「予備校講師」の仕事とは

予備校講師の仕事内容

進学予備校をはじめ、さまざまな学校がある

予備校と一口に言ってもさまざまなタイプの学校があります。

最も一般的なのは、高校生や高卒生を対象とし、進学のための講義を行う進学予備校です。

中には大学受験より学校の補習にウェイトを置いている予備校もあります。

専門分野に特化した予備校では、芸術、英語、音楽など、扱う科目を限定した教育が行われています。

各種資格の取得や試験合格を目指すための学校も少なくありません。

なおこの場合の試験とは、公務員試験や司法試験といった、独学では難しいものを指します。

予備校講師は各担当教科において高い指導力を発揮し、理解しやすい授業を行わねばなりません。

また、授業で使う教材研究やプリント作成といった事前準備をする必要性があります。

予備校講師の就職先・活躍の場

各種予備校で働き、場合によっては副業も

予備校講師の就職先は各種予備校です。

予備校の規模は大小さまざまで、カラーもそれぞれ異なります。

自分に合った就職先を見つける必要性があるでしょう。

一部の予備校講師は個人事業主であり、知名度を生かした副業を行うことがあります。

例として挙げられるのは、記事や書籍の執筆、講演会などです。

教育について、あるいは勉強について、自身の思うところをメディアを通じて発信することができます。

ただしこうした仕事の依頼を受けるには、かなりの実績が必要です。

予備校講師1日

1日に何コマも担当を持つ

予備校講師は授業およびその準備を中心に仕事をしています。

残業が常態化している業界であるため、定時にあがれることは少ないです。

10:00出勤
今日の仕事内容について確認します。

11:00授業
1コマ目の授業を行います。

12:00質問対応
生徒たちの質問に個別対応します。

12:30昼食
昼ご飯を食べ、午後の授業に備えます。

13:00授業
2コマ目の授業を行います。

14:00質問対応
生徒たちの質問に個別対応します。

15:00授業準備
授業に備えて、教材の準備を行います。

17:00授業
3コマ目の授業を行います。

18:00質問対応
生徒たちの質問に対応します。

18:30授業準備
テストの採点や明日以降の教材準備を行います。

21:00退勤
仕事を終えて帰路につきます。

予備校講師になるには

学歴と指導スキルを身につけておく

予備校講師になるために、最低限必要な条件は、そこそこ名の通った大学へ進学することです。

専門に特化した一部の予備校を除き、就職にあたって大卒以上の学歴が必須となるのは確かです。

また学歴のみならず、留学をはじめ学力を裏付ける経験も強いアピール材料になります。

未経験者がいきなり有名予備校で働くのは難しいため、まずは家庭教師や塾講師として経験を積み、指導スキルを磨いていく必要があります。

学生時代にアルバイトをしておくと、就職試験の際に有利となるでしょう。

予備校講師の学校・学費

学歴があると、仕事の幅が広がる

予備校講師の教える対象は基本的に高校生か高卒生です。

小中学生を相手にする塾講師よりも一層、学力が求められます。

したがって、高卒や短大卒ではまず、予備校講師の採用はありません。

更に、大卒ならばなんでもよいわけではなく、一定基準の大学を出ていることが求められます。

学歴は高ければ高いほど評価され、難関校受験クラスなど、ハイレベルな仕事を任せてもらいやすくなるはずです。

ただし補習メインの予備校を目指すのであれば、ずば抜けて高い学歴を有している必要はありません。

予備校講師の資格・試験の難易度

資格の必要はないが、試験は難しい

予備校講師は学校の教員とは異なり、特殊な免許を必要とはしません。

代わりに高校生、高卒生が希望の大学へと行けるよう高い学力と指導力が求められます。

そのため、就職試験の難易度は決して易しくありません。

難関大学受験レベルの問題が出ることを覚悟したほうがよいでしょう。

塾それぞれの基準に応じた学力試験が課され、ディスカッションなどを通して物事を伝える力があるかどうかがチェックされます。

塾の規模によって担当する科目が一つか複数かは異なり、それによって試験の内容も変わってきます。

予備校講師の給料・年収

イメージと実態が異なる現状

予備校講師の給料というと、有名講師の語る話が独り歩きしがちです。

集客力を有する講師は確かに高給取りでしょう。

大手予備校で人気を博せば、引き抜きを防ぐため飛躍的に年収がアップするため、年間数千万円の金額で契約している講師も一部ながら存在します。

しかし、平均年収は300~400万円程度であり、サラリーマンの平均収入と比べても少し低めです。

厳しい仕事量が求められる労働環境を考えると、やや割に合わない金額といえます。

予備校講師のやりがい、楽しさ

生徒の進路に寄り添える喜びがある

予備校講師のやりがいは生徒の力になれることでしょう。

生徒の人生に大きな影響を与える、責任ある仕事です。

大学受験は人生の転機の一つであり、そこに貢献できるとなれば大きなやりがいを見いだせるでしょう。

テストの点数や受験の合否を通して、目に見える成果をあげられるのも、充実感を得られるポイントです。

