「中学校教師」とは

中学校教師_画像

中学校で専門教科の授業を行いながら、進路指導や生活指導を通じて生徒の心のケアを行う。

中学校教師は、各教師が専門の科目を受け持ち、授業を行います。

テストの作成と採点、部活の指導、学校行事の準備、進路指導など業務内容は多岐にわたり、事務作業も数多くあります。

また、思春期で精神的に不安定になりがちな生徒の、よき相談相手となり、中学校生活をサポートをしていく役目も担っています。

中学校教師になるためには、教職課程のある学校で教職課程を修了し、中学校教員免許を取得したのち、教員採用試験に合格することが必要です。

採用数が多い都市部は採用倍率が低く、逆に地方は採用倍率が高い傾向があります。

公立の学校での勤務の場合、公務員となるため、待遇は安定していますが、部活などで土日に出勤しなければならないという一面もあります。

「中学校教師」の仕事紹介

中学校教師の仕事内容

学習や生活において中学生を指導する

中学校教師は、中学校で各専門教科の授業を行うほか、生活指導やクラブ活動の指導、学校行事の運営などを行う仕事です。

担任を持った場合は、一年かけてひとつのクラスを見守っていくことになります。

また、担任ではなく副担任という立場で、クラス運営に携わるケースもあるでしょう。

授業に関しては科目ごとに行われるため、担当するクラス以外も受け持つことになります。

中学生は多感な時期であるため、生徒一人ひとりの個性を尊重しつつ、進路や人間関係などに不安を抱える生徒たちに、心のケアを行うことも大事な仕事です。

教材の準備やテスト作成、保護者との面談などは、生徒が登下校する前後の時間に行うことが多いため、勤務時間は長くなる傾向にあります。

中学校教師の就職先・活躍の場

公立中学校と私立中学校がある

一口に中学校の教師といっても、その就職先は公立中学校と私立中学校の二種類に分かれます。

公立中学校の特徴は、地元に根差していて、多種多様な背景を持つ生徒が集まることです。

一方、私立中学校は、その多くが中高一貫校であり、一定の経済力を持つ教育熱心な家庭の子供たちが通っています。

私立中学では、校風やカリキュラムにも学校ごとのカラーの違いが大きく出ているため、自分に合う合わないを見極める必要性があるでしょう。

中学校教師の1日

中学校教師の仕事内容


8:00 朝の指導・打ち合わせ
正門前に立ち、服装などで校則違反をしている生徒に指導を行います。
職員室内で伝達事項を共有します。

8:30 朝の会
生徒たちの出欠を確認し連絡事項を伝えます。

8:50 午前の授業
担当教科の授業を行います。

10:50授業準備
職員室に行き採点や授業準備を行います。

12:40給食・昼休み
担任のクラスで給食を食べます。
生徒の提出物のチェックを行います。

13:40 午後の授業
担当教科の授業を行います。

15:30 清掃・帰りの会
生徒たちに清掃の指示を行います。
帰りの会を行い、連絡事項を伝えます。

16:00 電話対応・学校行事の準備・授業準備
保護者からの電話対応をします。
学校行事の準備に取り組みます。
翌日の授業準備を行います。

20:30退勤
仕事にキリをつけて退勤します。

中学校教師になるには

免許状を取得してから試験を受ける

中学校教師になるには、国家資格である中学校教諭の免許状が必要です。

教職課程のある大学院、大学、短大で所定の科目を修了することで、免許状が取得できます。

その後、公立学校の教員を目指す場合は各都道府県の教員採用候補者試験を、私立学校の場合は各中学校の教員採用試験を受験します。

小学校や高校の教員免許とは種類が異なり、学校によっては教員採用試験の際に中学校と高校両方の免許状を求められることがあります。

中学校教師の学校・学費

大学院、大学、短大に通う学費がかかる

免許状を取得するためには大学院、大学、短大に進む必要があります。

学部としては、比較的教育学部に進学する割合が高いです。

国公立大学に進むのであれば四年間で250万円前後、私立大学に進むのであれば年間100万円以上の学費は覚悟しなければなりません。

短大であれば期間が短い分、金銭的な負担は少ないでしょう。

ただし、短大卒から中学校教師を目指す人は少数なのが現状です。

公立中学校に就職するのであれば、教員採用候補者試験に合格できるかが重要であり、学校名をはじめとする学歴はあまり関係ありません。

私立中学校に関してはその学校の方針次第だといえます。

中学校教師の資格・試験の難易度

倍率は下がっているが、易しくはない

難易度は公務員試験の地方上級レベルともいわれ、決して易しいものではありません。

受験者の大半は既卒生であり、複数回挑戦している人たちがほとんどです。

ただしここ数年、倍率は右肩下がりの傾向にあります。

その背景には、民間企業による採用の活性化と、教員の労働環境の社会問題化が挙げられるでしょう。

試験には筆記試験、人物試験、実技試験、適性検査があり、実技試験に関しては中学校の場合、美術、音楽、保健体育、家庭、英語の教科において行われます。

中学校教師の給料・年収

安定しているが、公立校では残業代の問題も

私立中学校の場合は、学校によって給料や待遇は異なりますが、公立中学校で働く教師は地方公務員となるため、各自治体の地方公務員の給与体系が適用されます。

基本的に年功序列であり、40代にもなると年収は700万円を超えることが一般的です。

ボーナスも月給約4ヶ月分が支給され、一見安定した待遇のように思えます。

しかし、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」、略称「給特法」により、残業手当および休日出勤手当はほとんど支給されません。

