臨床検査技師になるには

臨床検査技師になるには

中高生から臨床検査技師を目指す場合、まず臨床検査技師の養成課程のある学校を目指します。

臨床検査の養成課程がある学校には短大(3年制)、専門学校(3年制)、大学(4年制)があり、そこで所定の課程を修了すると受験資格を得ることができます。

臨床検査技師の養成課程を修了し、さらに臨床検査技師国家試験に合格して臨床検査技師の国家資格を得ることが必要です。

臨床検査技師になるまでのルート

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臨床検査技師の資格・難易度

臨床検査技師として業務を行う場合、必ず「臨床検査技師」の国家資格が必要です。

200点の筆記試験で、120点以上の正答で合格となり、例年の合格率は全体で70%前後となっています。

難易度としては、養成学校での授業をしっかり学び、国家試験対策をしておけば特別難しいものではありません。

ただし、新卒者のみの合格率は例年80%以上の場合がほとんどであることに対し、既卒者の合格率は30%未満にまで落ち込みます。

既卒者の合格率が低い理由としては、

・一緒に勉強する仲間がいなくなる
・卒業後、大学に通うことがなくなるため先生に質問しにくい
・国家試験までのつなぎで始めた仕事が忙しく、勉強時間が取れない

などが考えられ、国家試験の受験自体を諦めてしまう人も少なくありません。

学校で積み上げた数年間をムダにしないためにも、ぜひ1回目の試験で合格できるよう努力しましょう。

臨床検査技師国家試験の難易度、合格率

臨床検査技師になるための学校の種類

学校には大きく分けて大学、短期大学、専門学校が全国に開設されています。

大学は4年制で国立、公立、私立があり、学費は国公立と私立で多少の差があります。

国公立なら4年間で250万円〜300万円程度、私立では500万円〜600万円程度は必要となります。

3年制の短大や専門学校では300万円~400万前後の学費がかかります。

受験の際に重視される科目としては、英語・数学化学・物理・生物など、どちらかというと理系科目が重視されます。

また、専門学校にせよ短大・大学にせよ、高卒以上の学歴が必要です。

臨床検査技師になるための学校の種類(大学、短期大学、専門学校、通信、夜間)

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臨床検査技師に向いている人

臨床検査技師に向いている資質にはいろいろなものがありますが、ここではそのうちの代表的なものをあげてみましょう。

知的好奇心が旺盛

医学の世界は日々進歩しており、医療従事者には常に勉強することが求められます。

就職後も、業務終了後や休日に勉強会へ参加したり、学会に所属して研究発表を行うこともあります。

そのため臨床検査の世界に関心があることが大前提であり、探究心や好奇心を持って学び続ける姿勢が必要です。

几帳面で手先が器用

臨床検査では機械化が進んでいるとはいえ、病理標本や血液標本の作製、ピペット操作など、手技が必要とされる部分も多々あります。

また標本の作製や染色などでは分単位での作業が求められ、簡易検査キットを使用する際も検体の取違いなどは許されません。

そのようなことから、丁寧に作業を進めようとする人、几帳面な人、できれば手先の器用な人のほうが業務に向いているといえます。

ほんの少しのミスで人の命を左右する可能性があるため、仕事に責任を持ち、正確に物事を進める気持ちが大切です。

自分の意見を言える

検査の中には直接患者さんと接する検査(生理検査)とそうでない検査(検体検査)があります。

検体検査を行う場合や検査センターに勤務する場合は患者さんと接することはありませんが、他のスタッフとのコミュニケーションは不可欠です。

コミュニケーション不足がミスにつながることもあり得るからです。

話すのがあまり得意でなくても、伝えるべきことをきちんと伝えるという姿勢は大事にしなくてはなりません。

とくに直接患者さんと接する検査に携わる場合、患者さん一人ひとりの立場を思ってコミュニケーションを取れる人が向いているでしょう。

臨床検査技師に向いている人、適性

臨床検査技師のキャリアプラン・キャリアパス

臨床検査技師として社会に出たあと、医療機関や検査センターなどのほか、企業に就職する人もいます。

どのような場所に就職しても、まず大切なのは一人前に仕事をこなせるようになることです。

業務に余裕が出てきたら、所属する学会でさまざまな研究を聴講したり、自ら発表したりなどしてさらに知識を深め、新たな発見をしたりします。

とくに大学病院などでは学会での研究発表の有無や、発表した論文の本数が昇進に関わることもあります。

そして知識や手技を磨き、一定の検査経験を積んだあとは、それを生かしてさまざまな上位資格を取得する検査技師が多くいます。

また近年は、専門学校を卒業後に大学の3年次へ編入して「学士」の称号を得たり、大学院に進学してあらゆる分野の研究を行う人も増えています。

臨床検査技師を目指せる年齢は?

