助産師の1日

助産師の仕事は、勤務先によって異なりますので、1日の仕事も違います。また、大まかな1日の流れは決まっていても、お産はいつ始まるのかわからないので、言いかえれば、仕事は毎日違ってきます。

ひとたびお産が始まると、他の業務がストップしてしまわないように、病棟では、いつでもお産に立ち会えるお産担当の勤務、新生児のお世話担当の勤務、出産直後のお母さんの産後指導担当の勤務など、役割分担をしているところもあります。

ここでは、病棟に勤める助産師の1日の一例を見てみましょう。

午前中

朝・出勤したらまず申し送りがあります。ここで、夜間に出産はなかったか、昨日出産した人や新生児の様子はどうか、今、陣痛が起こり出産間近な人はいるか、その他の検査は何があるか、など、病棟全体の様子と、わかる範囲で今日の予定を把握します。

その後、その日の受け持ち業務に入ります。出産介助担当の場合、陣痛が始まった人がいれば妊婦さんの側に行き、陣痛の間隔、妊婦さんの様子、胎児の心拍などを確認し、出産を正常に迎えられるための情報収集を行うと共に、妊婦さんを励まします。

特に差し迫った出産がない場合は、各病室のベッドサイドを訪れ、病棟に入院している方々の様子をうかがいます。

午前中は、外来診療が忙しいので、応援を頼まれることもあります。外来診療を手伝うメリットは、今後、出産のために入院してくるであろう妊婦さんと接する機会を持つことです。

助産師側は予備知識を得ることができ、妊婦さんは、出産時に顔見知りの助産師がいることで安心感が得られることです。

昼休みは病棟内のスタッフが前半、後半にわかれて食事をとります。人手が少ない時なので、手が空いている人が、新生児のお世話や、投薬などできることを行います。

午後

午後からは、曜日によって、出産直後のお母さんに対する「新生児栄養指導」や、「沐浴指導」、「授乳指導」など、退院後の育児に関する指導を行ったり、外来において、出産を控えた妊婦さんに、妊娠中の過ごし方や、出産に関する心構えや準備をお話しする「母親学級」を開催したりします。

その間にも、入院中の妊婦さんの陣痛が始まったり、自宅で破水(赤ちゃんを包む水が流れ出る、出産の兆候)が起こり緊急で病院を訪れる妊婦さんがいることもあります。その場合は、すみやかに出産準備を行います。

自分の勤務時間を越えてのお産

お産は、妊婦さん一人一人、生まれてくる赤ちゃん一人一人によって違います。

短い陣痛で、お母さんの負担も少なく生まれてくる場合もあれば、何時間も、時には日をまたいで長い陣痛の末にようやく生まれてくることもあります。

となると、昼間の勤務中に生まれないことも多くあり、その場合は、夜勤の看護師・助産師、当直の医師に引き継ぎます。

また、昼間出産の兆候がなかった妊婦さんが、夜間に出産することもあります。

その場合、妊婦さんと胎児に関する申し送りはもちろんですが、妊婦さんが希望する出産のスタイル(立会い出産であるとか、麻酔を用いて痛みを和らげる無痛分娩の希望)を、誰が見てもわかるようにしておきます。

妊婦さんが、いつ何時、どの助産師、どの医師のもとでも、その人らしい尊厳のあるお産ができるよう万全を期した申し送りがとても大切です。

申し送りをしっかり行い、カルテの記入を行ったら、1日の仕事は終了です。

お産の進行によっては残業もありますので、その分、お産がない時は、早めに仕事を切り上げて帰れることもあります。

仕事体験談