普段から長時間勤務になりがちな職場であるため、労働時間に見合った給料ではないという声も聞かれます。

中学校教師のやりがい、楽しさ

子供たちの将来を後押しする

中学校教師の仕事の魅力は、未来ある子供たちの教育に関わることができるという点です。

将来を少しずつ見据え始める時期に、教育者として子供に関わることには大きな責任が伴います。

しかし、だからこそ、確実にやりがいもあるはずです。

年間行事はある程度固定化されていて、慣れれば慣れるほど効率的にこなせるようになります。

その一方で、生徒に関しては毎年入れ替わりがあるため、常に新鮮な風が吹く職場だといえるでしょう。

中学校教師のつらいこと、大変なこと

問題の多い労働環境への指摘も

ここ最近、中学校教師の過酷な労働環境が、社会問題として取り上げられています。

中学校教師は、朝早いのに残業も多く、加えて休日出勤もあり、運動部の顧問になった場合にはろくに休むこともできない、という状況にあります。

しかし、「給特法」の定めによって、あらかじめ月給の4%程度が上乗せされている以外に手当がつくことはありません。

また、多感な時期の中学生が集まっていますから、学級崩壊、いじめ、登校拒否といった難しい事態が起きることも想定できます。

中学校教師に向いている人・適性

教師に生きがいを見出さないと難しい

山のような業務を抱えながら、保護者からの要望、学級内でのトラブル全般に適切な対応をとらなければならないというのは、相当なプレッシャーです。

手際の良さが必要なのはもちろんのこと、強靭な精神力がなければやっていけない仕事でしょう。

生徒の気持ちを常に思いやり尊重できる人間性や、信頼に足る指導力、統率力、コミュニケーション能力なども重要な要素です。

今後改善される可能性があるとはいえ、現状ではプライベートを犠牲にしがちな仕事であるため、教師に生きがいを見出していないと、なかなか続けるのは難しいでしょう。

中学校教師志望動機・目指すきっかけ

目指す理由は人それぞれにある

自身の中学校生活に対する思い入れから、中学校教師を志望するという人は多くいます。

たとえば、中学校時代の担任教師にとてもお世話になった、中学時代の部活の顧問に何度も励まされた、とにかく中学校生活が楽しくて仕方なかった、などです。

逆に、当時、担任や顧問のことを嫌っていて、中学校生活があまり楽しいものではなかった人が、もっとこうあってほしかった、という思いから志望することもあるでしょう。

また、中学校になると科目ごとに担当が変わるため、好きな科目の面白さを多くの子供たちに伝えるため、中学校教師を志望したというケースもあります。

中学校教師の雇用形態・働き方

正規雇用と非正規雇用がある

中学校教師というと、担任制のイメージから正規雇用ばかりと思われがちです。

しかし、実際には非正規雇用の中学校教師も存在します。

非正規雇用の教師は臨時的任用教員と呼ばれ、常勤講師と非常勤講師の二種類に分かれます。

この場合の常勤講師はあらかじめ期限付きで、産休育休をはじめとする教師の穴埋めのために働くことが多いです。

なお、非常勤講師は授業単位での穴埋めを行っています。

教師不足の現代において、欠かせないピンチヒッターです。

中学校教師の勤務時間・休日・生活

プライベートを確保するのは難しい

中学校教師は朝から夜まで長い時間学校にいなければなりません。

定時になっても仕事が片付いていることはほとんどなく、保護者からの電話対応や、生徒からの質問、部活の指導、授業準備、テストの採点など、やるべきことに追われます。

忙しいのはなにも平日に限った話ではありません。

部活の顧問をしていると、土日も出勤しなければならないケースがあります。

また、夏休みは楽だと誤解されがちですが、生徒がいなくてもやることは山積みです。

プライベートを犠牲にして働く覚悟ないと、なかなか続かないでしょう。

実際、大変さについていけず辞めてしまう教師もいます。

中学校教師の求人・就職状況・需要

全国的な教師不足

NHKの調査によると、2017年4月時点で、67の教育委員会のうち32の教育委員会において定数に対し717人もの教員が不足していたそうです。

近年、教員採用において採用枠を拡大したとはいえ、平成10年代前半は少子化による教員定数の削減を見込んで採用枠をぐっと抑えていました。

結果、現在の教育現場では退職間際のベテラン勢の比率が非常に高いです。

中学校教員の退職者数は平成31年度がピークと予想されていますが、上の世代が抜ける穴を若い世代で賄おうにも、現状追い付いていません。

また、臨時採用の教師が圧倒的に不足していることも大きいです。

中学校教師の転職状況・未経験採用

異業種からの転職でも可能

人手不足の状況にあるため、異業種からの転職者であっても採用を見つけることは可能でしょう。

問題は公立中学校を目指す場合、教員採用候補者試験を突破しなければならないという点です。

広範囲な試験なので猛勉強が必要となります。

現在の仕事を続けながら目指す場合は、そのための時間をどう捻出するかが課題となるでしょう。

また、同業種間、たとえば私立中学校から別の私立中学校へ転職する場合は、理由を説明する必要があります。

学校側が納得できる理由ならば、経験を武器にアピールすることも可能でしょう。

中学校教師の現状と将来性・今後の見通し

チャンスの広がりを活かせるかどうか

「団塊の世代」が定年を迎え、大量に退職したことに伴い、公立中学校の教員採用者数は増加中です。

また、きめ細やかな指導を行うべく少人数指導を実施する学校も増えつつあり、活躍のチャンスは広がっていると言えるでしょう。

しかし、思春期の生徒たちと向き合わなければならない上、時間外の手当が十分につかないこの仕事は、精神的にも体力的にもタフでなければやっていけません。

それと同時に、生徒や保護者から信頼される人柄や、強い熱意を持った人材が求められています。