「特別支援学校教諭」とは

特別支援学校教諭_画像

養護学校や盲・聾学校に勤務する教員。個々の児童・生徒の障害の状態に合う指導を行う。

特別支援学校とは、障害を持った児童・生徒が通う学校のことで、養護学校、盲学校、聾学校の3つを合わせて特別支援学校と呼びます。

特別支援学校は、小学生から高校生まで児童・生徒がいるうえに、手厚い支援が必要なので、教職員の人数は多いのが特徴です。

特別支援学校の先生になるには、まずは小学校、中学校、高校のいづれかの教員免許が必要です。

それに加えて特別支援学校教諭の課程がある大学で、特別支援学校教員免許の両方を取っておいたほうがいいでしょう。

その後、教員採用試験の特別支援学校教員の科目で受験して合格しなければなりません。

基本給は通常の教諭と変わりありませんが、専門的な知識が必要となるため、普通学校よりも少し多く手当てが付きます。

「特別支援学校教諭」の仕事紹介

特別支援学校教諭の仕事内容

子供たちが自立して生きていくための力の養成を目指す

特別支援学校教諭は、さまざまな障害を持つ子供たちが通う「特別支援学校」の教員です。

特別支援学校はかつて「ろう学校」「盲学校」「養護学校」として分類されていました。

しかし、最近では「特別支援学校」としてひとつになっています。

平成29年の文部科学省の調査では、特別支援学校は全国で1,135校。

幼稚部、小学部、中学部、高校部があり、その対象は幅広いです。

一人ひとりの障害の状況に合わせた、きめ細やかな指導を通し、子供たちが自立して生きていくための力の養成しています。

病弱児が通う学校では病院併設のところもあり、医療機関や児童福祉施設のスタッフたちと連携しながら、児童や生徒をサポートしていきます。

特別支援学校教諭の就職先・活躍の場

特別支援学校と特別支援学級のふたつが挙げられる

特別支援学校もしくは特別支援学級への就職が考えられます。

特別支援学校のほうは教員免許状および特別支援学級教諭の免許状を有することが原則ですが、特別支援学級に関しては教員免許状だけでも可能です。

特別支援学級の教師のほとんどは、特別支援学校教諭の免許を所持していません。

また、特別支援学校でも「当分の間は」特別支援学校教諭の免許なしでも教員になることができる、という附則の規定があるため、免許状なしで仕事をすることもできます。

ただし、免許状をもって就職に臨むと、よりニーズに合った教育を行えることでしょう。

また、知識を活かして、学校以外の場所で支援の必要な子供たちのサポートを行うのもひとつの方法でしょう。

特別支援学校教諭の1日

幼稚部の特別支援学校教諭の場合

8:30 出勤
スケジュールの確認と授業準備を行う

9:30 せいかつ
子供たちの朝の支度を行います。

10:00 うんどう
身体を動かす活動を行います。

11:00 ひょうげん
歌ったり踊ったり、表現する活動を行います。

12:00 せいかつ
皆で昼ご飯を食べます。

13:00 せいかつ
帰りの支度を行います。

14:00 事務・教材研究
事務処理を行ったり、使用する教材の研究を行います。

16:00職員会議
職員会議を行い、情報の共有化を図ります。

19:00退勤
明日の準備を終えたら、仕事にきりをつけて退勤します。

