自動車メーカーの仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
自動車メーカー社員の仕事とは
自動車メーカーは、文字通り自動車の開発や生産を行っている会社です。
軽自動車・コンパクトカー・セダン・ミニバンから、トラックやバスといった商用車まで、自動車にはさまざまな種類があり、各メーカーが個性を出しながら自動車づくりを行っています。
自動車メーカーは会社の規模も大きく、最大手の「トヨタ」においては、単独で7万人以上連結では37万人もの従業員を抱えています。
自動車業界の上位に君臨するのが自動車メーカーです。
自動車メーカーに勤務すると、自動車部品会社や自動車販売会社(ディーラー)などを指揮する立場となることもあります。
一つの自動車を作るためには、マーケティング、技術開発、資材調達などさまざまな人の手が必要になります。
自動車の製造には大きな生産工場も必要となり、生産現場においても生産管理や生産技術などのたくさんの仕事が用意されています。
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自動車メーカーの種類・分類
主要6社
国内の自動車メーカーは、「トヨタ」「日産」「ホンダ」「SUBARU(旧富士重工)」「三菱自動車」、「マツダ」この6社が主要メーカーとなります。
この6社は総合的な自動車メーカーであり、セダン、ミニバン、コンパクトカー、スポーツカーなどさまざまなタイプの車種を開発しており、ラインアップも豊富です。
またホンダのように、4輪自動車だけなく2輪(バイクやオートバイ)の分野をも手掛ける会社もあります。
「トヨタ系」、「日産系」といったグループ系列をもち、傘下に部品会社やディーラーなどを多数抱えてもいます。
軽自動車メーカー
「スズキ」「ダイハツ」「三菱自動車」の3社は、軽自動車やコンパクトカーに強みをもつメーカーです。
日本の軽自動車市場はこの3社でほぼシェアを独占しており、この3社は「OEM契約」という形で、他の自動車メーカーに軽自動車を提供しています。
<軽自動車のOEM契約>
・スズキ→マツダ、日産、三菱などへOEM
・ダイハツ→トヨタ、スバルなどへOEM
・三菱自動車→日産へOEM
たとえばスズキの軽自動車「ワゴンR」は、マツダの「フレア(旧AZワゴン)」として販売されており、名前やエンブレムなどの細かな部分が異なるだけで、中身はほぼ同等の車両です。
大型車メーカー
「日野自動車」「いすゞ自動車」「三菱ふそう」は、トラックやバスなどの大型車を得意とする自動車メーカーです。
この3社は一般ユーザーにとってはあまり馴染みのないメーカーとなりますが、商用車市場においては大きなシェアと技術ノウハウを持ちます。
自動車メーカー社員の業務内容の種類・分類
事務系総合職
自動車メーカーの仕事は、「事務系総合職」、「技術系総合職」の大きく2系統で分けられるのが一般的です。
事務系総合職としては、商品企画、マーケティング、営業、生産管理、調達などの職種が代表的です。
たとえば商品企画は「どのようなクルマを作るか」の根本的なイメージを考えることが仕事であり、それには消費者のニーズや市場動向をリサーチし、消費者が「欲しい」と考える自動車は何かを検討する必要があります。
事務系総合職では、ビジネス的な思考や、調整力や交渉力なども求められることがあるでしょう。
一般的には、文系の学生が目指すことが多いですが、理系の学生がつくこともあります。
技術系総合職
技術系総合職としては、研究開発、生産技術、品質管理などの職種が代表的です。
たとえば研究開発では、商品企画側からあがってきた企画内容をベースに、技術者としての観点から新しく開発するクルマの設計や開発を行います。
自動車は複雑であり、エンジン設計やシャーシ設計など、それぞれの部位毎で担当を分けるのが一般的です。
技術系総合職の仕事では理系の専門知識が必要となるため、採用は理系学部出身の学生のみで限定されることが多く、文系学生では応募できないことがあります。
特に「機械工学」や「自動車工学」を学んだ学生が活躍していることが多いです。
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自動車メーカーの役割
クルマが生活の一部となっている現代において、ユーザー自動車を提供する自動車メーカーはなくてはならない存在です。
より扱いやすく、より便利な自動車を開発し、ドライバーに届けていくことが自動車メーカーの社会的役割ともなります。
自動車は多くの化石燃料を消費しCO2も排出するため、低燃費技術の開発、ハイブリッドカーやEV(電気自動車)の開発などを通し、地球環境の改善を目指すこともミッションに含まれます。
また、自動車は一つ間違えば人の命を奪う製品でもあり、毎年多くの人が自動車事故で亡くなっています。
