大学職員と大学教員の違いとは?

大学職員と大学教員の仕事内容の違い

大学職員と大学教員は、同じ「大学」という同じ職場に勤務していますが、それぞれの仕事内容には違いがあります。

大学教員とは教育研究活動を行う教授や准教授など、いわゆる「大学の先生」で、その仕事は、「教育」「研究」「大学運営」と大きく3つの分野に分けられます。

学生への講義や指導、専門分野の研究や論文発表がおもな業務になります。

教授会などの会議に参加して、大学の運営にも携わります。

そのほかにも、テレビやラジオ、雑誌などに登場して専門分野の解説をしたり、講演活動を行ったり、企業や地域と共同で研究を進めたりすることもあります。

一方、大学職員は、大学教員の教育研究活動をサポートし、大学の運営に関わる事務作業などの実務を担当します。

たとえば、研究資金の調達や特許取得の手続きなどを行う「研究支援業務」、入学試験や学生募集を行う「入試・広報業務」、年間の予算・決算をまとめる「財務・会計業務」、そのほかにも学内の施設全体を維持管理する「技術・技能系業務」などがあり、その内容は多岐にわたります。

大学は大学教員による教育研究活動が中心ではありますが、大学職員の裏方としてのさまざまな活躍によって、大学組織全体が成り立っているといえます。

大学職員と大学教員のなる方法・資格の違い

大学職員になるために必須となる資格や経験はありません。

応募の際に年齢制限がある場合がありますが、基本的には大学の採用試験を受け、合格すれば採用されます。

国立大学の場合は、国立大学法人が全地区で一斉に行う統一試験形式の一次試験と、採用先となる大学等が個別に実施している二次試験を受験します。

私立大学の場合は、各学校法人が独自に実施している採用試験を受験します。

学歴についてはとくに制限がありませんが、大学職員は大変人気があり競争率が高いので、「4年制大学卒業以上」が望ましいとされています。

一方、大学教員になる場合も必須となる資格はありませんが、専攻分野についての教育上・研究上・実務上の知識・能力・実績を有していると認められる必要があります。

一般的には、大学から大学院の修士課程(2年間)、博士課程(3年間)へと進み、博士号を取得していることが必要とされています。

推薦者などが必要になる場合も多く、求人に応募する際に研究テーマに関する自著の論文や研究成果などの提出を求められることがほとんどです。

大学職員と大学教員の資格・必要なスキルの違い

大学教員は、教育研究活動がおもな業務になります。

専門分野の学問や研究テーマに対する深い探求心はもちろん、研究で成果を上げるには数十年を要することもあるので、飽くなき情熱と忍耐力が必要となります。

自らの研究課程と結果を論文としてまとめて発表したり、学生に伝えたりする際は論理的な思考力も欠かせません。

また学生の知的好奇心を刺激し、教育者として学生から信頼されるには、言語スキルやリーダーシップも求められます。

一方、大学職員には教員の教育研究活動をサポートし、実際に大学を運営管理していくための実務に関するスキルが求められます。

近年では、どこの大学でも外国人留学生の受け入れが盛んになり、海外とのやりとりも増えているので、「英語力」のある人材はとても需要があります。

また事務作業を行う際に必要となるのは「パソコンスキル」です。

会議の資料を作ったり、ホームページやSNSを運営管理したりするうえでは、不可欠なスキルといえます。

さらに財務・会計業務を行う際は「簿記」、学生のキャリア支援を行う際は「キャリア・コンサルタント」の資格を持っておくと、仕事に生かすことができます。

そのほか、広報などで自校をPRする際や教員とうまく連携していく際には、コミュニケーション能力も求められます。

大学職員と大学教員の給料・待遇の違い

大学職員と大学教員の給料については、国公立大学か私立大学かによっても差がありますが、ここでは例として国立大学における給料の違いについて見ていきます。

文部科学省が全国86の国立大学法人を対象に行った給与水準調査(平成30年度)によると、大学職員(事務・技術職員)の平均年間給与は約593万円となっています。

それに対して大学教員の平均年間給与は約902万円となっており、大学職員より給与水準が1.5倍以上高いことがわかります。

さらに厚生労働省の「令和元年度 賃金構造基本統計調査」から大学教員の職位別の平均年収を見ると、大学教授が約1,101万円、大学准教授が約872万円、大学講師が約719万円と、大学職員よりも支給額が大幅に上回っています。

それ以外の待遇面についても比較します。

大学職員の勤務時間は原則として8時30分~17時15分までの1日7時間45分(週38時間45分)ですが、大学教員のうち教授や准教授は基本的に裁量労働制をとっているので、授業のある時間には出勤しするものの、出退勤時間の制限はありません。

家族手当や住宅手当などの諸手当やボーナスの算定月数については、両者に大きな違いはありません。

ただし定年については差があり、大学教員は大学職員より定年となる年齢が5歳程度高いケースが多く見受けられます。

大学職員と大学教員はどっちがおすすめ?

大学職員の場合、多くの大学では数年ごとに他の部署へ異動が行われます。

これは幅広い実務経験を積み、事務全般に精通できる能力を養うためです。

教員の教育研究活動を裏方として支え、実際に大学を運営していく「ゼネラリスト」として働きたい人には大学職員がおすすめです。

一方、大学教員は自分の専門分野についてとことん探求していく、いわば「スペシャリスト」です。

ただし大学教員の定員には限りがあり、ポストが空かない限り教授になることはできません。

助教から准教授、教授と進む昇進の道は長く険しいものであり、また研究の成果はすぐにでるとは限らないので、忍耐力も必要になります。

何年かかってでも一つの分野を突き詰めたいという情熱と覚悟を持った人には大学教員がおすすめです。