教育コンサルタントの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「教育コンサルタント」とは

教育に関する指導・助言を行う仕事

教育コンサルタントは、学校や家庭に対し、教育に関する指導や助言を行う仕事です。

「教育コンサルタント」には明確な規定がなく、各種学校や学習塾など教育機関に対するコンサルタントを行っている人、家庭や児童生徒一人一人に対してコンサルタントを行っている人がいます。

ひとくちに教育コンサルタントといっても、仕事内容は大きく変わってくるため、注意が必要です。

学校などの教育機関に対してコンサルタントを行う場合は、学校の経営全体に関わること、広報やブランディングなど生徒を集めること、学習内容やカリキュラムに関わることなどの観点から指導を行います。

近年は少子化により児童生徒を集めるために各学校がさまざまな工夫をしており、とくに私立学校や民間の学校では教育コンサルタントの力を借りているところも増えてきています。

また、校舎を移転・新築するといった際には、学習環境だけでなくICTやインフラの観点から提案を行う場合もあります。

一方で、個人に対してコンサルタントを行う場合、学習計画をたててその進捗を管理したり、児童生徒や保護者のメンタル面を支えたりする仕事も担います。

「教育コンサルタント」の仕事紹介

教育コンサルタントの仕事内容

学校や個人に対して専門家の視点でアドバイス

教育コンサルタントの仕事は、学校や個人など教育に関する問題を抱えた場所や人に対し、専門家の視点から指導やアドバイスをすることです。

コンサルタントというと、企業や官公庁に対し、経営状態や今後の方向性の分析を行うというイメージを持つ人も多いでしょう。

学校でも同じように、経営や将来性、児童生徒や保護者のニーズなどといった観点から、今後の学校の方向性を立案していきます。

具体的には、カリキュラムの編成や設備の充実、児童生徒を集めるための広報やブランディング、コスト削減などといった内容です。

これまでは、コンサルティングファームや学校の経営を専門としたコンサルティング会社、広告代理店などがこのような役目を担っていました。

しかし近年では、需要の高まりとともに教育の観点から専門的な指導をする人が増えてきています。

また、少子化の影響を受けて学校の統廃合や学部・学科の淘汰、校舎の移転なども増えてきています。

こうした際には良い学習環境を整えるため、ファシリティやネットワークの提案を行うことも重要な仕事です。

一方で、学校ではなく個人に対してコンサルタントを行う場合もあり、一人一人の学力を知り、学習計画をたてたり、必要なサポートを行ったりします。

「コーチング」と呼ばれる個人の成長を後押しするマネジメント方法が普及するにつれて、受験生や社会人で利用する人が増えてきており、よりカウンセラーとしての役割に近い仕事となります。

教育コンサルタントになるには

コンサルティングファームに就職する場合が多い

教育コンサルタントになる代表的な方法は、「コンサルティングファーム」と呼ばれるコンサルタントを専門におこなう民間企業に就職することです。

コンサルタント企業はそれぞれで専門分野が異なっているため、教育系に力を入れているコンサルティングファームへの就職を目指すとよいでしょう。

教育コンサルタントは個人で活動することも可能な仕事ですが、実績がなければ仕事を得ることは難しく、コンサルタント企業で経験を積んでから独立するケースが一般的です。

コンサルタントは特定の学歴や資格が求められることは少ないですが、多くの場合コンサルティングファームに就職するためには4年制の大学や大学院を卒業しなくてはなりません。

これはコンサルタント全般に言えることですが、一つの企業に固執するという人は少なく、実力をつけるとより条件の良い大手コンサルティングファームへ転職するケースが多いです。

また、教育関係の企業や大学などでは、コンサルタント経験者を採用するケースも増えてきているため、こうした分野で力を生かすこともできるでしょう。

また、教育コンサルタントとして独立して個人で仕事を行うという選択肢もあり、一度教育コンサルタントとして知識や経験を身に付ければ、多用な働き方を選択することができます。

