通常ボーナスの支給があるところが多いですが、景気によって業績が大きく落ちる場合には、支給額が大きく減ったり、支給自体がなくなったりする場合があります。

人材派遣会社社員の初任給はどれくらい?

人材派遣会社社員の初任給は、20万円~25万円前後(大卒の場合)が一般的です。

総合職として採用される場合は、会社の計画や入社後の研修、本人の適性・希望などを考慮して配属先が決定します。

営業職として働く場合、成果に応じて基本給以外にインセンティブがつく場合もありますが、業界未経験の新卒者は一律の初任給となる場合が多いです。

人材派遣会社社員の福利厚生の特徴は?

人材派遣会社の福利厚生は、企業によってだいぶ異なっています。

「人」に関するビジネスを手掛ける以上、社員を大事に考え、働きやすい制度などを整えている職場は多くあります。

一般的な福利厚生としては、社会保険制度、産前産後休業・育児休業、介護休業、健康診断、社宅制度を用意している企業が目立ちます。

一方、なかには人手不足に陥っており、長時間のサービス残業をせざるを得ない職場もあるようです。

実際、人材派遣業界は業界内での転職者が比較的多いといわれています。

転職の理由は決して待遇面だけではないでしょうが、「現状に満足していない」人が一定数いることは確かです。

就職先を決めるときは企業の雰囲気や社員の働き方などをよく調べて、慎重に考えていくほうがよいでしょう。

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人材派遣会社社員の給料・年収の特徴

人材派遣業は景気の変動を受けやすい業種のひとつ

人材派遣会社の平均年収は、400万円~500万円程度が相場といわれます。

しかし人材派遣サービスを手がける企業の数は多く、勤務先によって給料には違いが出てきます。

少子高齢化で労働力が減少傾向にあるなか、人手不足が課題となっている企業が増えています。

正社員雇用よりも低コストで採用できる派遣スタッフを求める企業は多くあり、人材派遣業界は比較的盛り上がりを見せています。

しかし、長引く不況などで派遣先企業が雇用を減らした場合には人材派遣会社の仕事も減るなど、景気の影響を受けやすい面があります。

もし会社の業績が悪化した場合には、社員の給料も減る可能性があります。

インセンティブがつくケースもある

営業やコーディネーターの仕事に就く場合、人材派遣契約が成立すると、基本給に加えて売上の何パーセントかが「インセンティブ」として支給される会社もあります。

成果を出せば出すほど給料に反映されるため、成果次第では、若くても大きな収入を得ることができます。

一方、「成約数」や「登録者数」などの個人ノルマが課せられている場合、それを達成できないと評価が下がってしまうこともあるため、継続的な努力が求められます。

「アデコ」や「マンパワー」のような外資系の大手人材派遣会社でも、成果や実力を明確に評価する傾向が強いです。

総合的な人材サービスを手掛ける会社もある

人材業界の企業は、人材派遣だけではなく、人材紹介、人事・採用コンサルティング、アウトソーシングなど、人材に関わる幅広いサービスを手掛けているところが多いです。

大手企業ほど事業領域が広い傾向にあり、社員の配属先や、携わる業務の種類はさまざまです。

そういった企業では役職者のポストも多く、経験を重ねてキャリアアップすることで、順調に収入が上がっていくことがあります。

契約社員やパートの給料は?

人材派遣会社で契約社員として働く場合の平均的な時給は1,500円程度で、月給で24万円~35万円程度が相場とされています。

一方、アルバイトで働く場合の時給は、1,000円~1,500円程度が一般的で、月収で20万円程度になることが多いです。

ただし、業界や職種、地域によって違いがあるため、自分に合った条件をしっかりと確認することが大切です。

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営業・事務など職種で給料は変わる?

