騎手のやりがい・楽しさ・魅力

騎手のやりがい・楽しさ

レースに勝利すること

騎手にとっては、ほぼ毎週開催されるレースに出場し、そのレースで勝つことが仕事です。

その意味では、レースで勝つこと、あるいは、馬券の配当に絡む3着以内に入ることが大きなやりがいになります。

たとえば、本命馬に騎乗しても、勝たなければならないというプレッシャーがあります。

そのプレッシャーを克服して1着に入れば、大きな達成感があります。

逆に、弱い馬に騎乗しても、その馬の特徴をうまく引き出し、3着以内に入れれば、それはそれで騎手冥利に尽きる快心のレースです。

伝統ある競馬の担い手として

競馬は、3〜4世紀頃の古代ローマ時代には始まっていたようです。

ローマに大きな競技場が建設され、戦車を引いた馬の競走が行われていました。

日本では、平安時代の文献に競馬(くらべうま)という言葉があり、馬によるレースが行われていたようです。

現在のような近代競馬は、16世紀のイングランドに始まり、17世紀にはフランスやアイルランドでも行われるようになったといわれています。

日本で、西洋式の競馬が行われたのは幕末の1860年9月、現在の横浜・元町あたりとされています。

その後、現在の横浜中華街あたりで本格的な競馬が行われるようになり、1867年、居留外国人からの要望で根岸競馬場が建設されました。

日本人の間で、本格的に競馬が行われるようになったのは大正時代のことですが、競馬には長い歴史があり、現在は世界約50ヵ国で行われています。

騎手になるということは、古くから世界で行われている競馬の担い手の一人になり、少なくとも1700年以上受け継がれてきた競馬文化を受け継ぐという意味をもちます。

人馬一体の実現に向けて

競馬には、「人馬一体」という言葉があります。

その意味は、一般に「騎手が、まるで馬と一体となったかのように、巧みに乗りこなすこと」と言われています。

説明を読めば、簡単そうに聞こえますが、実際は、とても奥の深い言葉です。

たとえば、体重が同じ50キロの騎手でも、騎手の姿勢や乗り方によって、馬は50キロより軽く感じれば、重くも感じるといわれています。

もちろん馬はしゃべりませんが、走った時の馬体の状態は、明らかに違うそうです。

姿勢や乗り方が美しく、しなやかな騎手の場合、馬ものびのびと軽やかに走るのに対して、姿勢が硬く、乗り方のぎこちない騎手の場合は、馬の走るリズムもぎこちなく、重そうな走りになるといわれています。

実力のある騎手は、手綱や馬の背中から受ける感覚で、馬の気持ちや状態がわかるといいます。

また、馬の走りたいように走らせるのが、もっとも強いともいいます。

そういう意味では、人馬一体とは、気持ちも体も、騎手と馬とが一体になることといえそうですが、問題は、どのようにすれば、それを実現できるかという方法論がないことです。

つまり、騎手が、自分の感性と経験から探るしかありません。

世界中で、何世紀にもわたって追求される人馬一体の境地に、騎手として目指せるのも大きなやりがいです。

騎手の仕事内容

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騎手の魅力

大観衆の中で戦う

JRAのG1レースともなれば、10万人を超えるような観客が競馬場につめかけて声援を送ります。

その観客の視線を一身に受けて、先頭でゴール板を駆け抜ける快感は騎手にしかわからない特別な瞬間です。

また、自分が乗り続けてきた馬と共に大きなレースを勝てば、「シンボリルドルフと岡部幸雄」や「ディープインパクトと武豊」のように、社会的認知も一気に高まります。

大きなレースを勝てば勝つほど、得られる収入も当然上がります。

自らの腕によってスターになることができるのは騎手という職業の魅力です。

現役期間が長い

騎手に定年はありません。

つまり、技術があり、騎乗依頼がある限り何歳でも続けることができる職業です。

シンボリルドルフと無敗の牡馬クラシック三冠を達成した伝説の騎手・岡部幸雄さんは、1967年にデビューし、1984年に56歳で引退するまで38年間騎手を続けました。

競馬学校を卒業した騎手がデビューできるのは18歳からです。

騎手としてのピークを40代で迎える人もいます。

若いころから経験を蓄えていけば、筋力や体力の衰えを凌駕する勝負勘や騎乗技術を発揮して、50代になっても活躍できる可能性があるのも魅力です。