教育コンサルタントの学校・学費

コンサルティングファームに就職するには大学卒が有利

コンサルティングファームの求人は、たいていの場合4年制大学または大学を卒業した人を対象としています。

特に大手の総合コンサルタント企業では「大卒以上」としている会社が多く、難関大学の出身者が多く競争相手も多いということを覚悟しておきましょう。

なお、教育コンサルタントになるためには教員免許を持っていなくてはならないと考える人も多いですが、必ずしも必要ではありません。

もちろん、自分自身が教育や教師の勉強をしていることで仕事に活かせる面もありますが、経営やITなどその他の専門性から教育コンサルタントを行うこともできます。

また教員免許がなくても、塾で学習指導にあたったり、学生時代にボランティアとして児童生徒と触れ合ったりした経験があれば、それも生かすことができるでしょう。

教育コンサルタントの資格・試験の難易度

コンサルティングを行う対象によって違いがある

教育コンサルタントとして求められる資格はありませんが、個人に対して教育コンサルタントを行う場合は、臨床心理士やコーチングに関する資格を持っていると、実践で役立たせることができます。

臨床心理士は精神面のサポートに必要な資格で、悩みを解決するために心理療法を行うことができます。

参考:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会

コーチングとはクライアントの学習や成長を促す手法のひとつで、いくつもの民間資格があります。

教育機関に対してコンサルタントを行う場合は、学校現場におけるICT活用の支援ができる「ICT支援員」教育の情報化をコーディネートできる「教育情報化コーディネータ」などの資格があります。

参考:教育情報化コーディネータ検定試験公式サイト

これらはあらかじめ取得するのではなく、仕事内容に応じて取得していくのが一般的です。

教育コンサルタントの給料・年収

高収入を得やすい仕事

教育コンサルタントの年収は、勤務先やどのような業務を担当するかによって大きな差があります。

個人向け教育コンサルタントの場合は400~600万円、教育機関向けコンサルタントでは500~800万円ほどが相場とされています。

戦略コンサルティングファームなどで、学校経営全体に関わったり、学校の新築・統合など大きな仕事を請け負ったりすれば、それだけ収入は高くなります。

もともとコンサルティング業は、さまざまな業種の中でもトップクラスの収入を得ており、20〜30代の若い年代で「年収1,000万円以上」を目指すことも難しくはありません。

一方で、日本で一般的な「年功序列」の仕組みではなく実力主義の考え方が浸透しており、結果を残さなくては高額な給料は得られません。

コンサルティングファームのなかには年俸制を取っているところも多く、残業代が支払われない場合もあります。

収入をアップさせたいのであれば、より大きな仕事を請け負うこと、そして効率よく仕事を進めることがポイントとなるでしょう。

教育コンサルタントとしてさらに高収入を目指して、今よりも高待遇のコンサルティング会社に転職する人も多いです。

コンサルティング業界は活発に転職がおこなわれており、転職歴がマイナスとみなされることはほとんどありません。

着実に経験を積み実力をつけていけば、転職によって年収を上げられる可能性も大きい仕事です。

教育コンサルタントの現状と将来性・今後の見通し

教育コンサルタントの活躍の余地は大いにある

近年はさまざまな企業がコンサルタント業を行っており、教育業界でもコンサルタントに頼るところが増えてきています。

少子高齢化の時代を迎え、多くの学校では生徒や学生を集めることに苦労しており、ほかの学校と差別化を図るために教育コンサルタントを利用することは珍しくなくなってきました。

