製薬会社の就職・求人状況
製薬会社の需要は安定している
製薬業界は、就職活動をしている人たちから根強い人気を誇る業界です。
医薬品は、飲食やレジャーなどに比べると景気の影響を受けにくく、安定した需要を見込めるため、安定しているイメージがあるのでしょう。
専門性が求められることから、ひとたび技術や知識を身につければ業界内の転職や再就職がしやすいことも、人気の理由と考えられます。
内資系(国内)の大手製薬会社はとくに給料や待遇がよく、正社員の採用試験は非常に狭き門となっています。
近年は外資系の製薬会社も数多く日本に進出しており、実力次第で若くても高い収入が望めることや、グローバル規模の仕事ができることから人気を集めています。
20代で正社員への就職・転職
研究職を中心に採用ハードルは高め
昨今、製薬業界の求人の状況にはそこまで大きな変化がありません。
近年では、いわゆる「ジェネリック医薬品」といわれる後発医薬品開発に注力する中小企業が増えている一方、大手製薬会社の間では、最も利益を出しやすい新薬の開発競争が激化しています。
大手製薬会社は、主力商品となる医薬品の開発に携わる優秀な研究者を獲得するため、各社の間で激しい争奪戦が繰り広げています。
大学・大学院で高度な理系の専門性を身につけ、優秀な人材と認識される研究職は狭き門となっています。
職種別採用が一般的
製薬会社の求人は、比較的安定して出されています。
大手製薬会社は新卒採用が実施されており、毎年、定期的に数十人単位の若手人材が採用されます。
多くの企業で共通しているのは、職種別採用を行っていることです。
採用の段階で「研究職」「開発職」「営業職(MR)」「事務職(経理、法務、人事など)」などのように分類されているのが一般的です。
製薬業界は人命に関わる医薬品を取り扱っているため、それぞれの業務の専門知識や適性がある人材を採用したうえでスペシャリストとして徹底的に育成します。
これは安心安全な医薬品を社会に提供し、事業の根幹を支えるために非常に重要なことです。
採用の時点で必要な学歴が定められていることもあり、技術職の場合は理系の大学・大学院で勉強していなければ試験にチャレンジできないことがあります。
MRは学歴(文系・理系)を問わず応募できることも多いため、希望する職種の応募要件をよくチェックしましょう。
20代で正社員への就職・転職
中途採用も活発に行われている
製薬業界は、大学や大学院を出たばかりの若手を採用する新卒採用だけではなく、転職者を迎え入れる中途採用も盛んです。
中途採用の場合、同じ製薬業界内で転職するほか、大学や病院の研究機関・研究所で働いていた人や、化学メーカーや食品メーカーの研究開発職に携わっていた人が、実績や経験を生かして転職するケースが多いようです。
外資系製薬会社は、営業職(MR)についても、即戦力として活躍できる人材を積極的に採用する傾向があります。
ただし、研究者の場合は携わっていた研究の内容や技術に関する事項が企業秘密となっていることが多く、守秘義務が課せられるケースもあります。
他社への転職の際は注意が必要です。