「保育士」の仕事とは

保育士の仕事内容

親の代わりに子供を保育する

保育士は、仕事や病気などで子どもを保育することができない親に変わって、0歳から6歳児までの子どもを預かり、お世話をする仕事です。

年齢や発達に合わせて、食事や身の回りの世話、そして遊びを通して、生活リズムや集団生活のきまりなどを教えていきます。

結婚や出産後も働く人が多く、年齢に関係なく続けられる職業なので、特に女性に人気があります。

近年では、共働き世帯の増加や、核家族の増加により、保育園を利用したい親が増えているため、特に都市部では保育士不足が叫ばれています。

そのため、学生だけでなく、子育てが一段落した主婦などで保育士を目指す人も増えています。

女性が多い仕事ですが、徐々に男性の保育士も増えてきています。

保育士の就職先・活躍の場

保育園のほかにもさまざまな活躍の場が

保育士と聞くと保育園で親から子どもを預かり仕事をすると思う人が多いと思います。

ですが、実はさまざまな施設で保育士が働いています。

さまざまな理由から親が保育できなくなった2歳未満の乳幼児を育てていく乳児院、3歳から18歳までの児童が生活する児童養護施設、障害のある児童が通う障害者施設、病院に入院している子どもの面倒を見る病棟保育士、などです。

保育園でももちろんですが、こうした施設で働く場合は、さまざまな事情を抱えた子が多いため、子ども一人ひとりの状況や性格に合ったケアが求められます。

保育士1日

朝から夜までのシフト制がメイン

多くの保育園では7:00~20:00頃まで子供を預かります。

そのため基本的には早番・遅番などのシフト制で働きます。

ここでは朝晩のシフトを例にご紹介します。

6:30 出勤
子どもを迎える準備をします。
連絡ノートで前日からの引継ぎ事項をチェックします。

7:00 登園開始
子どもの体調に変わりはないかなどを親と確認しながら、玄関で迎え入れます。
9:00頃までには全員が登園し、10:00頃には遅番のスタッフも出勤します。

9:30 クラスでの遊び
各クラスで年齢にあった遊びをします。
クラス内だけでなく、ホールで体操をしたり、ときには外遊びやお散歩、水遊びなどをしたりすることもあります。

11:30 給食準備
給食室から運ばれてきた給食を、子どもたちと一緒に配膳します。

12:00 給食開始
食事をこぼしていないか、のどに詰まらせていないかなど、常に子どもたちを見ていなければなりません。
自分は持参したお弁当を子どもと一緒に食べます。

13:00 お昼寝
お昼寝をさせている間に、連絡ノートを書いたり、制作物の準備をしたりします。
ゆっくりと休憩する暇はありません。

15:00 おやつ
おやつを食べ終わると、仕事が終わった親が迎えに来始めます。
その日登園した子どもの数や季節に合わせてまた遊びます。

16:00 帰宅
遅番の保育士に任せて帰宅します。
イベント前には残業をしたり、自宅に仕事を持ち帰ったりすることもあります。

保育士になるには

保育士の資格が必要

保育士として働くには、国家資格である保育士の資格取得が必要です。

保育士養成課程のある大学や短大、専門学校などで所定の課程を修了するのが一般的です。

または、そうした学校を出ていなくても、保育士試験に合格することで資格を得ることができます。

独学でも受験資格を満たせば保育士試験を受けられますが、その合格率は低く、しっかりと勉強しなければ合格は難しいといえます。

資格を取得した後、保育園などの保育士を必要とする施設に就職します。

保育士の学校・学費

保育専門の学校を卒業する

保育士の資格を取得する方法として、一般的なのが保育専門の学校を卒業することです。

保育士資格を得られる専門課程は、2年制の短大や4年制の大学、専門学校などがあります。

いずれの場合も資格を習得することができますが、大卒の場合、若干給料が高く設定される傾向があります。

また、短大や専門学校の場合は、短期間で専門知識を学びながら実習もこなさなければならず、かなり忙しいといえます。

また、通信教育で学ぶ方法もあり、独学で勉強して保育士になるという方法もあります。

保育士の資格・試験の難易度

年に一回試験が行われる

保育士試験は一年に2回、各都道府県で行われています。

試験内容・試験の日程は全国で統一されているので、一度試験に失敗してしまうと、次の試験は半年待たなくてはなりません。

保育士試験の合格率は、平成25年度より上昇し続けており、平成28年度の合格率は25.8%となっていますが、平均すると20%前後となっており、非常に狭き門となっています。

子どもという命を預かる仕事のため、試験が厳しいのも無理はありません。

しっかりと勉強・対策しなければ合格することはできないでしょう。

保育士の給料・年収

他の職業と比べても低い

公立の保育園で正社員として働く場合、地方公務員となるので、地方公務員の給与規定にしたがった給与が支払われます。

公務員の各種手当てが適用されるため、安定した待遇で働くことができます。

私立で働く場合には、条件によってさまざまですが、公立と給与面で大きな差はありません。

一般的な初任給は16万円~17万円ほどとなります。

勤務時間が長く、体力勝負の仕事なので、少なく思えるかもしれません。

給料の低さから保育士を辞める人も多く、それを是正するため、国も徐々に動き始めています。

保育士のやりがい、楽しさ

子供の成長を間近で見ることができる

保育士として働くうえで、やりがいを最も感じるのは、子どもの成長を感じることができたときです。

たとえば、ハイハイしかできなかった子どもが立って歩けるようになったときや、おむつをしていた子どもがひとりでトイレに行けるようになったとき、毎朝泣いていた子どもが笑顔で登園できたときなどです。

