騎手の引退後の生活

騎手の引退理由・年齢は?

騎手が引退する年齢は、平均すると30代後半です。

騎手に定年はありませんので、「名手」と呼ばれた岡部幸雄さんは56歳で引退。

「あんかつ」というニックネームで知られ、52歳で引退した安藤勝己騎手のように40代、50代となっても活躍する騎手はいます。

しかし、現実には、体力や体重の維持、人間関係などが理由で、40歳を前に引退を決意するケースが多くなっています。

30代も半ばをすぎると、レースの仕掛けどころや、馬をコントロールする技術などは経験によって向上していく部分がある一方で、運動能力が低下し、基礎代謝も少なくなって体重が維持しにくくなります。

騎乗機会が減ったり、収入が減ってくると、引退を考えるようになります。

騎手免許は、1年ごとの更新で、その都度資格試験を受ける必要があります。騎手免許の更新期限に合わせて引退する人もいます。

さらに、親しい調教師が引退し、その跡を継ぐために騎手を引退する人もいますし、実力のある騎手でも、体力の衰えなどから獲得賞金が少なくなり、引退を決意することもあります。

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騎手のセカンドキャリア

騎手の場合、引退後も、競馬界に残る人が多いです。

中央競馬、地方競馬を問わず、もっとも目立つのは調教師や調教助手、厩務員になることです。

現役時代から縁があったり、親しくしている厩舎に雇われ、厩舎の仕事に専念します。

調教師の場合、調教師の資格試験を受けて合格する必要があります。

引退が近づくと、試験勉強を始める人もいますし、いったん親しい厩舎の調教助手や厩務員になり、仕事をしながら調教師試験の勉強をする人もいます。

その他でも、パドックでの解説やレース解説、予想家、牧場で競走馬の生産や育成から競走馬のトラック輸送、飼料の販売関係など競馬に関わる人が多いです。

もともと、騎手は、厩舎や競馬関係者の親族というケースが多いこともあって、むしろ競馬界を離れることの方が珍しくなっています。

引退後に家業を継いだり、現役時代に貯めたお金で店をオープンしたりする人もいますが、競馬界から完全に離れる人は少ないようです。

騎手が引退前に準備しておくことは

騎手が引退後のセカンドキャリアにスムーズに移行するためにも、現役時代からの準備はしておいたほうがいいでしょう。

調教師試験の勉強などもその一つといえます。

2019年に調教師免許試験に合格し、2020年に引退した、G1レース15勝の名騎手、四位洋文さんはまさに、引退後の準備が整っての引退というかたちです。

逆に、同じ年の調教師試験で蛯名正義騎手は残念ながら不合格となりました。

蛯名さんは騎手としての仕事を続けながら、また挑戦することになりそうです。

からだが資本の世界ですので、たった一度の落馬事故や、ケガによって騎手生命が立たれる危険性は常にあります。

定年のない仕事はあるものの、一方で、30代で引退する人も多いのも事実です。

引退後の人生を想定して、勉強をしたり、貯蓄をしたりとセカンドキャリアに向けた準備をしておくことは大切です。