看護師の働き方の種類・雇用形態

看護師の雇用形態

看護師の9割以上を占める女性の場合は、結婚・出産・育児などのライフステージによって、心身の状況や仕事にかけられる時間は大きく変わります。

近年は雇用形態も多様化し、それぞれの状況やライフスタイルに合った働き方を選べるようになっています。

最も一般的な働き方は、勤務先に看護師として正規雇用される「正職員」です。

正職員の所定労働時間は1日あたり8時間、週40時間程度ですが、最近では既婚の看護師向けに、勤務する時間や日数を短縮した状態でも正職員としての待遇を受けられる「短時間正職員制度」を導入する機関が増えてきました。

また正職員でも、夜勤を行わない「日勤限定」や土日に休みを固定する「平日限定」などの働き方ができる場合があります。

正職員以外にも「アルバイト・パートの看護師」または「派遣看護師」として働く方法があります。

昨今では価値観が多様化し、出産や育児を経験した女性看護師だけではなく、独身の看護師でも自ら働くスタイルを決めて、正規雇用から非正規雇用に雇用形態を変更しながら働き続ける人が増えています。

病院やクリニック、介護施設でも、慢性的な人員不足から正規雇用だけではなく非正規雇用をはじめ、多様な雇用形態を受け入れざるを得ない状況です。

正職員の看護師

正職員の働き方の特徴

正職員は、雇用に一定の期間がなく「午前9時~午後5時」などの決まった勤務時間で長期間にわたって働くスタイルです。

勤務した年数によって給料が上がっていくことは多く、昇格して役職がつくこともあります。

研修など教育支援も充実しており、スキルに応じて責任のある仕事も任せてもらえるため、看護師としてのキャリアアップを目指しやすい環境だといえます。

正職員のメリット・デメリット

正職員は一般的によほどのことがない限り、一方的に解雇されることがないため、長期にわたって安定して働くことができます。

専門性や経験値を高めやすく、将来的には看護師長などの上位職位や管理職を目指せます。

また昇給やボーナス・退職金の支給があり、各種手当や福利厚生も充実しているため、長く働くほど金銭的メリットが大きくなり、生活水準を高くしやすいといえます。

一方、デメリットとしては夜勤や残業が多く、過酷な労働環境になりやすいことです。

正職員は責任をともなう仕事が多いため、仕事とプライベートをうまくコントロールすることが難しい場面も考えられます。

派遣の看護師

派遣の働き方の特徴

派遣会社に希望する仕事やスキルを登録し、条件に合う勤務先に派遣される仕組みの雇用形態です。

賃金や社会保険は雇用元である派遣会社が負担し、仕事上の指揮命令は実際の職場となる勤務先が行います。

一つの派遣先で働ける期間は最長3年と法律で定められています。

看護師の派遣については、労働派遣法で、有料老人ホームやデイサービスなど医療行為をともなわない施設にのみ認められており、病院やクリニックなど医療施設への派遣は、紹介予定派遣と産休・育休の代替派遣を除き禁止されています。

紹介予定派遣とは、ある一定期間派遣スタッフとして勤務し、その後双方が合意をすれば、派遣先の職場に直接雇用される働き方です。

委員会やカンファレンス、勉強会などへの参加義務はない場合が多く、勤務時間は残業がないように配慮されるため、点滴や食事補助など短時間で終わる仕事を任されやすい傾向にあります。

派遣のメリット・デメリット

派遣は基本的に数ヵ月単位で期間を限定して勤務するため、そのときどきの状況やライフスタイルに合わせて柔軟に働けます。

また残業や休日出勤が少ない勤務先が多いため、プライベートや家族との時間を充実させやすいといえます。

紹介予定派遣は、事前に就業先の雰囲気や人間関係などを知ることができ、理想とのミスマッチが少ないのがメリットです。

しかし、自分の希望条件に合った求人先があるとは限らず、派遣期間終了後に更新があるという保障もないため、雇用が安定しているとはいえません。

また短期の派遣の場合は、社会保険には加入できません。

アルバイト・パートの看護師

アルバイト・パートの働き方の特徴

アルバイト・パートは「月曜・金曜」や「午前10時~午後3時」といったように、正職員よりも少ない日数、短い時間で臨時的に勤務する雇用形態です。

アルバイト・パート看護師の仕事内容は血圧測定や採血、検診の案内や書類整理など、正職員看護師の補佐としての業務が多く、責任のある仕事を任せられることはまずありません。

アルバイトでは、コンサートや中高生の修学旅行での健康管理など1日だけの単発の仕事もあります。

結婚や出産などの理由で休職をし、ブランクから復帰する際に、就業感覚を取り戻すために、アルバイト・パートの看護師として勤務する人もいます。

なお、アルバイトとパートはほぼ同じ意味で使われており、法律的にもそれぞれの名称にとくに明確な区分はありません。

アルバイト・パートのメリット・デメリット

アルバイト・パートは時間的な拘束が少なく、働く日数、時間帯を自由に選んで働けることが一番のメリットです。

賃金を配偶者の扶養の範囲内にとどまる程度に調整したり、逆に効率的に収入を得るために夜勤専門で働いたりすることもできます。

メインの仕事をしながら、空いた時間を活用してダブルワークをすることで収入の補填もできます。

ただし、正社員に比べて突然職を失ってしまうリスクがあります。

社会保険が完備されていない場合や、ボーナス・退職金が支給されない場合もあり、正職員より給料や福利厚生面で劣るケースが多いです。

また臨時雇用が前提のため、責任のある仕事を任せられることは少なく、スキルアップを目指すのは困難といえます。