業界を取り巻く環境は変化し続けている
「人」でビジネスを手掛ける人材派遣業界は、景気の波に左右されやすいことが特徴です。
実際、各社の業績は好況期と不況期とで大きく変わる傾向にあり、企業が多くの人手を欲する時期は良いものの、景気が悪化し各社が採用数を減らすことになれば、どうしても人材派遣会社の仕事が減ってしまう面は否めません。
たとえばリーマンショック後の世界的不況の際には、自動車産業や電機メーカーといった製造業を中心に、いわゆる「派遣切り」が起こり大きな社会問題となりました。
また、業界の規制緩和や、それから一転しての規制強化など外部環境によってもビジネスは左右されやすく、いまだ派遣社員についてはさまざまな議論が続けられているなか、今後も業界を取り巻く環境は変化していくものと考えられます。
人材派遣会社は、市場に対して柔軟に適応しながら事業を展開していくことになるでしょう。
新しい領域に乗り出す企業も
人材派遣会社は「企業と人材の橋渡し」的な役目を果たす存在として、世の中から必要とされています。
一昔前の派遣といえば事務職が中心でしたが、最近では専門職、技術職、医療職など、高度な専門性が要求される仕事においても派遣として働く人が増えており、企業側もハイスペックの人材を求める傾向が強くなっています。
派遣社員の待遇見直しも進められ、能力の高い人材は正社員にも劣らない条件で働くことができる職場も増えつつあり、今後も派遣として働きたい人と、派遣スタッフを求める企業の双方をサポートしていく存在としての活躍が期待されます。
なお、ここ最近は、これまで人材派遣業となじみの薄かった業界に乗り出す企業も増えており、とくに医療や介護、ITなどの業界でのニーズが高まっているといわれます。
さまざまな業界の活性化や、人の可能性を引き出すことも、今後の人材派遣会社の使命だといえるでしょう。