「養護教諭」とは

「保健室の先生」として、児童・学生の健康管理と、病気やケガの予防指導を行う。

養護教諭とは、保健室の先生のことです。

保健室での応急処置だけではなく、学校全体の保健の管理を行なっています。

主な業務として、ケガや病気の生徒の救急処置、水質検査や空気検査、病気やケガの予防の指導、健康診断の管理、保健室相談対応などを行います。

養護教諭の免許を取得するためには、1.教育学部や看護学部などで養護教諭育成課程を修了する、2.看護学部、看護専門学校で所定の科目を4科目8単位履修し、かつ保健師の免許を取得する、のいづれかが必要です。

採用数が少ないため、採用倍率が高い傾向にあります。不登校や心の悩みを抱えた生徒が増えており、学校カウンセラーや保健師、医師などと協力し、心のケアをすることも大切な役割になってきています。

「養護教諭」の仕事紹介

養護教諭の仕事内容

「保健室の先生」以外にも、さまざまな仕事がある

養護教諭は、学校の「保健室の先生」として、生徒の健康管理と保健指導を行う仕事です。

怪我や病気をした生徒への対応はもちろんですが、毎年実施される健康診断の準備、健康調査、病気やケガの予防指導など、生徒たちの健康を守るための業務に幅広く携わっています。

一方で、身体の健康を診るだけではありません。

ときには保健室登校の生徒をはじめ、さまざまな心の悩みを受け止める役割を担うこともあります。

また、生徒相手の仕事以外にはなかなか注目が集まりませんが、実際には目立たない部分での業務量がとても多いです。

たとえば、薬品の管理、校内の衛生管理、行事ごとの保健管理、学校が加入している保険の管理などがそうした例に該当します。

それ以外にも、校務分掌といって学校に関する業務を分担しているため、意外とハードな仕事です。

養護教諭の就職先・活躍の場

学校によって労働環境は異なる

養護教諭の就職先は各種学校です。

公立学校の場合は地方公務員として働くことになります。

公立学校は育児休暇が取得しやすく、最大3年間とることが可能です。

女性が働く上では続けやすい環境だといえるでしょう。

私立学校の場合は人事異動がない分、腰を据えて長く働くことができます。

労働環境は学校によって大きく異なるため、事前の確認が必要でしょう。

国立学校への勤務は、大学職員として採用される場合と、公立の人事異動によって配属される場合があります。

養護教諭1日

早朝出勤の上、残業もある

8:00 出勤・朝礼
仕事の確認をします。
職員間での連絡事項の確認を行います。

8:30 清掃・欠席者確認・事務
保健室の清掃を行い、換気や消毒を徹底します。
学校を欠席している生徒を把握しておきます。
事務仕事を開始します。

9:30生徒対応
保健室に訪れた生徒の対応をしながら事務仕事を進めていきます。

12:40昼食・昼休み
職員室で給食を食べます。
保健室に来る生徒の対応をします。

15:30清掃指導・生徒対応と事務
生徒たちに、清掃の指導を行います。
生徒対応と事務を並行して進めていきます。

19:30退勤
仕事のキリをつけて退勤します。

養護教諭になるには

免許状の取得が前提

養護教諭になるには、国家資格である養護教諭免許状の取得が必要です。

養護教諭育成課程のある大学や短大で所定の科目を修了するか、大学や短大の看護学部、看護専門学校で所定の科目を4科目8単位履修し、かつ保健師の免許を取得することで、養護教諭免許状(専修、1種、2種のいずれか)が取得できます。

なお、通信制大学であっても同様に資格を取得することが可能です。

その後、公立学校の場合は都道府県の教員採用試験、私立学校の場合は各学校の採用試験を受け、採用されれば養護教諭として働くことができます。

養護教諭の学校・学費

大学への進学がおすすめ

養護教諭を目指すには大学、短大、専門学校の選択肢があります。

専門学校に進んだ場合、養護教諭の免許がとれる一部の学校を除き、基本的に保健師の免許を取得することになります。

保健師の免許は、届くのがだいたい五月頃になり、新卒での就職には間に合いません。

よって、大学か短大の二択で考える人が多いでしょう。

ただし、短大の場合は養護教諭になってから、追加で研修を受けなければなりません。

なお、文系でも理系でも大丈夫ですが、資格取得のために必要な科目の中には理系のほうが理解しやすい内容のものもあります。

養護教諭の資格・試験の難易度

狭き門のため、厳しい競争が待ち受けている

養護教諭の採用試験は、採用人数が非常に少ないという特徴を持ちます。

例年の採用の倍率は7倍以上であり、試験としての難易度は決して低くありません。

幅広い一般教養の知識も必要になります。

一般教養に該当するのは、中学から高校レベルの内容です。

これまでの勉強の積み重ねが、ものを言うことになるでしょう。

試験用の参考書や過去問なども出ているので、自分に足りない部分は念入りに勉強しておきましょう。

ちなみに、業務内容の類似性からよく誤解されがちですが、養護教諭と看護師はまったく別の資格です。

養護教諭の給料・年収

公立であれば残業手当はつかない

公立学校に勤務する場合、地方公務員として各自治体の給与体系に沿った給料が支払われます。

都道府県によって差がありますが、だいたい初任給は20万円前後で、短大卒(2種免許状)よりも大卒(1種免許状)のほうが給料は高く設定されています。

公務員なので、福利厚生も充実していると言えます。

ただし残業手当は、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」、略称「給特法」により、給与の4%があらかじめ上乗せされているのみです。

