「数学者」とは

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大学などに所属し、数学の未解決の問題を解きいて論文にまとめ、学会で発表する。

数学者は、主に数学の未解決の問題を解き、論文にまとめ、学会で発表することが仕事です。

教員としての立場を担う人がほとんどで、書籍の執筆や講演なども行っています。

数学者になるには、大学院の数学研究科に進学し、博士の取得を目指しましょう。

国立・公立大学の教授で、平均1000万~1100万円、私立大学の教授では平均1200万~1600万円程度、次いで準教授で700万~800万円、講師で600万~800万円、助教授、助手で500~700万円となっています。

高専の教授の場合、平均年収は750万円ほどです。

受賞の際の報奨金、印税や各種ギャランティー、手当といった副収入もあります。

大学の学部学科の改組が相次いでおり、ポストは減少傾向。

金融機関においては理系出身者を特別枠で採用するケースもあります。

「数学者」の仕事紹介

数学者の仕事内容

在野の研究者もいるが、多くは教育機関に所属

数学者は、数学に関する分野についての調査および研究をすることが仕事です。

多くの数学者は大学をはじめとする教育機関に所属し、教鞭をとりながら、研究を続けています。

また、科学者であっても研究領域によっては、数学者として評価を受ける場合もあります。

大学であれば研究に費やせる時間は一定程度確保できますが、教育機関によっては学生の指導がメインになってしまうことも少なくありません。

とりわけ、小学校、中学校、高等学校に勤務すると、仕事中心の生活になりがちです。

中には、数学の専門知識を活かして、金融機関の商品開発分野で働いている人もいます。

日中仕事に追われる在野の数学者たちは、帰宅後や休日の時間を使って研究を進めています。

数学者の就職先・活躍の場

主な就職先は大学、他の教育機関で働く場合も

就職先の最たる場所は大学です。

大学であれば、研究する上で必要な時間や予算を得ることができます。

ただし、大半の大学では、講義やゼミ生への指導、組織の役職などもついて回るため、数学者が研究だけに没頭するのは難しいといえるでしょう。

大学ではなく高専や高校、中学などの教育機関に就職する人もいますが、その場合はどうしても研究より教務の占める割合が圧倒的です。

大学教員は副業を認められているため、書籍の執筆や講演、教育番組への出演など、多方面に活躍する人も少なくありません。

数学者の1日

研究以外の仕事も多い

8:40出勤
研究室へ出勤し、講義のための準備を行います。

9:00講義
1時限目の講義を行います。

10:45査読
研究室にて査読を行います。

12:10昼食
食堂で学生たちと一緒に、昼食を食べます。

12:30研究
研究内容に関する論文の執筆を進めます。

14:00準備
4限目の授業準備を行います。

14:40講義
4限目の講義を行います。

16:20研究室
研究室を訪れた学生たちへ指導を行います。

17:30教授会
教授会に参加します。

19:10帰宅
教授会終了後に帰宅します。

数学者になるには

まずは博士の取得を目指す

大学院の数学研究科に進学し、博士の取得を目指しましょう。

学部も理学部数学科であることが望ましいですが、理系であれば目指すことは不可能ではありません。

学生の間に研究実績を作ることができれば、その後の進路に大きくプラスになるため、早いうちから研究者としての自覚を持つことが大切です。

学生時代に留学をし、海外で学ぶことも有効です。

その際は研究と並行して語学力向上のための努力も求められます。

各種教員を職業とする傍ら、余暇を利用して研究に励む道もあるため、大学、大学院在籍中に教員免許は取得しておくとよいでしょう。

数学者の学校・学費

学生でいる期間が長い

大学の博士課程まで進まなければならないため、継続的に学費がかかることを覚悟しなければなりません。

進学先が私立大学か公立大学かによって負担額の大きさは異なります。

また、博士課程を終えたからといって大学での専任職をすぐに確保できるわけではなく、就職先を見つけるまでには時間のかかることが多いです。

学会発表などの場を通して、他大学の教授陣に顔を売り、少しずつでもコネクションを広げることで、就職に有利な状況を作ることをおすすめします。

数学者の資格・試験の難易度

資格は不要だが、学力が必要

数学者になるためには特別な資格はいりません。

しかし、大学院へ進み、博士課程を修了する必要があります。

現在、大学教員の就職口はとても少なく狭き門です。

偏差値の低い大学院を出ると、採用してくれる大学はその偏差値以下のところが多くなってしまい、ただでさえ少ない就職口がますます減ってしまいます。

それなりに名の知れた大学および大学院に進み、確かな実績を積み重ねていったほうがよいでしょう。

そのためにも、難関大学の入学試験を突破できるだけの、学力をつける必要があります。

数学者の給料・年収

大学に就職できれば高収入が期待できる

大学における年収は、国立・公立大学の教授で平均1000万~1100万円、私立大学の教授では平均1200万~1600万円程度、次いで準教授で700万~800万円、講師で600万~800万円、助教授、助手で500~700万円となっています。