特別支援学校教諭になるには

教員免許と特別支援学校教諭免許のふたつが必要

特別支援学校教諭になるには、まず、大学や短大で教員養成課程を修了し、幼稚園・小学校・中学校・高校のいずれかの教員免許を取得する必要があります。

さらに、特別支援学校教諭養成課程を持つ福祉系や教育系の大学で所定の科目を修了し、特別支援学校教諭免許(専修、1種、2種いずれか)を取得します。

その後、各自治体が実施する教員採用試験を受験し、合格して採用されれば、特別支援学校の教員として働くことが可能です。

もしくは、特別支援学校教員認定試験に合格したのち、採用試験を受け、特別支援学校の一部種目に関してのみ担当する、という形もあります。

特別支援学校教諭の学校・学費

大学に進むのが基本だが、種目限定の試験もある

基本的には、教員免許状や特別支援学校教諭免許状の取得を目指すため、大学に進む必要性があります。

大学の学費は国公立か私立かによって大きく変わってくるでしょう。

国公立の場合は四年間で250万前後になりますが、私立の場合は学校によって大きく開きがあり、だいたい一年当たり100万以上の学費は覚悟しなければなりません。

ただし、特別支援学校教諭の免許状取得は原則であるため、なくても仕事ができるケースもあります。

また、特別支援学校教員認定試験というものもあり、こちらは種目を限定した試験です。

実際に採用された場合、該当の種目に関してのみ担当することができます。

特別支援学校教諭の資格・試験の難易度

倍率は教員の中では比較的低めの傾向

特別支援学校教諭は、特別支援学校教諭免許状を持っているだけでなれるものではありません。

資格を取得したあと、採用試験を受ける必要があります。

他の教員よりも倍率は低めの傾向があり、そうした意味ではチャレンジしやすい試験だともいえるでしょう。

ただし合格は決して簡単ではありません。

また、特別支援学校に勤める上で役に立つ資格は、特別支援学校教諭免許状以外にもさまざまな種類があり、細分化されています。

より質の高い指導をするためには、取得を検討してみるのもよいでしょう。

特別支援学校教諭の給料・年収

平均より高めの設定

特別支援学校教諭は公務員であるため、各自治体の公務員給与規定に基づく給料が支払われます。

ただし、一般的な公立小学校や中学校で働く教員よりも専門性が求められるため、給料は高めに設定されています。

基本的には年齢と勤続年数によって昇給し、管理職に就くと別の給与体系となります。

給料や待遇面で心配する必要はないと言えますが、日々の業務は通常学級以上にハードなものとなるため、それなりの覚悟と責任感が求められます。

特別支援学校教諭のやりがい、楽しさ

大きな社会的意義がある

さまざまな個性を持つ子供たちが、今後自立して生きていけるよう、支援していくことができる仕事です。

子供たちの成長を日々実感することができるという点で、とてもやりがいのある仕事でしょう。

また、自分の指導が子供たちの未来を拓くための一助になるという点で、非常に大きな社会的意義があります。

どのように子供たちに対しアプローチするのが正解なのか、試行錯誤の日々になり、勉強も欠かせませんが、その分、効果的な指導ができた際には達成感を覚えることが可能です。