人材派遣会社での給料は、職種によって異なります。

たとえば営業職の場合は、目標達成や業績によって賞与やインセンティブが支給されることがあります。

一方、事務職の場合は、スキルや経験によって徐々に昇給していきますが、営業職のようにインセンティブはなく、給料の大幅な上昇はほとんどありません。

より高い給料を求めるのであれば、営業職として就職するのがよいでしょう。

人材派遣会社社員が所属する代表的な企業の年収

会社名 平均年収 平均年齢
株式会社リクルートホールディングス 950万円 38.7歳
パーソルホールディングス株式会社 637万円 38.3歳
株式会社パソナグループ 596万円 40.4歳

出典:2022年現在(各社有価証券報告書より)

リクルートホールディングスの平均年収

株式会社リクルートホールディングスは、人材・メディア関連事業などで数多くのグループ企業を有する大企業です。

人材派遣サービスに関しては、株式会社リクルートスタッフィングが専門的に手掛けています。

平均年収は38.7歳で950万円というデータはホールディングスとしての数字になりますが、企業規模が大きいことから、業界内でも高収入が見込めると考えられるでしょう。

パーソルホールディングス株式会社の平均年収

パーソルホールディングス株式会社は、テンプスタッフ株式会社(現:パーソルテンプスタッフ株式会社)の親会社です。

テンプスタッフは次に紹介するパソナと並んで長い歴史があり、人材派遣業界では大手企業のひとつです。

平均年収は38.3歳で637万円と、日本人の平均年収と比較すると高めの数字となっています。

株式会社パソナグループの平均年収

株式会社パソナグループは、人材派遣業界で大手企業のひとつです。

平均年収は40.4歳で596万円であり、こちらも業界内では高水準の収入が見込めるでしょう。

複数のグループ会社を有し、人材に関する総合的なビジネスを手掛けています。

関連職種との年収の比較

人材派遣会社で働くことも多いキャリアコンサルタントの平均年収は、450万円前後と推定されます。

ただし、キャリアコンサルタントは働き方が豊富であり、収入に差が出やすいと考えておいたほうがよいでしょう。

また、無資格でキャリアカウンセリングを行う人もいますが、実際に「キャリアコンサルタント」と名乗れるのは国家資格を取得した人のみです。

有資格者は一般的なキャリアカウンセラーよりも、有利な条件で働けることが多いです。

人材派遣会社は企業に対し営業をすることもあります。

法人営業は、給与水準が高めで初年度は350万円~400万円ほど、30代では年収が500万円をゆうに超えるケースも多いです。

BtoB企業では継続性も高いため、得意先と良好な関係を作ることが求められ、企業の規模や商材によっては、年収が1000万円を超える人もいます。

なお、一般的な事務職の平均年収は300万円前後がボリュームゾーンとされ、やや低めの水準です。

人材派遣会社社員の年収が低いともいわれる理由は?

人材派遣会社は、成果を出すほど給料に反映されるため、実力次第では20代でも高年収を得られることもあります。

一方で基本給は低く抑えられる傾向にあり、営業職など一部のインセンティブを多く得ている人が全体の年収を押し上げている傾向にあります。

また、ノルマなどの目標を達成できなくては評価が下がってしまうこともあります。

外資系人材派遣会社では成果に対する評価がシビアなため、結果が出なければクビになってしまうこともあり、継続的な努力が求められる仕事です。

こうした理由から、人材派遣会社の年収は低いともいわれると考えられます。

人材派遣会社社員が収入を上げるためには?

人材派遣会社で働く人が収入アップを目指す方法としては、大手企業で実務経験を積み、キャリアアップしていくことが挙げられます。

規模の大きな人材派遣会社は多様な人材サービス事業を手掛けているところが多く、支社や部門などが多数あることから、その分だけ管理職のポジションも用意されています。

最近では年功序列ではなく、成果を出すことで年齢関係なく昇進できる制度を取り入れている企業が増えており、実際に20代後半や30代で管理職となり、収入アップを実現している人もいます。

外資系人材派遣会社のように、より成果に対する評価がシビアで、高評価を得た社員にはインセンティブが多くつきやすい企業への入社を目指すのもよいでしょう。

人材派遣会社を独立・開業する道もありますが、会社員とは働き方や求められるスキルに大きな違いがあり、必ずしも成功するとは限りません。

うまくいけば会社員よりも多くの収入を手にできる一方、事業が軌道に乗らず赤字を抱えてしまう可能性もあるため、よく考えて挑戦すべきでしょう。

人材派遣会社社員の年収のまとめ

人材派遣会社社員の平均年収は、400万円~500万円程度とされています。

業界全体の給与水準は高めとなっており、営業職ではインセンティブやボーナスがつく場合も多く見られます。

一方で、景気の影響を受けやすく、不景気になれば社員の給料も大幅に減る可能性があります。