臨床検査技師国家試験の難易度や合格率の推移を解説
「臨床検査技師資格の合格率や難易度はどれくらい?」
医療の現場で活躍する臨床検査技師に憧れる人の中には、こういった疑問が生まれた人もいるのではないでしょうか。
この記事では、臨床検査技師になるための資格取得方法と、資格取得の合格率や難易度について解説します。
臨床検査技師を目指したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
臨床検査技師の資格を取得した際に求められること
臨床検査技師として業務をこなすには、「臨床検査技師」の国家資格が必要です。
なお、臨床検査技師が行う「検体検査」の業務は、業務独占ではないため、臨床検査技師以外も業務が可能です。
しかし、医療機関では「チーム医療」の考え方に基づく分業が進んでおり、検体検査の専門知識や技術を要する臨床検査技師が求められることが一般的です。
また臨床検査技師や看護師、医師などの国家資格を所持しないものが採血を行うと法により罰せられることもあり、臨床検査技師のニーズは安定しています。
臨床検査技師免許を取得したのち、免疫学・血液学・微生物学・細胞診・エコーなどの諸検査において、所定の筆記試験と実技試験に合格すると「二級臨床検査士」の認定資格が得られます。
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臨床検査技師資格の受験資格を得るには
臨床検査技師の国家試験を受けるためには、まず受験資格を得られる養成課程を修了する必要があります。
受験資格が得られる教育施設とは、臨床検査学科を置く大学や短期大学、専門学校が該当します。
臨床検査技師の国家試験受験資格は、大学であれば4年制、短期大学では3年制、また専門学校では基本的に3年制と4年制の過程が設けられており、履修が可能です。
一方、臨床検査に関連しない大学を卒業して、臨床検査技師の国家試験受験資格を得られます。
たとえば、薬学部や獣医学部、理学部などで臨床検査関連科目の単位を取得した場合、あるいは医学部医学科や歯学部歯学科を卒業すると、臨床検査技師の国家試験が受けられます。
臨床検査技師国家試験の資格取得に向けた勉強方法
国家試験の勉強は1年次から始まっている
臨床国家試験の国家試験は、200問中6割(120点)以上で合格です。
不適切問題があった場合でも合格点は120点以上で、合格率は毎年70%〜80%前後です。
専門学校に通う場合、本格的に勉強を始めるのは臨地実習が終わってからです。
模試は3年生になってからスタートし、学校によっては国家試験対策の授業も行われます。
ただ、1年次からの授業の内容のほとんどが国家試験につながるものと考えると、国家試験対策は1年次からすでにスタートしているといえるでしょう。
臨床工学技士国家試験合格のポイントは過去問をしっかり解く
臨床工学技士国家試験の試験対策としては、過去問を解く勉強が中心になります。
問題集は学校から配布される場合もありますが、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。
テキストのほか、最近ではオンラインやアプリで勉強できるサービスも出ています。
出題傾向に変化が見られる年もありますが、それでも過去問にしっかり取り組んでいれば合格できる難易度といえます。
正解の選択肢だけでなく、間違っている選択肢についてもどこが間違っているのか理解が大切です。
国家資格取得だけが目的なら、苦手科目は捨てる方法もあり
臨床の現場に出ることを考えると、なるべく苦手科目は克服しておきましょう。
しかし、とりあえず国家試験合格だけを目的とするのなら、思い切って捨ててしまうのも手です。
出題数の多い分野を捨ててしまうのは危険ですが、臨床検査技師の国家試験では全体の合計点が120点以上であればよいため、得意科目でカバーできる自信があれば問題はありません。
臨床検査技師の国家試験勉強は覚える範囲が広いですが、日々の授業をきちんと聞き、実習にもまじめに取り組んだ上で問題演習を重ねれば、合格は見えてきます。
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臨床検査技師の難易度・勉強時間
臨床検査技師の国家試験は毎年2月に行われ、正答率60%以上で合格となります。
実際の試験科目としては「臨床医学概論」「臨床生理学」「生化学」「微生物学」「医動物学」「臨床免疫学」など、養成課程において学んだすべての科目から出題されます。
試験は1年に一度しかないため、失敗すると就職の内定が取り消されたり、もう一年試験浪人してトライしなければなりません。在学中はしっかりと勉強する必要があります。
合格するために必要な勉強時間というものはなく、定期試験ごとに苦手科目を洗い出し、復習を繰り返すことが大切です。
臨床検査技師の合格率は、例年70~80%程度
臨床検査技師の合格率は、例年70~80%程度です。
しかし新卒者と既卒者の合格率には大きな差があり、新卒者の合格率は80%前後であるのに対し、既卒者の合格率は30%以下にまで落ち込みます。
そのため在学中にしっかりと授業に取り組み、新卒で合格できるよう努めましょう。
臨床検査技師国家試験の受験者数・合格率
臨床検査技師国家試験受験者数の推移
臨床検査技師国家試験の受験者数は例年5,000人前後です。令和5年度の受験者数は4,946人となっています。
臨床検査技師国家試験合格率の推移
臨床検査技師国家試験の合格率は70%から80%ほどを推移しています。令和5年度の合格率は76.8%となりました。
令和5年度 臨床検査技師国家試験新卒・既卒受験者・合格率
令和5年度の臨床検査技師国家試験の受験者数は、新卒が4,051人、既卒は895人で比率にすると、新卒81.9%、既卒18.1%です。
合格率は新卒の方が圧倒的に高く、新卒88.0%、既卒26.3%となっています。
令和6年度 臨床検査技師国家試験の概要
試験日 | 令和7年2月19日(水曜日) |
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試験地 | 北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県及び沖縄県 |
受験資格 | 文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した臨床検査技師養成所において、3年以上、検査に必要な知識及び技能を修得したもの(令和7年3月13日(木曜日)までに修業し、又は卒業する見込みの者を含む。)など |
受験手続き | 受験に関する書類は、令和6年12月16日(月曜日)から令和7年1月6日(月曜日)までに臨床検査技師国家試験運営本部事務所及び各地の臨床検査技師国家試験運営臨時事務所に提出すること。 |
試験科目 | 医用工学概論(情報科学概論及び検査機器総論を含む。)、公衆衛生学(関係法規を含む。)、臨床検査医学総論(臨床医学総論及び医学概論を含む。)、臨床検査総論(検査管理総論及び医動物学を含む。)、病理組織細胞学、臨床生理学、臨床化学(放射性同位元素検査技術学を含む。)、臨床血液学、臨床微生物学及び臨床免疫学 |
合格率 | 76.8%(令和5年度) |
合格発表 | 令和7年3月21日(金曜日)午後2時に厚生労働省ホームページの資格・試験情報のページにその受験地及び受験番号を掲載して発表 |
受験料 | 11,300円 |
詳細情報 | 厚生労働省 臨床検査技師国家試験 |