また、近年ICT(情報通信技術)が子どもたちの学びを深めるための大きなテーマとされており、学校におけるICT環境整備が急務となっています。

もともと学校はICT化が遅れているといわれていることから、課題は山積みとなっており、この分野は教育コンサルタントが活躍できる余地が多いにあるといえるでしょう。

教育コンサルタントの就職先・活躍の場

コンサルティングファームに就職する場合が多い

教育コンサルタントの多くは、まずは「コンサルティングファーム」と呼ばれるコンサルタントの専門企業に就職することからはじめています。

コンサルティングファームと一口に言っても、その種類はさまざまであり、求められる知識やスキルも変わってきます。

それぞれで専門分野が異なっているため、教育コンサルタントに力を入れていたり、教育関係にパイプのある企業であったりするかを確認して就職先を選ぶことが大切です。

一方、教育関係の企業で専門知識を得た後に、その専門知識を生かすことができるコンサルティング企業に転職するという人もいます。

実力のある教育コンサルタントは、転職を繰り返しながらキャリアアップしていくことも多く、企業にとらわれずにフリーランスとして働く人もいます。

教育コンサルタントの1日

毎日同じスケジュールで過ごす人は少ない

教育コンサルタントは、扱う案件やクライアントによって1日の過ごし方が変わるため、毎日同じスケジュールで過ごすという人は少ないです。

ここでは教育関係向けにコンサルタントを行う教育コンサルタントの1日を紹介します。

8:30 出社
出社してミーティングを行い、スケジュールを確認します。
9:00 資料作成
訪問する学校に提出するための資料を作成します。
11:00予備校に訪問
予備校の広報担当者を訪問し、次回の学校案内やHPの更新について打ち合わせをします。
ほかの予備校と比較し、予備校側が将来どのような方向性にしていきたいかなどを考えながら提案をします。
13:00 休憩
14:00 帰社
一旦帰社し、持ち帰った内容をもとに社内でミーティングをおこないます。
その後はデスクワークをするなどして次の訪問に備えます。
16:30 学校に訪問
学校に訪問する際は、担当者や先生の空いている時間を狙い夕方から訪問することが多いです。
ここでは来年の学習カリキュラムの内容や使用する教材などを助言しました。
18:00 帰社
その日に訪問した企業からの情報をまとめ、資料に残しておきます。
20:00 退社