ただし大学の学部学科の改組が相次いでおり、ポストは減少傾向です。

加えて専任として勤めるまでの期間が長いため、生涯年収としてはそんなに多くないともいえます。

高専の教授の場合、平均年収は750万円ほどと大学よりは低いです。

数学者のやりがい、楽しさ

好きなものを突き詰めていく仕事

数学者は数学がやりたいから、結果的に数学者になったという人たちの多い世界です。

好きなことを突きつめた先に、これまで他の人がなしえなかった研究成果をあげられる可能性がある、というのは数学者にとって大きなやりがいです。

新しい数学の理論を証明できれば、応用科学にフィードバックし、世の中に影響を与えることができます。

また、後進の育成に携わることができるという点で、未来に貢献できる仕事です。

数学者のつらいこと、大変なこと

研究のみに没頭できない

日本の大学では、数学者は研究にだけ没頭することができません。

講義や事務仕事、大学組織の運営など、他の業務が数多く発生します。

これは日本ならではの慣習であり、たとえばアメリカの大学では研究する人と教える人は分けられているのが普通です。

日本では、数学者の社会的影響力も過小評価されがちであり、研究者の中で取り立てて待遇がよいわけではありません。

そのため、自分の研究だけしていたい、あるいは正当な評価を受けたいと願う数学者は、海外の大学に移りがちです。

数学者に向いている人・適性

数学を突き詰めることができる

数学が好きで、数学のことならば一日中考えていても苦にならないという人が多いです。

仕事として割り切って数学をやるという人はほぼいません。

人生を賭けて新しい数学の理論を証明しようとしている人が向いています。

大学に勤めるならば、学生たちに講義を行い、後進を育成していかなければならないため、指導力が必要です。

大学組織の運営に携わるため、コミュニケーション能力や責任感もあったほうがよいでしょう。

数学者志望動機・目指すきっかけ

数学に関する特異な才能を持つ

幼い頃から数学分野で特異な才能を発揮しているケースが多いです。

数学オリンピックで高い実績を出している場合もあります。

「数学者には変わり者が多い」という声は、当の数学者たちからよく聞こえてくるものです。

東京大学名誉教授にしてシカゴ大学教授の加藤和也先生は、大学院生時代に修士論文について考えこんでいたら、うっかり服を着ることを忘れてしまい、吉祥寺の駅ピルで警察に捕まったと話しています。

数学のことを考え続けられる人が、最終的にたどりつく職業が数学者です。

数学者の雇用形態・働き方

大学に職を求めると、不安定な期間が長い

大学で安定して働こうにも、教授のポストは狭き門です。

まずは大学に就職できるかどうかから始まります。

ようやく非常勤講師になれても年収は300万円ほどですし、社会保険や学会にかかる費用は自分で負担しなければなりません。

専任になれるのはごくわずかで、実績や運、人との出会いがなければ難しいでしょう。

大学以外には高専や小中高などで教える道もあります。

もしくは金融機関で専門知識を活かす道も用意されています。

常勤や正社員で働ける可能性が高いという点では安定性がありますが、その分、研究に割ける時間は少なくなるでしょう。

数学者の勤務時間・休日・生活

就職先によって開きがある

大学に勤務する場合、時間の使い方の自由度は高いといえます。

講義や教授会といった固定の業務以外は、自分の裁量で時間を振り分けることが可能です。

休日は授業のない土日となります。

大学以外の学校では、朝早く出勤し残業して帰るケースが多く発生しがちです。

部活動の顧問を引き受けると、休日出勤が頻発することもあります。

金融機関の場合は、どの機関で働いているか、あるいはどの部署に所属しているかによって仕事の仕方は変わってくるため、一概には言えません。

数学者の求人・就職状況・需要

大学以外の選択肢も視野に入れておこう

数学者志望の多くが、大学に就職することを夢見ています。

しかし、大学教員は募集人数が少ないため、採用に至るのは厳しいのが現状です。

特に京都大学数理解析研究所のような、雑務に煩わされず研究に没頭できるような環境で働けるのはごくわずかにすぎません。

大学に就職できなかったときに備え、高専や小中高の教員、金融機関で働くなどといった他の選択肢を用意しておく必要があります。

とりわけ金融機関は、商品開発において数学の知識が求められがちですので、実績さえあれば需要は高いといえるでしょう。

数学者の転職状況・未経験採用

在野の研究者として実績を残すことは可能

大学教授を目指すため、他業種からの転職すること自体は、不可能ではありません。

しかし、大学教授になるまでには長い期間がかかるため、転職して一から目指すとなると、その間の生活をどう成り立たせるのかが問われることになります。

ハードルの高さから挑戦する人は少ないでしょう。

しかし、他業種で仕事をしていたとしても、新しい数学理論を発見すれば、在野の数学者として実績をあげられる可能性はあります。

めざましい評価を得られれば、大学側から声をかけられることもあるでしょう。

数学者の現状と将来性・今後の見通し

海外に活躍の場を求める人も

研究だけで生計を立てるまでに至るのは難しいです。

これは今も昔も同様であり、今後も大きく変わることはないと考えられます。

さらに、最近では大学の学部学科の改組が相次いでおり、数学科も例外ではありません。

一方で金融機関において理系出身者を特別枠で採用するケースが出始めています。

万国共通の学問であるという特性を生かし、海外に活躍の場を求める人も増えてきています。

優秀な学生を海外に留学させるための助成金を設置している大学も多く、中には数学に特化したプログラムも散見されます。