大学職員は留学生にどんな支援をしている?

留学生に対する就職支援

留学が身近になり、外国語学部など特別な学生だけのものでなくなった昨今、海外に留学した日本人学生、日本で学んだ外国人留学生どちらにとっても、卒業時の就職支援は大学職員の重要な役割です。

留学時期の影響で、春の内定に間に合わない学生もいますから、キャリアセンターではお盆明けから秋採用の支援活動が本格化します。

秋採用を実施している企業の情報収集をし、学生に公開することはもちろん、学内の合同説明会に企業を招くなど、企業とのパイプ作りも欠かせません。

留学生がおかれている個々の状況が異なるため、帰国した学生に対するガイダンスを実施している大学や、滞在国からメールによる就職相談を受け付けている大学もあります。

外国人留学生に対する就職支援のメニューも増えてきており、外国人留学生対象就職ガイダンス、インターンシップ先の紹介、日本で就職した先輩留学生との交流会など、多岐にわたっています。

また、受け入れている姉妹校や交換留学生などに対し、日本人の学生が一人つき、授業や生活のサポートをする制度などもしっかり整っている大学も少なくありません。

留学生が安心して学業に専念してもらえるのに加え、日本人大学生にとっても外国人留学生と密に交流し、国際感覚や語学などを習得することはいい経験となり、双方にとってプラスになるからです。

留学生就職支援の課題

大学での就職支援はあくまでも、日本の雇用慣行や選考基準に沿って、ほかの人に遅れを取らずに就職活動させることを前提にしており、留学生が持っている専門的知識・技術が生かせるような高度人材マッチングまでは対応できていないのが現状のようです。

産業界では外国人留学生及び外国に留学経験がある日本人学生を「グローバル人材」と呼び、優秀な人材の獲得をめざす動きがあります。

採用にコストをかけられる大企業だけでなく、国内では知名度が低い企業や、中小規模の企業であっても、独自の技術を強みとして海外進出が盛んになっており、対象国の事情に詳しい人材を求めているのです。

大々的な求人が行われておらず、要件を満たす学生も少ないとなると、通常の就職支援とは異なる手法を開発しなければなりません。

日本で学んだ優秀な留学生が、日本で就職しその知識や経験を還元してくれるとよいですが、自国に帰ってしまったり、よその国の企業に就職したりといったことは大変にもったいないことです。

留学生に対する就職支援は、まだまだ開発途上にあり、新しい職員のアイデアや実行力が求められています。

大学職員にも求められるグローバル化

平成25年6月に閣議決定した「第2期教育振興基本計画」では、2020年を目途に日本の海外留学生数を倍増(大学等:6万人から12万人)させるという方針が発表されました。

この計画の実現に向けて交換留学や協定校での現地研修・実習のための留学が重視されています。

協定校協定の数は、平成24年度には19,982件、平成26年度には24,792件、平成28年度38,264件にまで増えました(独立行政法人日本学生支援機構調べ)。

このように協定校留学が増える背景には、国策であるという以外に大学の経営上の課題もあります。

大学を取り巻く大きな課題に「少子化」と「大学全入時代」が挙げられます。

将来、日本人学生の志願者が少なくなるので、生き残りをかけて何としてでも留学生を増やして学生数を維持したいという、大学側の思惑があるのです。

海外の大学と交換留学の協定を結べば、海外から留学生が入ってくれるうえに、日本人学生がその大学に留学することもでき、留学生倍増という国の目標も満たすことができます。

では、このような「留学生倍増」の流れを受けて、大学職員に求められる役割はどのようなものでしょうか。

海外に留学する学生を支援する取り組み

文部科学省は、留学の意欲ある学生に対して、経済的負担を軽減する措置を大学に求めています。

そこで、各大学では返還不要や無利子貸与型の「学内奨学金制度」や「宿泊費・滞在費等の支給」「留学期間中の学費の減免制度」などを用意しています。

また、支援策とあわせて、姉妹校締結や海外の大学と単位互換の取組等、大学の教育環境整備を進めることなども課題といわれています。

これに対しては、学部ごとに留学単位互換用科目を定めたり、語学の必修科目との単位互換を認めたりといった措置が設けられています。

海外留学の盛んな大学では、留学相談専任の職員の配置や、プロの留学カウンセラーを中途採用するほど支援を充実させている大学もあります。

勤務校にどのような留学形態があり、期間や費用、単位互換有無はどうなっているのか、大学職員は情報をしっかり持っておくことが望まれます。

海外からの留学生を支援する取り組み

2016年時点において、外国人留学生の約9割が学位取得生で、大学に在籍する留学生の約7割が、国内の日本語学校や専門学校、短大などを経て進学・編入した学生たちです。

大学は、日本語学校ほど日本語の基礎教育が充実していないため、日本語で行われる授業が理解できる学生に限り、受け入れているケースが多いということがわかります。

言葉の問題はある程度クリアできているにしても、住居や学生間国際交流など留学生ならではの支援策が、職員に求められます。

また、短期の交換留学生の受け入れが増えると、日本語の理解力が不十分な学生も多くなってきます。

そこで、夏期など交換留学生の多い期間には、英語だけで授業を行う科目を設け、交換留学生の便宜を図ると同時に、日本の学生にもその科目を履修させて留学準備に役立ててもらうなどの取り組みが始まっています。

そのような特別科目に限らず通常の開講科目も、学位取得生、交換留学生を問わず、外国人留学生が履修にやってきます。

通常科目は日本語が理解できることを前提に履修するため、授業についてこられる日本語能力が求められます。

大学によっては、そのような留学生向けに日本語講座などを特別に開講して、留学生の語学サポートを行っています。