セーフティー技術や自動運転技術などを追及し、より安全で信頼性のあるクルマを造り上げることも目標です。
自動車メーカーに特有の職種
生産管理、生産技術
自動車メーカーでは、各地に生産工場を保有しています。
生産工場における生産ラインの管理や運営をまかされるのが生産管理、生産技術という職種です。
・生産管理:生産ラインの管理、人員の管理、材料の管理など
・生産技術:生産設備の設計や管理、技術考案など
生産管理は文系向け、生産技術は理系向けの職種となりますが、いずれも「いかに効率よく大量の自動車の生産を行うか」を目指すことになります。
カーデザイナー
カーデザイナーは、次期新型モデルの見た目をデザインをする仕事です。
外観やボディを担当する「エクステリアデザイナー」、車内の内装を担当する「インテリアデザイナー」の大きく2つに分けられます。
自動車の場合は、機能面や空力抵抗なども考慮し、かつ限られた全長、全幅、全高のサイズの中でデザインを行う必要があります。
デザイナーの採用は、一般的な採用とは異なったルートで行われることが多いです。
主に美大や芸術系の学部で「プロダクトデザイン」「インダストリアルデザイン」「カーデザイン」などを学んだ学生が対象となります。
資材調達
自動車の製造に使用する部品や資材の調達業務を担当します。
素材業者や部品メーカーなどとやりとりを行い、最適な材料を調達するのが役目です。
自動車の生産にはたくさんの素材が必要となり、資材調達の仕事はコストにも直結するため、縁の下の力持ちとしての重要なポジションでもあります。
工場作業員(期間工)
工場作業員は、各地の生産工場に勤務し、実際に自動車の製造や加工に携わる仕事です。
生産ラインで部品を組み立てたり、生産ロボットの操作や調整を行うなど、現場仕事が中心となります。
一般的には、期間工(期間従業員)やアルバイト・パートなどの雇用形態で募集されることが多い職種です。
自動車メーカーの有名な企業
有名企業
自動車メーカーの有名企業としては、次のような会社が挙げられます。
<自動車メーカーの有名企業>
・国内:トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、SUBARU、三菱自動車、スズキ、ダイハツ
・国内(大型車):日野自動車、いすゞ自動車、三菱ふそう
・欧州:フォルクスワーゲン、ルノー、メルセデスベンツ、BMW
・北米:フォード、ゼネラルモーターズ、クライスラー
・アジア:上海汽車(中国)、現代自動車(韓国)
この中でもトヨタ(日本)、フォルクスワーゲン(ドイツ)、ゼネラルモーターズ(アメリカ)の3社は巨大な自動車メーカーであり、世界的に大きなシェアを持ちます。
また、自動車メーカー間の合併や提携なども多く、たとえばトヨタとダイハツの2社は親子関係にあります。
ルノー、日産、三菱自動車の3社は資本提携関係にあり、お互いに技術共有なども行っています。
メーカーによって車づくりはさまざま
それぞれのメーカーごとに車づくりの方針は異なります。
たとえば日産は「技術のニッサン」と呼ばれるほど技術開発に熱心なメーカーであり、近年はEV(電気自動車)の開発にも人一倍力を注いでいます。
他にも例として、SUBARUは水平対向エンジン+4WDモデルの開発を得意としています。
BMWは「駆け抜ける歓び」のキャッチフレーズのとおり、50:50の前後重量比やFRレイアウトにこだわり、操作性を重視するメーカーです。
自動車メーカーそれぞれで、どのようなキャラクターのクルマをつくるか、どのような分野を得意とするかは異なり、それによって仕事の進め方や求められる技術なども変わってきます。
自動車メーカーのほとんどは大企業
自動車を作るには、多くの資本・人員・設備が必要となるため、自動車メーカーのほとんどは従業員を何千人、何万人と抱える大企業です。
仕事もたくさんの職種が用意されており、大企業ならではのジョブローテーション制でさまざまな職種を経験することができます。
全国各地、海外各地に事務所や工場をかまえている自動車メーカーが多く、総合職として入社すると、数年おきに各地への転勤が発生することもあります。
自動車メーカーの仕事の流れ
メーカーというのは、自ら製品を生み出し、販売する会社です。
大まかな仕事の流れとしては、まずは商品開発部門や企画部門が新しく開発する新車の企画を考案します。
企画内容をベースに研究開発部門が設計を行い、でき上がった設計内容をもとに生産部門がクルマの量産に取り掛かっていきます。
量産された車両は、自動車販売店(ディーラー)におろされ、ユーザーに販売されます。
その流れの中にはたくさんの人が関わっており、それぞれの社員の仕事が積み重なって自動車造りは成り立っています。
一台の新型モデルの開発から販売まで5年、10年もの時間を要することもあり、部署によっては一つのプロジェクトに長い期間たずさわることもあるでしょう。