助産師の勤務時間・休日・仕事は激務?
助産師の勤務時間
助産師の勤務時間は、大学病院や総合病院の産婦人科、産科クリニック、助産院など、勤め先によって違います。
ここでは、三交替制の病院と、二交替制の病院、助産院に分けて紹介します。
三交替制の病院での勤務
大学病院や総合病院など、入院患者さんがいる産婦人科病棟は「三交替制」が一般的です。
「日勤(昼間の仕事)」「準夜勤(夕方から真夜中の仕事)」「深夜勤(真夜中から明朝までの仕事)」の3つの勤務時間があります。
おもな勤務は昼間の仕事ですが、準夜、深夜の勤務が合わせてローテーションでひと月に約8回ほどあります。
助産師の夜勤は、大きな緊張感や重労働を伴うことも少なくありません。
生活のリズムが乱れやすく、体力的負担にもなるため、日勤の後に深夜勤務を入れない、もしくは準夜勤で夜中まで働いた次の日は休みにするなど、働きやすい労働環境を整える病院も増えています。
病棟によっては、お産以外にも婦人科疾患をもつ患者さんが入院しているため、お産が少ないときには必要に応じて看護師としての仕事を行います。
二交替制の病院での勤務
産科クリニックなどの規模の病院によっては、「二交替制」といって「日勤(昼間の仕事)」「当直(夕方から翌朝までの仕事)」の2パターンの勤務時間を採用しています。
当直は、3交替制の準夜と深夜勤務のふたつが合わさったものと考えることができます。
勤務時間が長いため、途中の休憩はもちろん、仮眠が認められているところがほとんどです。
当直人数は、病院の規模やスタッフの人数、また業務量にもよります。
出産、他の入院患者さんのお世話、新生児のお世話があるところでは、とても1人では手が回りませんから、複数人で当直を行います。
こちらでも看護師としての仕事をこなす場合もあります。
助産院での勤務
助産院の勤務時間は、基本的には開院時間に合わせた勤務となります。
ただ、お産のある時には呼び出しがあったり、場合によっては泊り込むこともあります。
規模の小さい助産院は一人ひとりの助産師に任せられる仕事も多岐に渡り、勤務時間もお産がある時とない時では違ってきます。
大病院と比べてお世話する妊婦さんの数も限られているため、ある程度の予定を立てることもできる一方、予期せぬことが起こった時に呼び出しがかかることもあります。
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助産師の休日
基本的に病院や産科クリニック勤務の場合は、シフト制での休日/になります。
パート勤務でない限りは、週末や祝日にしっかりと休みを取るのは難しいと考えておいたほうがよいでしょう。
また、休日であっても急遽、出産への対応をしなければならない場合もあります。
お産はいつあるのかの予測が難しく、さらに出産は何時間かかるかも、始まって見なければわかりません。
助産師をはじめとするスタッフは、出産にあわせて勤務する必要があるため、どうしても不規則な勤務時間や休日になってしまうことは仕方ありません。
規模の小さな助産院などでは助産師の人数が少ないため、状況によっては休日出勤をすることもあります。
助産師の残業・夜勤
正職員の助産師の場合、夜勤をすることが前提となってきます。
総合病院ではもちろんですが、産科クリニックでも夜勤ができる助産師は歓迎されます。
それは、お産は時間が読めず、いつ始まるのか予定が立たないからです。
週に一度の夜勤でも、生活が不規則になります。
身体が夜勤のある生活リズムに慣れるまではかなり疲労感を感じることでしょう。
その点でも、助産師の仕事は激務であるといえます。
とくに自然分娩での出産は手術のように正確な予定時間がたたないものであり、勤務時間中に始まったお産が長引き、勤務時間が終わっても帰れないことがあります。
とはいえ、自分の受け持ってきた妊婦さんが、自分の勤務時間ではない時に出産を迎えた時に呼び出されることは、勤務先の体制や方針にもよりますが、あまりないようです。
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助産師は忙しい?激務?
助産師の仕事が大変なところは、お産は時間関係なく起こりうるものだということです。
お産が一晩に5件ある日もあれば、まったく何事もなく仕事が終わる日もあります。
ついさっきまで何もなかったのに、急にお産の人が来て、すぐに産まれてバタバタするときもあります。
正常に経過していると思ったら、急に異常に転じて夜中の緊急手術になる可能性もあります。
とくに夜勤帯はスタッフの数が少ないため、忙しい日は食事をする時間どころか、トイレに行く暇もないようなことがあります。
これらを総合すると、やはり産科という特殊性を含め、助産師は激務であるといえるでしょう。
助産師が常に抱く責任感
とはいえ、毎日が常に忙しいわけでもありません。
お産がなく、赤ちゃんと産後の母親のケアをしながら、ゆっくりおしゃべりをして終わる平和な日もあります。
しかしながら、助産師には母子ともの命を預かっているという意識が常にあるものです。
助産師は自分で状況を判断して、サポートやケアを実施していきます。
その判断を間違えたら、異常事態の早期発見ができなかったら、大切な命を守れない可能性が身近にあります。
そのような責任感を常に抱きながら、助産師は業務に携わっています。