大学職員の働き方の種類・雇用形態

大学職員の雇用形態

ひとくちに大学職員と言っても、その働き方はさまざまです。

正職員として大学法人に雇用されている人や、それぞれの部局や研究所などで採用されている正職員、また期間契約の契約職員やパートタイム、アルバイトなどの非常勤職員、また派遣契約で働いている派遣職員など、同じ仕事をしていてもそれぞれ形態が異なることも少なくありません。

ここでは、正職員以外の大学職員の働き方の種類についてみてみましょう。

非常勤の大学職員

大学では、アルバイトやパートタイムの大学職員のことを非常勤職員と呼んでいます。

大学には一般企業と変わらない総務経理・人事などの部署があり、時短や曜日限定で働く事務系非常勤職員も数多く働いています。

また、研究室では教授の秘書業務もあれば、ファイリングやデータ入力、物品管理などを行う事務もあります。

教授秘書ひとつにとっても、フルタイムの職員の場合もあれば、週何日と決まっている非常勤職員、また派遣社員の場合もあります。

このような事務系職種は、大学職員でも一般企業でも求めるスキルや採用方法に差があるわけではなく、求人もハローワークや一般の求人広告などによって行われています。

一方、大学ならではのものとして教育・研究系非常勤職員の職種があります。

たとえば研究補助員、教育補助員のように、正規雇用ではないものの教育・研究業務に関与する職種です。

求人は大学のホームページを通じて公募されることが一般的で、その情報が専門誌や独立行政法人の研究人材ポータルサイト「JREC-IN Portal」、民間のポータルサイトなどに掲載されることで周知されます。

参考:JREC-IN Portal

公募のほかに、教授からの推薦や、学部生・院生が可能なアルバイトであれば学内で募集・選考されることもあります。

非常勤職員のメリット

非常勤職員には、裁量労働制であったり勤務日が選べたりと、時間の自由が利きやすいというメリットがあります。

また、常勤職員の場合、副業禁止や届出制になっていることが一般的ですが、大学ごとに条件は異なるとはいえ、非常勤の場合は条件が緩和されていることが多くあります。

そのメリットを生かし、学外の仕事でも活躍している人がたくさんいます。

民間企業やスクール等での研修講師と兼任している人や、実用書などを執筆している人、専門分野のコンサルタントをする人など、さまざまです。

非常勤というと「非正規=正規職員になりたくてもなれない人」というイメージが先行しがちですが、このように独立志向が旺盛な人も、もちろんいます。

ただし、大学で働くというネームバリューだけで続く仕事ではなく、とくに学生と一対一で話す機会も多い職員の場合は決して「上から目線」であってはならず、面倒見のよさや根気よさが必要です。

他の仕事の引き合いも多い売れっ子でも大学職員を続けている人は、社会に出る前に純粋な気持ちで夢や希望を追っている「大学生」と接するのが好きという人が多いようです。

また、本業があり、出向などの形で大学の非常勤職員として週に数日、勤務する人もいます。

非常勤職員とワーク・ライフ・バランス

京都大学の調査によると、非常勤職員の平均年齢は41.3歳、結婚している人は約半数という結果でした。(2012年時点)

結婚・出産や留学などによっても、ブランクの空いた人が職場復帰のファーストステップにするケースが見受けられます。

非常勤職員から常勤職員・正規職員への登用をめざす人は、場合によっては研究室ではなく事務室での勤務を選んだほうが有利だといわれています。

一方、専門知識や経験を生かしての研究室での勤務を希望する人は、たとえば理系の大学を卒業した人や、専門性の高いスキルを持っている一方、現在は家庭を持っていたり子供がいたりという人たちです。

一般的なパートタイム求人だと仕事内容が物足りないなどマッチングせず、また、高学歴であることから職場で敬遠され、人間関係がうまく行かないケースもあるためです。

このようにスキルがあってパートタイムの仕事を希望する人は、研究補佐、実験補助、技術補助、データ解析、教授の秘書、論文編集補助、翻訳など、専門性を生かせる職種を選ぶ傾向にあります。

なお、国立大学の多くが、非常勤職員は更新を続けても最大5年を超えないという上限を設けています。

長く勤めたい人にとっては、派遣の更新上限よりも長く働けるけれど、5年経つと新しい職場を探す必要があることを認識しておかなければなりません。

この5年を超えない契約条件の撤廃を求めて、雇用側と職員側は議論を重ねています。

派遣の大学職員

最近、大学の事務系業務を外部委託するケースが増えています。

従来の、派遣会社からスタッフが派遣されてくるという形態のほかにも、部署の中のアシスタント業務を1名から数名の派遣社員が行うというケース以外に、派遣会社が業務を一括で受注して、チームメンバーがその派遣会社からまとめて派遣されるという大型案件もあります。

