食品スーパー店員の年収・給料はいくら? ボーナスについても解説
この記事では初任給からボーナス、キャリアアップに伴う収入の変化まで、実際の統計データをもとにわかりやすく紹介します。
食品スーパー業界の収入事情を把握し、将来のキャリアプランや生活設計に活かしましょう。
食品スーパー社員の平均年収・給料の統計データ
食品スーパー社員の平均年収は400万円から500万円前後といわれています。
ただし大手の有名スーパーの場合、800万円にも上る人もいる一方で、地方の小規模なスーパーだと400万円程度にとどまるなど、業界内でも差があるため、平均値だけでライフプランを立てるのは難しいでしょう。
食品スーパー社員の平均年収・月収・ボーナス
賃金構造基本統計調査
厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、食品スーパー社員の平均年収は、41.9歳で361万円ほどとなっています。
・平均年齢:41.9歳
・勤続年数:10.7年
・労働時間/月:166時間/月
・超過労働:8時間/月
・月額給与:267,000円
・年間賞与:405,600円
・平均年収:3,609,600円
出典:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
食品スーパー社員の手取りの平均月収は26~27万円
年収が約400万円の場合、ボーナスを含まない月の総支給額は約33万円で、手取りは約26~27万円となります。
もしボーナスを2ヶ月分と仮定すると、月の総支給額は約28万円、手取りは約22~23万円で、ボーナスは約60万円となるでしょう。
この収入は、日本人の平均年収が約420万円であることを考慮すると、ごく平均的な水準といえます。
食品スーパー社員の初任給は約18~20万円
食品スーパーの社員の初任給は約18~20万円です。
学歴不問の業界であるものの、学歴が給与に影響することがあり、高卒と大卒では月収に3~5万円の差が出ることがあります。
短大・専門・高専卒 182,000~192,000円
大学卒 209,000~219,000円
大学院修了者 221,000~231,000円
短大・専門卒 192,000円
大学卒 217,000円(関東エリア社員は206,500円)
大学院卒 234,900円(関東エリア社員は220,900円)
食品スーパー店員の勤務先の規模別の年収(令和5年度)
食品スーパー店員の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。
10〜99人規模の事業所に勤める食品スーパー店員の平均年収は334万円、100〜999人規模は351万円、1,000人以上規模は375万円、10人以上規模平均は361万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「販売店員」で百貨店店員、ショップ店員、アパレル店員、ドラッグストア店員、ペットショップ店員、コンビニ店長、書店員など他職業を含むデータです。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
食品スーパー店員の勤務先の年齢別の年収(令和5年度)
食品スーパー店員の年収は、年齢が上がってもあまり変わらない傾向にあります。最も年収が高い世代は、45~49歳の410万円です。
全年代の平均年収は361万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「販売店員」で百貨店店員、ショップ店員、アパレル店員、ドラッグストア店員、ペットショップ店員、コンビニ店長、書店員など他職業を含むデータです。
食品スーパー社員は社割が利用できる
食品スーパーの社員は一般的な年次有給休暇をはじめとする休暇制度のほか、最近では年末年始や夏休みに代わる形で、1週間程度の長期連続休暇を取得できる企業が増えています。
また、大手企業は地方にもスーパーマーケットを展開しており、地域で勤務する社員のために住宅や寮を提供しているところも多いです。
さらに、食品スーパー特有の福利厚生として、自社の商品を割引価格で購入できる「社割」を利用できる企業も多くあります。
これにより、社員は自社商品をお得に購入することができます。
20代で正社員への就職・転職
食品スーパー社員の給料・年収の特徴
食品スーパー社員の満足度はあまり高くない
食品スーパー社員の収入は、実際に働いている人々の満足度とは一致しないことがあります。
収入の高さにもかかわらず、長時間の勤務や肉体労働に対して収入が見合っていないと感じる人々が多いのが現状です。
過去には時間外労働が当たり前とされ、手当が支払われず問題があったケースもありました。
しかし、最近ではこうした悪しき慣習が改善され、時間外労働を極力減らす方針を持つ企業が増えています。
労働時間に見合った賃金が支払われることは当然のことであり、社員の健康と福祉を尊重する動きが進んでいます。
それでもなお、負担が大きいと感じる社員たちの多くは、その努力や苦労がもう少し収入に反映されてもいいのではないかと感じています。
収入だけでなく、健康や働きやすさを含めて総合的な満足度を向上させるために、労働環境の改善や報酬体系の見直しが求められていることも事実です。
年収はスーパーの規模によっても違う
食品スーパーの仕事は、規模によって収入や労働条件が異なります。
小規模な店舗では少人数での仕事が多く、収入や昇格が限られる場合もあります。
また、大規模なスーパーでは収入が相対的に高く、部門の責任者や店長になることで収入アップが見込まれますが、営業時間の長さや体力的な負担もあることがあります。
食品スーパーで働く場合、本社への昇格や企業内でのキャリアパスも考えられることから、自身の目標や適性を考えつつ、どのようにキャリアを築いていくか、計画的なキャリア設計が重要です。
食品スーパー社員が所属する代表的な企業の年収
会社名 | 平均年収 | 平均年齢 |
イオン(株) | 838万円 | 49.3歳 |
(株)セブン&アイ・ホールディングス | 776万円 | 43.3歳 |
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(株) | 800万円 | 50.5歳 |
出典:2024年現在(各社有価証券報告書より)
イオングループの平均年収
イオングループの平均年収は838万円です。
小売・流通・外食業界の中で最大手で、総合スーパーを全国に展開しています。
残業代が1分単位で計算されるなど、法令順守意識が高い企業です。
セブンアンドアイHDの平均年収
セブンアンドアイHDの平均年収は776万円です。
国内2位の流通グループで、セブンイレブンをはじめとしたコンビニを核に、総合スーパー、百貨店等を展開しています。
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの平均年収
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの平均年収は800万円です。
イオン系で、首都圏で展開する食品スーパー最大手です。
傘下にマルエツ、カスミ、マックスバリュ関東などさまざまなスーパーマーケットを抱えています。
20代で正社員への就職・転職
食品スーパー社員が収入を上げるためには勤続する
食品スーパー業界の特徴の一つとして、勤続年数に応じた収入の伸び率が良いことが挙げられます。
この理由は、役職手当が充実しているからです。
食品スーパーの社員は入社と同時に店長候補としてのポジションに就くことが一般的です。
そのため、店長に昇進するまでの期間中も主任やチーフなどの責任あるポジションで業務を担当することになります。
これらの役職に応じた手当が支給されるため、収入が段階的に増加していくのです。
その結果、新入社員と入社5年目の社員との間に年収で100万円ほどの差がある会社も珍しくありません。
通常、入社から3~5年で主任やチーフ、8~10年で副店長、10~15年で店長といったペースでキャリアアップが進行し、役職手当が支給されることで収入が増加していく傾向が見られます。
このようなキャリアの積み重ねによって、勤続年数に応じた収入アップが期待できると言えるでしょう。
スーパー店員の年収・給料はいくら?のまとめ
食品スーパー社員の年収・給料は日本の平均的な年収と同程度です。
一方で、実際に働く人たちの満足度は高くはなく、さらなる労働環境の改善が期待されています。
今後食品スーパー業界への就職を考える人にとっては、年収アップやより働きやすい環境が整えられていくと考えられています。