臨床検査技師の国家試験には年齢制限はありません。

しかし、臨床検査技師の業務は国家試験に合格し、勤務をはじめて少しずつ身につくことも多くあります。

任期制の募集が多い職種のため転職は珍しくありませんが、年齢が高いぶん相応の経験や実力が伴わないと採用されにくいことも考えられます。

また、昨今は機械でできることも増加しているため、臨床検査技師の募集は減少傾向です。

そのような点からも、あまり高齢になってから臨床検査技師を目指すのは難しいと考えておくほうがよいでしょう。

臨床検査技師は高卒から目指せる?

臨床検査技師を養成する学校は高校卒業以上の学歴が必要です。

難しい大学になると、一浪・二浪して入学する人もいるため、高卒からブランクがあっても、勉強に励んで養成学校に進むこともできます。

1〜2歳差の同期はたいして珍しくもありませんので、興味が沸いたら早めに学校を調べたり、試験科目の勉強をはじめたりするのがベターです。

卒業した高校に進路相談部があれば、利用するのもよいでしょう。

臨床検査技師の雇用形態

臨床検査技師の主な雇用形態としては、まず病院や企業などの正規の社員・職員となって働く正職員・正社員がいます。

また、派遣登録会社に登録し、さまざまな病院へ派遣されて働く人や、週に数日・数時間など、自分の働ける時間内でパート勤務をする臨床検査技師も多く見られます。

それ以外では、昨今の医療機関でよく見られる任期制採用として、定められた年限で勤務することもあり、臨床検査士の雇用形態は多岐にわたります。

正職員の臨床検査技師

医療機関では検査の簡易化・機械化により、正職員の臨床検査技師は削減傾向にあります。

求人数に対して応募者数のほうが多くなりがちなため、採用試験に合格するためには在学中からの積み重ねが重要です。

正職員として採用された場合の勤務時間は、職場の定めるところによりますが、病院のでは外来診察を行う8時頃から18時頃までが一般的です。

入院施設や救急救命部のある病院では昼夜を問わず検査を必要とするため、夜勤・当直が発生します。

安定した雇用が確保されることは、正職員として働くメリットといえるでしょう。

しかし、他の雇用形態以上に責任を負うため、難しい業務を任されたり、残業
時間が増えたりする可能性があります。

派遣の臨床検査技師

派遣の臨床検査技師は、医療系職種を扱う派遣登録会社に登録し、人員を必要とする病院などへ派遣されるかたちです。

契約に基づき、勤務する場所や時間、勤務期間などがあらかじめ決まっていることが最大の特徴です。

この働き方のメリットは、一つの組織にどっぷりと浸かることなく第三者的な目線で職場を見ることができる点や、もし職場が合わなくても期限がくれば別の職場へと移りやすいことなどです。

一方、デメリットとして挙げられるのは、立場上、同じ職場に長く勤め続けることが難しい点や、専門性を高めることが難しいことなどです。

アルバイト・パートの臨床検査技師

検査業務自体があまり多くない場合、アルバイトやパート勤務の臨床検査技師を募集する医療機関もあります。

この働き方のメリットは、比較的自由に勤務する日にちや時間を決めることができる点です。

派遣や正職員としてフルタイムで働くのが難しいなどの理由で、このような勤務形態を選択する人もいます。

デメリットは、収入が安定しにくいこと、大きな昇給を望みづらいこと、福利厚生を受けられない場合があることなどです。

ただ、パートとして勤務している間に実務経験を積み、勉強をして上位資格を取得し、正規雇用を目指すことは可能です。

任期制職員の臨床検査技師

任期制職員とは、もともと定められた「任期」内で勤務をする形態です。

派遣とも似ていますが、任期制職員の場合、勤務期間中の待遇については正社員と同様であることが多いため、この間にしっかりと実務経験と勉強に励み上位資格を目指す

デメリットは、正職員のように終身雇用ではないため、任期満了となったら次の職場を探さなくてはいけないところです。

しかし、勤務中に専門性を高めてアピールポイントを作っていけば、新卒者より有利な立場で就職活動ができます。

臨床検査技師の就職・新卒採用の状況

臨床検査技師の就職先にはどんなところがある?

