助産師になるための学校と学費(大学・専門学校)

助産師になるための学校の種類

現在、助産師になるための学校には、助産師養成所(専門学校)、大学の助産師養成課程、大学院の3つの選択肢があります。

助産師養成所(専門学校)

助産師養成所では、併設されている病院や提携の助産院などで臨地実習を行いながら、分娩介助や母子ケアについて専門的に学びます。

1年制が主流ですが、最近では2年制のコースを設定している学校もあります。

在学中はいくつも実習を経て単位を取っていきますが、夜間のお産介助の実習に備えて全寮制をとっているところもあります。

助産師国家試験の合格率は毎年100%に近い数字になっていますが、実際には国家試験よりも助産師養成の専門学校に入学することのほうが難易度が高いと言われています。

入学対象となるのは、看護専門学校または看護大学を卒業し、看護師免許を所持している人のみです。

入学の方法としては、看護学校からの推薦入学、働いている施設からの施設推薦入学、一般入学などがあります。

学校の数が少ないこともあり、一般入試の倍率は毎年高めで狭き門となっています。

ストレートでの助産師養成所への入学を希望する場合は、大学もしくは看護学校の在学中から助産師養成所の受験対策をしておくことが重要になります。

4年制大学の助産師養成課程

4年制の看護大学や看護学部でも、助産師を目指せます。

看護の勉強をしながら4年次に助産師の勉強も並行して行い、4年間の大学生活の中で看護師と助産師、また場合によっては保健師の資格を取得します。

そのため、通常の看護師養成課程を上回る、大変忙しい実習となることが多いです。

2月の国家試験の時期には看護師と助産師(+人によっては保健師)の試験をおおよそ1週間の中で受験することになるため、試験の勉強を要領よくしていくことも必要となってきます。

また、この過程の場合、看護師国家試験に合格しなければ、たとえ助産師国家試験に合格したとしても助産師免許は得られません。

大学院

最近になって、4年制大学の助産師養成課程を大学院化する傾向が出てきました。

1年で助産師の資格をとるカリキュラムは学生の負担が重く、昼夜関係なく勉強や実習をしなければならないため、余裕をもって学ばせるためだと考えられます。

このルートに入学できるのは「大学卒業」の学歴、つまり学士を持っている人で、看護専門学校卒の人は入学できません。

時間が余分にかかるぶん、学費がたくさん必要になることがデメリットとして挙げられます。

助産師になるには? 必要な資格は?

助産師になるにはいくつかのルートがある

助産師になるにはいくつかのルートがありますが、いずれにしても看護師の資格も取得しなくてはならないのが特徴です。

どの時点で助産師を目指すことに決めたのかなどにもよって、選択肢が変わってくるでしょう。

同時に2つの国家試験合格を目指す場合

4年制大学卒業と同時に看護師と助産師の両方の取得を目指す場合は、4年制大学の助産師養成課程へ進むのが最短ルートとなります。

卒業前に看護師国家試験と助産師国家試験を同時受験し、どちらにも合格した場合、卒業後すぐに助産師として働くことができます。

このルートの場合、効率はよいように見えますが、看護師国家試験と助産師国家試験の対策を同時に進めなくてはいけないため、学生生活は通常の看護学生に比較し、とてもハードなものになる覚悟が必要です。

看護師国家試験を経て助産師国家試験の順に合格を目指す場合

先に看護師になってから助産師を目指す場合には、まず3年制の看護短大もしくは看護専門学校を卒業し、看護師国家試験を受験します。

看護師免許を得てその後、1年制の助産師養成所に入学しなおし、助産師国家試験の合格を目指すことになります。

このルートの場合、時期をずらして国家試験に取り組めるため、腰を据えてじっくり勉強したいと考える人に向いているといえるでしょう。

しかしながら、看護学校と助産師養成学校の合計2回受験しなくてはいけませんし、入学金やそのほかの経費負担が増えるというデメリットもあります。

助産師の学校選びのポイントは?

助産師になるためには、まず看護師免許が必要であることは前述の通りです。

「看護師国家試験」と「助産師国家試験」の受験資格を得るためには、文部科学大臣または厚生労働大臣指定の看護師・助産師養成学校を卒業する必要があります。

学校には、国公立・私立さまざまな養成機関があります。

どこに何年通うかによって、トータルでかかる学費やそのほかの経費が大きく違ってくると同時に、かかる時間もまた異なってきます。

いきなり助産師を目指すのか、それとも看護師を経てキャリアアップのために助産師を志すのかなど、人によって環境や背景も違うことでしょう。

学校選びと同様、キャリアの進め方もじっくり検討し、そのうえで学校を決めることが必要です。