私立学校の給料・待遇は各学校によってまちまちで、中には公立以上の待遇で働ける学校もありますが、非常勤からのスタートということもあります。

養護教諭のやりがい、楽しさ

生徒を支えられる喜びがある

養護教諭のやりがいは、生徒と密に関わり、サポートすることができるという点でしょう。

養護教諭は、怪我や病気といった身体的な問題のみならず、保健室登校といった精神的な問題にも向き合うことを求められます。

担任の教師とは異なるアプローチで、生徒を支えていくことが可能な立場です。

責任は重いですが、生徒の健康を守る存在として、生徒はもちろん、他の教師や保護者からも頼りにされる存在です。

生徒と関わる以外にも、保健や衛生にまつわるさまざまな業務を担う、縁の下の力持ちでもあります。

養護教諭のつらいこと、大変なこと

一人で仕事を回す責任

養護教諭は、規模の大きい学校を除いて、基本的に一人で仕事を回しています。

相談できる同僚のいない中で、病気や怪我の診断を迅速かつ正確に行う必要があるため、非常に重たい責任を負わなければなりません。

心の健康を崩している子供たちと接することが多く、学校の抱える難しい問題に直面する機会も多いでしょう。

生徒が校内にいる時間であれば、常に怪我や病気のリスクがありますから、必然的に残業時間は長くなりがちです。

それにもかかわらず、公立校では残業手当がろくに出ない厳しい状態が続いています。

養護教諭に向いている人・適性

生徒に寄り添う仕事

養護教諭の適性としては、生徒の気持ちに寄り添える人間性を持っていること、向学心があること、効率的に仕事を処理する能力があること、などが挙げられます。

保健室というのは、悩み多き年ごろの生徒にとって、一種の避難場所です。

その役目を認識した上で、生徒の不安や苦しみにどう寄り添っていけるのかが問われます。

また、病気や怪我などを診断する立場なので、向学心があり、常に知識を深めていく姿勢も求められるでしょう。

やるべきことの多い仕事なので、効率的に処理できるかどうかも重要な要素です。

養護教諭志望動機・目指すきっかけ

「保健室の先生」への憧れ

学生時代、養護教諭にお世話になった経験は誰しもあることでしょう。

「保健室の先生」として仕事に対するイメージを持ちやすいということや、頼りになる存在として憧れの念を抱きやすいということが、志望動機として挙げられます。

また、理系のイメージが強い仕事ですが、文系でも理系でも目指せるという点で、志望者の間口を広げているといえます。

ただし、採用人数は非常に少ないため、目指す上では複数回チャレンジする覚悟を持たなければならないでしょう。

養護教諭の雇用形態・働き方

育休の穴を埋める非正規雇用

公立校で長く勤めている養護教諭はたいてい正規雇用です。

養護教諭は女性の割合が高く、公立であれば育休もとりやすい環境にあります。

そのため、正規雇用の養護教諭が休みに入っている間は、非正規雇用の職員が穴埋めとして入るケースが多いです。

非正規雇用の職員は臨時的任用職員と呼ばれ、その多くは単年度で契約しています。

非正規の養護教諭の中には、さまざまな学校で経験を積みながら、正規雇用になるべく採用試験を受け続けている人も少なくありません。

養護教諭の勤務時間・休日・生活

残業が多いためプライベートの確保は難しい

他の教師と同様、養護教諭も朝早くから出勤する必要があります。

生徒が学校内にいる時間帯は、怪我や病気の可能性が常に伴うため、養護教諭も待機しながら仕事を片付けているケースが多いです。

つまり残業が恒常化しがちで、平日に関してはプライベートの時間を確保するのが難しいでしょう。

また育休制度自体は整っているものの、養護教諭が一人しか配置されていない学校が多く、育休明けに時短勤務を申請しづらい環境にあります。

子育て世代にとっては、悩ましい問題です。

養護教諭の求人・就職状況・需要

採用人数が少ない

養護教諭は、大規模校以外は一人配置のところが多いです。

その背景には、予算が割かれていない現状が指摘できます。

そのためどうしても採用枠が少なく、狭き門になりがちです。

養護教諭になりたいのであれば、高倍率を突破しなければなりません。

ただし、中には養護教諭の重要性を認識し、進んで複数配置をする学校も少しずつ出てきています。

採用枠が増えれば、それだけ就職できるチャンスも増えるはずです。

なお、養護教諭の空きが出るタイミングは、夫の転勤による退職や、出産に伴う退職などが多くなっています。

養護教諭の転職状況・未経験採用

公立校の正規雇用を目指したい

免許状を取得していれば、未経験であっても採用の可能性はあるでしょう。

養護教諭に転職するのであれば、一番安定している公立校の正規雇用を目指したいところです。

待遇の点では、一番長く働ける労働環境だといえるでしょう。

ただし、残業手当がほとんどつかないデメリットもあります。

他の仕事を続けながら転職活動をするのであれば、公立校の採用試験を突破するのは難しいかもしれません。

その場合、臨時的任用職員として養護教諭の仕事をしながら、正規雇用を目指すのもひとつの方法です。

養護教諭の現状と将来性・今後の見通し

複数人配置が増えれば、男性養護教諭の需要も

養護教諭は病気やケガの手当てをするだけではなく、「心のケア」の面でも重要な役割を担っています。

そのため、最近ではひとつの学校に複数人の養護教諭を配置するケースも徐々に増え、養護教諭のニーズは高まっています。

今までは圧倒的に女性が多い職場でしたが、複数人配置となれば、男性養護教諭の需要についても検討されるようになるでしょう。

さまざまな悩みを抱える児童や生徒が急増しているため、子どもとしっかり向き合い、適切な助言や指導ができる人材が求められていますが、そのためには保健や医学、教育など幅広い分野について勉強を続ける姿勢が必要です。