臨床検査技師の就職先で最も人気があるのは病院やクリニックなどの医療機関です。

おもに検査部に所属し、配属された部署で検体検査や生理検査、採血などをおこないます。

他の就職先と違い、患者さんと直接接する機会が多いのが特徴の職場です。

また、医療機関から外注された特殊な検体検査などを行う検査センターなども、臨床検査技師の就職先として挙げられます。

検査センターでは、医療機関で患者さんから採取した検体を受け付けて検査する「検体検査」が中心で、患者さんと直接接することはまずありません。

そのほか、公務員として保健所や科学捜査研究所(科捜研)に勤務する臨床検査技師もいます。

保健所に勤務する場合は住民の定期健診や採血などを行い、残業はあまりありませんが、科捜研の場合は業務を求められるときが予測不能であり、生活も不規則になりがちです。

さらに製薬会社や研究所で研究員として働く臨床検査技師もいますが、大学院卒以上の学歴がないと応募資格を満たさない場合がほとんどです。

研究員の仕事内容は、新薬の開発や基礎研究がおもな業務となります。

臨床検査技師の求人の状況

現代では検査キットや機械の質が向上しているため、臨床検査技師の求人は全体的に減少傾向です。

とくに、正職員の募集はとても少なく、パート勤務や任期制職員の募集が多くなっています。

臨床検査技師の資格に加え、「緊急検査士」「超音波検査士」などの認定資格を取得すると有利ですが、それには実務経験が必要です。

まずは資格取得を目指せる、または自分の進みたい方面の知識を生かせる場所を探し、勤務形態にこだわらずに進んで経験を積むのがよいでしょう。

臨床検査技師の就職先の選び方

臨床検査技師の求人情報では、まず応募資格をチェックしましょう。

超音波検査や生理検査の経験者を募集していることも多いため、卒業研究時に生理検査などを行っていた場合はその旨を履歴書に書いて応募するのもよいでしょう。

将来的に取得したい認定資格などがある場合は、仕事内容が認定資格を取得するために役立つかもチェックしましょう。

職務をこなしながら、別の部署の認定資格に向けて勉強するのはかなりハードです。

さらに、近年の医療機関では正職員の募集はまれですので、どういった勤務形態で働くのかもチェックすべきポイントです。

勤務先の住所については、引っ越しが可能であればそれほど気にする必要はないといえます。

ただし卒業後は実家に戻ることなどが決まっている場合、居住予定の住所から通勤にどのくらいかかるかも考慮に入れておきましょう。

臨床検査技師の志望動機・面接

臨床検査技師に限らず、なぜその職業を選んだのか、なぜその就職先を選んだのかといった動機に関する質問は必ずといっていいほど聞かれます。

それに対し、自分なりの志望動機をよく分析し、わかりやすく説明できるようにしておくのがよいでしょう。

臨床検査技師を目指す多くの人は、なにかしらこの職業に関わる人の仕事ぶりなどを見て自分も同じ道を目指すようになった人が多いと思われます。

臨床検査技師は医師看護師などと比べあまり知名度が高くない職業であるため、どういった経緯でこのような職種を知り、目指すようになったのかを書き出してみるのもよいでしょう。

検査のプロとしてチーム医療その他に携わる大切な人員であるという自覚を持ってのぞみましょう。

また自分の長所や短所、自分の性質を職場でどのように活かせるか、学生時代に頑張ったことなども面接で聞かれやすい質問です。

自己分析や、自分の短所の問題提起と対策を書き出してみる、具体的に何に力を入れてどのような成果を得たかなどをまとめておくと、落ち着いて説明しやすくなります。

就職先はどのように探したらいい?

臨床検査技師の就職先の探し方では、卒業した学校の就職支援課が役立ちます。

医療機関やそれに準ずる検査センター、研究施設などやや特殊な就職先が多く、募集要項が発表される時期もまちまちなので、まめに就職課に通うことをおすすめします。

また就職課では医療機関などの紹介が受けられる場合もあるため、活用するのがいいでしょう。

医療機関や企業のウェブサイトをまめにチェックし、採用情報が出たら応募するという方法もあります。

それ以外には、臨床検査技師専用の求人サイトに登録しておくのもよいでしょう。

通常の求人サイトでも臨床検査技師を募集していることがあります。

さまざまな方向から就職先を見つけられるようにアプローチしていきましょう。