特別支援学校教諭のつらいこと、大変なこと

責任の重さと残業の恒常化

社会的に大きな意義のある仕事というのは、その分大きな責任を背負わなければなりません。

さまざまな子供たちと関われることは喜びですが、その一方で怪我や事故が起きないよう、常に緊張をもって臨む必要があります。

なかには他害をする子供もいるため、教員がけがを負ってしまうケースも珍しくありません

少しでも失敗を回避するためには、日々の研鑽が欠かせませんが、通常業務時間中にそこまで手が回ることは少なく、サービス残業や持ち帰り仕事が恒常化しがちです。

そのため教員のモチベーションの差が、指導の質にばらつきを生んでいます。

特別支援学校教諭に向いている人・適性

人間性と体力の両方が必要

向学心が強く、子供たちに対しどう働きかけていくべきなのか、常に模索をし続けることができる人が向いているといえます。

子供たちの持っている障害はさまざまであり、子供たちの感受性もさまざまです。

常に、臨機応変な対応力があるかどうかを問われ続けることでしょう。

また、子供たちに対する愛情深さや、一人ひとりの個性に対し、フラットに向き合える姿勢も大切です。

基本的に力仕事が多い職場なので、体力に自信がなければ続けるのは厳しいでしょう。

特別支援学校教諭志望動機・目指すきっかけ

実習を通して知ることが多い

実習で特別支援学校を訪れたことをきっかけに、特別支援学校教諭をめざす人が多いです。

どうしても、特別支援学校と接点を持たないで育ってきた人が大半であるため、実習などの機会を通して、初めてどんな教育が行われているのかを知ることになります。

特別支援学校ならではの、一人ひとりの特徴や個性に目配りをした教育のありかたに共感を覚え、「自分も」と考える教員志望者は決して少なくありません。

生徒に対してどう働きかけていくのか、たくさんの学びを経て、慎重に検討していかなければならないですが、だからこそ、教育者としてのやりがいを見出す人が多いのです。

特別支援学校教諭の雇用形態・働き方

正規雇用と非正規雇用が混在している

正規雇用はもとより、非正規雇用の常勤講師、非常勤講師も決して少なくありません。

その背景には、女性教員による産休育休の取得率が比較的高いということと、ストレスの多い職場であるため、心を病んで休職してしまう人、辞めてしまう人が一定数いることが挙げられます。

また、特別支援学校でずっと働いてきた教員以外にも、小中学校から内部試験を受けて着任する教員や、普通高校から転勤してくる教員もいます。

特に普通高校から転勤してくる教員の中には、特別支援学校での仕事を望んでいない人も多く、やる気の差が顕著に出てしまいがちです。

中には、あまり勉強をしないまま、子供たちに抑圧的な指導を行っている教員もいて、生徒に対する理解のない振る舞いが問題視されることもあります。

特別支援学校教諭の勤務時間・休日・生活

熱心な教員ほどプライベートを犠牲にしている

やろうと思えばやるべきことはいくらでもある仕事です。

そのため、熱心な教員ほどプライベートを犠牲にしている傾向があります。

逆に、教育について勉強し続けることを、放棄している教員も少なくないのが現状です。

その背景には激務であり、通常業務時間だけではとてもクオリティアップを図れないという労働環境の課題が挙げられるでしょう。

日々の長時間残業に持ち帰りの仕事、土日の研修など、自身の生活を大切にしたい人には難しい仕事です。

特別支援学校教諭の求人・就職状況・需要

需要は多いが、まずは採用試験を突破しなければならない

求人数は決して少なくなく、正規雇用、非正規雇用それぞれに需要があります。

職種の特性上、一般的な学校よりも多くの働き手を確保することが大前提にあるためです。

加えて、ハードな職場であるため、介助を通して身体をいためてしまう、悩みから精神を病んでしまうなど、さまざまな理由で、休職や離職に至るケースもあります。

いかに需要があっても採用試験に受からなければどうにもならないので、まずは一定の倍率を勝ち抜けるかどうかが問われることになるでしょう。

特別支援学校教諭の転職状況・未経験採用

異業種からの転職でも可能

資格を取得し、採用試験に合格さえできれば異業種からの転職でも可能性はあります。

特に現場では体力を要する場面が多いため、若い人材は歓迎される傾向にあるでしょう。

大切なのはこれまで積んできた経験を、特別支援学校教諭として活かすことです。

何か仕事内容に共通点があるのであれば、アピールポイントとして使えるでしょう。

また、学ぶことの多い職場なので、常に新しい知識を取り入れようとする研究熱心な姿勢が大切になってきます。

特別支援学校教諭の現状と将来性・今後の見通し

ニーズはさらに高まっていく

知的障害児の増加と共に特別支援学校の新設も増えており、この職業のニーズはさらに高まっていくと言われています。

障害への理解や専門知識は必須ですが、指導方法にも工夫が必要なため、研究熱心さや粘り強さが必要とされます。

また、通常学級にも軽度な障害を持った児童・生徒が在籍していることがあります。

そのため、特別支援学校教諭が通常学級の教員に対するアドバイスを行う機会も多く、地域の中で重要な責任を担っています。