また、毎年さまざまな生徒との出会いがあり、喜びや悲しみを分かち合うことができます。

大手であれば、人気が出れば出るほど昇給の可能性があり、頑張り甲斐があります。

予備校講師のつらいこと、大変なこと

ハードワークから、高い離職率で知られる

予備校講師の仕事がハードであることは、その高い離職率からも明らかです。

授業準備等に時間をとられ、勤務時間が長いにも関わらず、けっして収入は高くありません。

加えて、帰宅が遅くなりがちで、若いうちしか続けられないと考える人が多いです。

持ち帰りの仕事などに振り回され、公私の境目をつけにくい職業だといえます。

特に授業準備に時間をかけざるを得ない最初の数年は、体力勝負になるでしょう。

また、生徒アンケートなどを通し人気が可視化される予備校では、大きなプレッシャーに耐えなければなりません。

予備校講師に向いている人・適性

指導力はもちろん、信頼される人間性が必要

大学受験をめざす子供を指導できるだけの学力は必須です。

受験に関する情報は常にアップデートされていくため、研究熱心な姿勢が求められます。

時間内に自分の伝えたいことを落とし込めるプレゼンテーション能力も重要です。

子供たちと接する仕事なので、コミュニケーション脳力や倫理観も欠かせないでしょう。

子供のみならず保護者からも信頼を得られるような、大人としての振る舞いを意識せねばなりません。

加えて、ハードワークであるためバイタリティがなければ続かないでしょう。

予備校講師志望動機・目指すきっかけ

予備校にはたくさんの魅力がある

予備校講師を志望する人は、さまざまな動機を持っています。

自分自身が予備校の存在に助けられた、人にものを教えることがすき、子供たちと関わる仕事がしたい、教育業界に貢献したい、やりがいのある仕事がしたい、自身の学力を活かしたい、など例を挙げればキリがありません。

塾講師ではなくあえて予備校講師を志望した背景に、チューター的存在のサポートを挙げる人もいるでしょう。

塾講師よりも現場の仕事にウェイトを置きやすい環境は魅力的です。

予備校講師の雇用形態・働き方

講師の雇用形態はさまざま

予備校講師には、正社員、契約社員、アルバイト、年契約の個人事業主など、さまざまな働き方があります。

大手校の有名講師はだいたい年契約の個人事業主です。

実力が金額に大きく反映されるため、高額の収入を手にすることができます。

このケースでは、授業に特化した仕事を求められることが多いです。

正社員採用は、安定した雇用形態である反面、付帯業務に追われがちでとても忙しいといえます。

契約社員やアルバイトも授業に特化した働きを求められることが多いですが、正社員とは異なり不安定な立場です。

予備校講師の勤務時間・休日・生活

私生活と仕事の区別が難しい

予備校の授業は高卒生を対象に含むため、午前中から始まる場合があります。

昼出勤の予備校もありますが、その場合、帰りの時間は遅くなると見て間違いないでしょう。

模試や受験応援などでなんだかんだ休日も駆り出されることが多く、授業準備のため残業時間も長くなりがちです。

残業しても終わらず、持ち帰り仕事というパターンも珍しくありません。

そのため、仕事が生きがいという生活を覚悟する必要があります。

予備校講師の求人・就職状況・需要

即戦力を求めている

離職者の多い業界であるため、需要は恒常的にあります。

正社員である常勤講師よりも、非常勤講師の募集のほうが多く見つけられるでしょう。

人手不足のため、即戦力となる人材であれば採用されやすいです。

塾講師や家庭教師の経験を積んでおくと、採用時優遇される可能性があります。

また非常勤を掛け持ちし、二つ以上の予備校で働いている講師も珍しくありません。

一つのところで働いていても、連続して授業を持てることが少なく、効率が悪いためです。

予備校講師の転職状況・未経験採用

能力があれば未経験者の受け容れもある

予備校講師は、新卒採用だけではなく中途採用にも力が入っています。

経験豊富な講師がいれば生徒を集める上での呼び水となりますし、実績がものをいう業界だけにできるだけ実力ある講師を揃えたいというのが、予備校側の本音でしょう。

そのため、授業経験はあったほうがよいですが、必須というわけでもなく、これまで培ってきた能力が活かせるようであれば採用というケースもあります。

異業種からの転職でも、予備校講師に必要とされるコミュニケーション能力や、プレゼンテーションの技術を学ぶ機会はあるでしょう。

面接時にそうした経験をアピールできれば、高く評価される可能性もあります。

予備校講師の現状と将来性・今後の見通し

社会的要因に左右される業界

ゆとり教育の見直しによって、教育の価値が再考されたことは予備校業界にとって追い風でした。

その一方で少子化のあおりを受け、各予備校や講師同士の競争はますます厳しいものとなっています。

また、景気や格差、学費の値上がり、奨学金制度の今後といった社会的要因に影響されて、需要が変わってくる業界でもあります。

社会の動向を観察することが必要です。

予備校講師として確実に生き残るためには、豊かな人間性を身につけることと、日々たゆまぬ努力を続ける姿勢が求められます。