教育コンサルタントのやりがい、楽しさ

人とつながり感謝されることも多い

教育コンサルタントのやりがいは、感謝の言葉をもらえることが多い点です。

教育は子どもだけでなくさまざまな人に対して関わりのあるものであり、とくに学校や教育機関と仕事をするとなれば、多くの人とつながることができます。

学校のブランディングを行って多くの学生を集めることができたり、コストカットを行って経営管理ができるようになったりすれば、多くの人から感謝されます。

個人向けのコンサルタントでは、受験や資格試験といった人生の重要な時期を迎えた人を相手にするため、無事に合格できた暁には自分自身も大きな喜びを感じるでしょう。

ほかの仕事と比べてもクライアントと深くかかわり、その成長や変化を間近で見ることができるのは、この仕事の大きな特徴です。

教育コンサルタントのつらいこと、大変なこと

プレッシャーやストレスの強い仕事

教育コンサルタントに限らず、コンサルティング業は結果を出すことが重要視され、失敗の許されない仕事です。

クライアントは高い報酬を出して外部にコンサルティングを依頼しているため、その効果が見られなければコンサルタントとしての信頼を失ってしまいます。

とくに教育コンサルタントの場合は、数年がかりで学校を改編する、一年かけて受験合格を目指すといったような長期的なプロジェクトが目立ちます。

中長期的な視野で問題を解決することは大切ですが、こまめに結果を出し続けてクライアントを納得させることも必要です。

クライアントに納得してもらえる結果が出なくては契約を切られてしまうこともあるため、プレッシャーやストレスに耐えきれず辞めてしまう人は少なくありません。

教育コンサルタントに向いている人・適性

物事を客観的にとらえる力

教育コンサルタントに限らず、コンサルティング業をする上ではクライアントの課題や目標を客観的にとらえる姿勢が求められます。

とくに教育業界では、生徒児童の問題、学校の問題、教師の問題、保護者の問題がそれぞれ複雑に絡み合っており、各々だけが努力してもうまくいかないことも多々あります。

学校や個人が整理しきれていない問題を客観的にとらえ、状況を整理し的確な解決法を導くには、当事者意識を持ちすぎず、冷静に物事を判断する力が必要です。

また、教育関係者には保守的な考えを持つ人が多く、新たな変化を受け入れるのを嫌う傾向にあります。

こうした人たちに対しても問題解決に前向きに取り組んでもらうためには、臨機応変に対応したり、伝え方を工夫したりすることが大切です。

教育コンサルタント志望動機・目指すきっかけ

現場以外のところから教育に関わる

教育コンサルタントを目指す人に多い志望動機は、教師などの現場とは違った視点から教育に関わりたいという思いです。

学校や塾などの教育機関は、閉鎖的であることが多く現場に出ても大きな改革が望めないことが多いです。

そのため、コンサルタントの視点から外からその問題を解決したいという人が興味を持つことが多いようです。

また、コンサルティング業界は実力主義であり、結果を残せばどんどん活躍できる仕事です

教育業界は基本的に年功序列の世界であり、なかなか出世を臨むことができませんが、教育コンサルタントであれば、実力をつけてたくさん稼ぐことができるため、そこにメリットを感じる人も多いです。

教育コンサルタントの雇用形態・働き方

多くが正社員かフリーランス

教育コンサルタントの多くはコンサルタントファームなど企業で働いており、その雇用形態は正社員が基本です。

コンサルタントは高い専門性やスキルが必要とされる職種であるため、アルバイト・パートなどの求人はあまり見られません。

とくに教育コンサルタントは、中長期的にクライアントと付き合っていくことも多いことからほとんどが正社員として雇用されています。

フリーランスなど独立して働くことも可能ですが、実力やコネクションがなくては仕事を得るのが難しいのが現状です。

そのため、多くの人が一度はコンサルタント会社などで教育に関するコンサルティングを経験をし、そのノウハウを生かして独立しています。

教育コンサルタントの勤務時間・休日・生活

クライアントの都合に合わせて働く

教育コンサルタントの勤務時間、クライアントの都合によって変わります。

学校で打ち合わせをする場合、児童生徒が少ない夕方からを希望されることもありますし、予備校や塾など夕方からが忙しいところでは午前中を希望されることが多いです。

こうした希望に合わせて流動的にスケジュールを組むため、同じような1日を過ごすことはほとんどありません

教育コンサルタントの多くは、学校が休みである土日祝が休みとなることが多いですが、予備校や塾などは土日祝日も稼動しているところが多いため、必ずしも休みになるとは限りません。

個人を相手にする場合は、相手の都合に合わせて夜間や土日に出向いたり、オンラインでのミーティングを行ったりすることもあります。

教育コンサルタントの求人・就職状況・需要

人気が高く競争も激しい

コンサルタントを目指す人の多くは、まずコンサルタントファームなどの専門企業に就職します。

教育に限定した専門的な領域でのコンサルティングを求めるニーズも増えてきていますが、教育コンサルティング業を中心に行っている企業は限られるため、どうしても志望者が集まりやすいのが現状です。

とくに大手コンサルティング会社の新卒採用は難関大学の卒業生が多く集まり、競争も厳しいため、学生のうちからしっかりと対策をしておくことが必要です。

コンサルタントの求人を専門に扱う求人サイトや転職エージェントもあるため、多くの情報を集め幅広く企業研究をしておくとよいでしょう。

教育コンサルタントの転職状況・未経験採用

もともと転職が多い業界

もともとコンサルティング業界は、キャリアアップや給与アップなどを目的に、転職が活発に行われています。

転職者や経験者の需要は非常に高いですが、一般公開はされない未公開の求人も多く、コンサルティング業を通して知り合った際のコネクションや、ヘッドハンティングなども多いです。

実力主義の業界であるため生き残っていくのは難しい部分もありますが、コンサルティング業についていない未経験から転職することも可能です。

教育分野への専門知識などが求められますが、もともと教育関係の企業で働いていた人がその経験を生かしてコンサルティング業をはじめるケースも見られます。