派遣会社が大学案件を獲得するための営業チームを持つのはもちろんのこと、派遣社員と仕事をマッチングさせるコーディネーターにも、大学案件に強い担当者が配置されるようになってきました。

新卒の時には大学職員に応募しなかったけれど、やはり一度は大学で働いてみたくなったという時、このような「大学に強い派遣会社」を活用すると、早く仕事が決まることが期待できます。

派遣の大学職員の探し方

インターネットを検索すると、派遣会社を横断して仕事を探せるポータルサイトは数多くあります。

そのような派遣ポータルサイトの検索画面で「学校事務」と検索すれば、派遣会社を横断して求人を探すことができます。

大学職員を目指して希望を絞っている場合は、正職員や非常勤として入職するよりも派遣社員として働き始める方がスムーズである場合もあります。

派遣社員から直接雇用となるケースも少なくありませんので、決して回り道とは言い切れません。

行きたい大学や、めざしている職種、興味のある業務内容を多く掲載している派遣会社を選んで、登録に行くとよいでしょう。

なお、派遣会社は大学以外の案件も手がけていることがほとんどなので、大学案件だけを紹介してもらえるとは限りません。

スキルや働く時間帯、勤務場所などの条件にマッチしていれば、一般企業の仕事を紹介される場合もあります。

どうしても大学で働きたいという希望が強いのであれば、「いい仕事があれば一般企業でも・・・」と態度をあいまいにするのではなく、大学の仕事を探していることをキッパリ伝えましょう。

また、同時に大学の仕事に就ければ辞退や途中退職はしませんという意思の強さも表明しておくとよいでしょう。

紹介予定派遣への応募

派遣での入職をきっかけに大学で長く勤めたいのなら、紹介予定派遣の案件に応募することもひとつの方法です。

正規職員より契約職員への登用のほうが多いのが現実ですが、契約職員の場合は大学によって異なりますが、さらに最長5年程度、働き続けることができます。

もちろん、派遣勤務と並行して就職活動をし、他大学での直接雇用の内定をめざしても構いません。

未経験から正職員を狙うよりも、就職活動の際には派遣就業歴や業務内容を書き、大学での勤務実績をアピールすると、選考の際に考慮してもらえる可能性があります。

難関の就職試験を受けなくても、大学で就業できるチャンスが広がっているのが、派遣の大学職員という働き方です。

派遣職員の仕事内容は?

最近は、事務系業務のアウトソーシングの幅が広がっているため、派遣の身分であっても、「こんな業務まで」と驚くような仕事を任されることが多々あります。

一般企業などではまだまだ、「派遣さん」の仕事はここまで、と分業や線引きがなされていることもあるようですが、大学事務に関しては大きな分け隔てなく業務にあたる環境ができている場合も少なくありません。

たとえば教務事務であれば入試の願書受付業務、学生の履修登録・時間割管理・成績登録などです。

英文事務であれば外国人教職員の在留資格取得、留学生入学の応募者に対する問い合わせ対応から書類選考の結果連絡なども、派遣社員の仕事です。

司書資格を持っていれば図書館業務、キャリア・デベロップメント・アドバイザーなどキャリアカウンセラーの資格を持っていればキャリアセンター業務といった、専門業務にも就くことができます。

学生の将来を左右するような重要な業務が多いので、経験が浅くても失敗は許されません。

また、学生は直接雇用であれ派遣であれ、スタッフを同じように「職員」と見ているので、派遣だからわからないことが多くて当然、と甘い気持ちで業務をすることは禁物です。

派遣の仕事に就いたその後は?

現在の派遣法では、派遣社員は同じ派遣先で最長3年間までしか働くことができません。

また、大学側の経営判断によって、派遣会社にアウトソーシングしていた業務の規模縮小や、直接雇用の職員への業務移管などの理由で、契約が終了してしまう場合もあります。

大学の場合、一般企業と比べて年度途中に計画の見直しが行われることは少ないため、期中に突然、契約終了になることは少ないのですが、3年の上限まで居られると安心しきってしまうにはリスクがあります。

前述したように、派遣社員であっても重要度の高い仕事を任されることが多いので、管理者の正規職員や教員からの評判が良い派遣社員もたくさんいます。

しかし、その評価が必ず仕事の継続や職員登用に結びつくという保証がないため、派遣社員として働く不安定さと限界でもあるといえます。

勤務経験を実績として次のキャリアパスを描けるよう、意識して業務にあたることが大切です。