同じ場所に長く勤めていると、赤ちゃんだった子どもが立派な小学生になるまでを見ることもできます。

親以外で子どもの成長をここまで寄り添って見られる仕事は、保育士しかありません。

保育士のつらいこと、大変なこと

子どもを相手にするハードな仕事

子どもを相手にする仕事は、とにかく体力を必要とします。

小さな子どもを抱っこしたり、子どもと一緒に走り回ったりと、勤務中は休む暇がありません。

また、勤務中はケガやトラブルに注意しなくてはならないので、常に気を貼っていなくてはなりません。

ハードな仕事に対して給料は少なく、それを理由に保育士を辞める人も多いです。

さらに、子どもだけでなく「モンスターペアレント」と呼ばれる気難しい親との関係や、保育士同士の人間関係に悩む人も多く、心身ともに苦労の絶えない仕事です。

保育士に向いている人・適性

子どもが好きで体力のある人

保育士の仕事は、当然ながら子どもが好きなことが何よりも大事です。

子どもを思いやる優しさや、一緒に楽しんだり悲しんだりする感受性が必要とされます。

待遇は決していいとはいえない仕事のため、子どもが大好きでやりがいを感じる人でないと、続けていくことは難しいかもしれません。

また、一日中子どもを抱いたり、一日中元気な子どもの相手をしたりすることはとても大変です。

体力があることはもちろん、どんなに疲れていても、子どもの前ではそうした姿を見せないようにすることも大切です。

保育士志望動機・目指すきっかけ

「子どもが好き」だけでは差別化を図れない

保育士を目指すきっかけとして一番多いものは「子どもが好き」というものです。

しかし、面接で志望動機を聞かれたときに、「子どもが好き」なだけでは面接を突破することは難しいです。

保育士の試験は集団面接が多く、ほかの人も同じような理由で保育士を目指しているため、漠然とした理由ではほかの人と差別化することはできません

保育を学ぶ中で知ったことや、保育実習で感じたこと、自分の実体験など、具体的なエピソードを交えながら志望動機を話せるようでなければ、しっかりと自分をアピールできないでしょう。

保育士の雇用形態・働き方

正社員・パート・派遣などさまざま

保育士の働き方はさまざまです。

正社員は、私立の施設で保育士として働きます。

公立の施設の場合は地方公務員となるため、公務員試験を受ける必要があります。

パートの場合、決められた時間だけ働く場合が多く、まだ子どもの小さい主婦など、給与は低くても自分の都合の良い時間だけ働くという人も多いです。

近年人気を集めているのが、派遣の保育士です。

決まった施設には所属せず、保育士の産休や育休の間代わりとして派遣されるほか、企業や商業施設の託児室などで依頼がある時だけ働くというスタイルです。

保育士の勤務時間・休日・生活

勤務する施設によってさまざま

一般的な保育園は大体朝7時から夜8時くらいまでの間、子どもを預かっています。

そのため保育士はシフト制で、9:00~18:00頃の一番子どもが多い時間をメインに働いています。

保育園意外の施設の場合、なかには24時間常駐しなくてはならない施設もあります。

そうした場合も、保育士同士で相談しながら、保育士がまんべんなく子どもを見られるようにシフトを組んで働きます。

休日は4日~8日のことが多く、休日も子どもを預かっている保育園の場合は、ときには土日に仕事をすることもあります。

保育士の求人・就職状況・需要

保育士のニーズは高まっている

共働き世帯が増えたことにより、保育士の需要は高まっています。

また、仕事のスタイルが多様化していることから、夜間保育・延長保育などを行う保育園が多くなってきました。

それに対応するために、保育士が今まで以上に必要となっています。

保育園以外の勤務先も、障害児施設・児童養護施設・母子生活支援施設・ベビーホテルなどさまざまな施設で保育士が求められています。

特に、都市部では企業内にある託児所や商業施設内にある託児所、ベビーシッターなどの需要が高まり、保育士の活躍する場所はますます増えているといってもよいでしょう。

保育士の転職状況・未経験採用

保育士の資格を持っている人は引く手あまた

保育士の免許を持っていれば、全国の保育園や子どもに関する施設で働くことができます。

もちろん、未経験からでもOKという求人もたくさんあります。

転職サイトを見ても、保育士の求人は多く、なかには保育士専用の求人サイトもあります。

なかには保育士を専門とする派遣会社もあるので、自分のスタイルに合ったところを選ぶとよいでしょう。

もし保育園で働きたいと思ったら、インターネットの情報だけでなく、実際に足を運んで保育園の雰囲気などを見ておくことをおすすめします。

保育士の現状と将来性・今後の見通し

保育士の活躍の場はさらに広がっていく

共働き世帯が増えて保育園の需要が高まっているものの、まだまだ保育施設が不足している地域は多いため、今後も保育士のニーズは高まっていくものと考えられます。

特に都市部では、保育園や保育士が足りないために、ベビーシッターを雇って働くという人もいるほどです。

保育士の給料が少ないため、資格を生かしてこうした仕事に転職する人も多いようです。

また、保育園だけでなく、病気の子どもを預かる病児保育室や、両親が出かける際などに気軽に利用できる民間の託児所など、子どもを預かる施設も多様化しています。

今後保育士の活躍の場は今後さらに広がっていくでしょう。