特別支援学校教諭になるために勉強することは? 実習は大変?

特別支援学校教諭になるために学ぶことは?

特別支援学校教諭の免許状を取得することの大学は、全国にたくさんあります。

その種類を大きく分けると、まず「通学課程」と「通信課程」の大学があり、通学課程はさらに「一種免許状(大学卒業程度)」「二種免許状(短期大学卒業程度)」「専修免許状(大学院修士課程修了程度)」の3種類に分けることができます。

現状では、特別支援学校教諭免許状がなくても、通常の小・中・高校の教諭免許状があれば特別支援学校で働くことは可能ですが、特別支援学校では専門性が求められていることから、学生時代に特別支援学校での勤務に必要な勉強をしておくことが推奨されています。

特別支援学校教諭になるために学ぶべきこととしては、まず教育学や子どもの発達・成長に関することが挙げられます。

これらの内容は一般論であることが多いですが、教育職として働く上で基本となる内容です。

そして、特別支援学校教諭教諭免許状は、小・中・高の通常の教員免許状を基礎資格としているので、中・高の場合はいずれかの科目の専門科目も一定数受講しなくてはいけません。

また、教員免許状取得のためには、語学や体育などの科目も定められています。

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特別支援教育に関する専門的な勉強内容は?

障害や心理学について深く学ぶ

特別支援学校教諭の免許状取得のためには、各障害ごとの特性や対応を学ぶのはもちろんですが、心理学も発達心理学などは、一般の教員免許状取得のための授業よりも深く学びます。

一般の心理学を学んだ上で、障害があることによってそれがどう変化するのかを考えるのが一般的だからです。

また、特別支援学校に通う児童・生徒は複数の障害を併せ持つことも珍しくないので、自分が免状を取得したい領域の内容だけでなく、それ以外の障害に関しても幅広く学ぶことが要求されています。

その過程で、現場の現状についての知識も少しずつ得ていきます。

特別支援学校教諭ならではの勉強も

また、特別支援教育では子どもの状態像をしっかり記録に残すことが重要です。

そのためには状態を適切に評価することが必要ですが、その練習として、事例の映像などを用いることがあります。

実態把握のために検査が必要になることもありますので、各検査の実施方法や特性、結果の読み取り方を学びます。

そして一番大切なのが、読み取った状態像を読み手に誤解なく記録する、テクニカルライティングの能力を身につけることです。

これらは何度も練習して初めて身につくものですので、授業の枠の内外でしっかりと練習します。

特別支援学校教諭の実習

免許状取得には教育実習参加が必須

特別支援学校ではない一般の学校の教員であっても、教員免許状を取得するためにには3週間の教育実習が必要です。

特別支援学校教諭免許状の場合は、この3週間の教育実習と、特別支援学校での4週間の教育実習の、合わせて2回の教育実習が必要となります。

さらに、中学校での勤務を希望する場合は、1週間の介護等体験に参加することが定められています。

特別支援学校は、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱の5種類に分けられていて、特別支援学校教員免状はこの領域ごとに定められています。

ですから、4週間の教育実習は、自分が取得したい領域に対応した特別支援学校で行うことになります。

複数の領域の教員免状を取得する場合は、その中のいずれかひとつに対応した特別支援学校で実習を行います。

教育実習ではどんなことをする?

教育実習では、現場の担当教諭の指導を受けながら、実際に子どもたちと関わっていく経験を積みます。

それまでにいくら授業で教育学や心理学等を学んでいたとしても、現場では予測のつかないさまざまなケースに遭遇するため、最初は戸惑うことばかりでしょう。

とくに特別支援学校では、児童・生徒一人ひとりに合わせた支援計画を考えることが難しく、日常的な声掛けの仕方、つまづくポイントやフォローの仕方などを見極めることにも力を入れなくてはなりません。

さらに実習期間中は、毎日授業レポートや日誌を作成しなくてはならず、家に帰ってからもあまり休めない日々が続くかもしれません。

慣れない環境でのプレッシャーも感じるでしょうが、教育実習を経験することで、現場の大変さがわかったり、子どもたちへの思いをより強くする人が大勢います。

失敗を恐れず、主体的かつ積極的な姿勢で臨むことが大事です。

各大学独自の実習が行われる場合も

教育実習で実際の学校現場に関わることによって、座学で身につけた知識を実感し、また、実態との違いや座学では見えない細かい部分を知ることができます。

教育実習はほとんどの学校で最終年次に定められているので、教員免状取得のための単位の中で集大成の役目も果たしています。

また、国で定められた実習以外に、各大学で用意されている実習もあります。

学校ごとの実習は、内容も期間も学校によって大きく異なります。

そのなかには、実際に障害のある子どもと接することができるものもあります。

これらの情報は、各学校のホームページでシラバスを調べるなどして手に入れることができますので、進学先を検討する際にチェックしてみてもよいでしょう。