大学職員と大学教員の違いとは?

大学職員と大学教員の仕事内容の違い

大学職員と間違われやすい職業に「大学教員」という職業がありますが、大学職員と大学教員の仕事には、どのような違いがあるのでしょうか?

かんたんにいうと、大学教員はスペシャリスト、大学職員はジェネラリストと表すことができます。

それでは、大学教員と大学職員について、まずは職務内容を比較してみましょう。

教員は要は「大学の先生」であり、「教育・研究」という同じ業務を担う集団です。

専門分野が変わることは通常はありません。

それぞれが研究テーマをもって研究・指導し、授業を持ったりゼミを受け持ったりしながら自らの研究と学生の指導をします。

なかには、指導や研究をしない、役職としての「教員」と呼称される職員もいますが、それは雇用契約によるところが大きいです。

これに対し、職員は、大学のさまざまな業務に携わりますが、幅広い視野を持ち経験を蓄積するため、一定期間を経ると職場を「異動」し、担当業務が変わるのが一般的です。

大学職員の業務

職員の業務には、大きく分けて以下の3つの分野があります。

総務系」式典や主要な会議の運営、規程等の管理、学長等の秘書的業務の他、他の部署に属さない業務など。

総務系の業務は学内の役職者や教員が主な対象であり、管理的業務や連絡調整の役割が重視されます。

「会計系」学納金の徴収や各種の支払、経費の運用計画や施設の維持管理など。

会計系は、主に学外の業者等を対象とし管理的業務が主体であり、上位の立場となることが多くなります。

「学務系」学籍等の管理、学生の修学や生活の支援、入試業務など。

学務系は教員に頼る部分が相対的に多く、教員の指示を受けて業務を行うことが中心となります。

このように、大学職員は教員の指示を受ける「従属的立場」と教員の活動を規則に照らしてチェックする「管理的立場」の両面を有することが特徴とされています。

大学職員と大学教員のなる方法・資格の違い

大学職員・大学教員として働くために必要となる資格は共にありません。

卒業しなければならない学校なども特にありませんが、募集要項の段階で学部などは問われないとしても、4年制大学卒業以上、といった資格が明記されたうえで求人が出ていることが多いといえます。

また、大学教員に関しては、ポストに空きが出るタイミングで公募されることになります。

推薦者などが必要になる場合も多く、求人に応募する際に研究テーマに関する自著の論文や研究成果などの提出を求められることがほとんどです。

一般企業などのような、採用の際に有利になる資格等は基本的に特にないと考えてよいでしょう。

それよりも、自身の研究内容や経歴などが重視されます。

大学教員の場合は、修士号や博士号の学位を取っていることが応募要件であったりもしますので、4年制大学の学部卒業程度では応募できないこともあるので、注意が必要です。

大学教員と大学職員の昇進方法の違い

では次に、大学職員の昇進方法について見てみましょう。

国立大学の事務職員の場合、新卒採用者は「1級」、次の「2級」の解禁年齢は28歳、「3級」の解禁年齢は36歳となっています。

全職員の約45%が「3級」であり、定年退職者の約4分の1は、定年時の級が3級のままとなっています。

昇進においては、目標管理、能力評価制度の導入が進められているものの、依然として年功序列色が強くみられます。

一方、教員の場合は、助教の平均年齢が38.8歳、講師44.3歳、准教授46.9歳、教授56.9歳(東京大学・平成29年度)といった統計が出ています。

国立大学の教授は公募制になっているため、同じ大学で助教→准教授→教授に昇進できる保障はありません。

研究実績を上げ、自力で次のポストを探す必要があるのです。

実際には、ついている上の先生や上司などから推薦され次のポストへキャリアシフトするケースが大部分ではありますが、終身雇用制度の上に成り立っている職員と比べて、大学教員のキャリアプランはシビアなものといえるでしょう。

大学教員と大学職員の人数の比較

では、実際に大学では大学教員と大学職員、人数はどちらが多いのか、比較してみましょう。

たとえば横浜市立大学の場合は、教員は703名で職員は2365名、職員÷教員の比率は3.36でした。

東京大学では1.03、名古屋大学では1.04、一方、私立の近畿大学では教員1773名に対し職員は2953名(比率は1.67)と、職員数が教員を上回る結果となりました(東洋経済新報社[2017]『週刊東洋経済臨時増刊「本当に強い大学2017」』の学生数、教員数、職員数のデータベースより)。

同調査によると、教職員あたりの学生数(学生人数÷教員)は、東北大学が5.96人、京都大学が6.77人、名古屋大学が6.78人でした。

国立の教職員あたりの学生数は、私立よりも少なくなっていますが、これは手厚い指導が必要な大学院生の割合が高いためであるといわれています。

特に医・理工系の学部では、教員や研究者の数は多く推移する結果になっています。

海外の名門大学では教職員あたり学生数が1~2名前後の大学もあるので、それでも日本の国立大学の教職員数は決して多いとはいえません。

これは長きにわたって日本の大学が課題としている部分でもあります。

実際に、TIMES誌と上海交通大学の大学国際ランキングの両者の100位以内に共通する海外の大学と比較すると、東大は教員あたり学生数で9位、職員あたり学生数では31位という結果になりました。

教育の質や国際的な競争力を維持していくためにも、教員、職員とも今の人数以上に必要とされていると言えるでしょう。