物流企業への転職・中途の未経験採用はある?
物流企業への転職・中途の未経験採用はある?
人手不足のため未経験採用も多い
現在、物流業界では人手不足が深刻化しています。
ネットショッピング需要の急増から、とくに配送ドライバー職や倉庫スタッフなどの求人はふくれ上がっています。
その多くは未経験者も対象としており、「経験不問」、「年齢不問」、「学歴不問」などの緩い条件となっていますが、それでも埋まらない求人も数多い状況です。
未経験者や異業種出身者でも採用されやすい環境であるため、元接客業、元アパレル業界出身、元自営業、元フリーターなど、さまざまな業界・職種の出身者がはたらいています。
オフィス系はハードルが高め
総合職・法人営業・マーケティング・企画・物流管理・総務・人事といったオフィス系の職種では、人手不足といえども未経験採用は行っていない会社が多いです。
転職するには関連する職務経験やスキルが必要になることがあり、たとえば「物流業界での法人営業の経験〇年以上」と、細かな条件指定があることも少なくありません。
オフィス系の業務に転職する人は、同じ物流業界出身の人が多くなりますが、中には異なる業界での営業経験やマーケティング経験などを武器に転職する人もいます。
また、最近は「IT技術」が物流管理にもちいられることも多く、IT業界出身のエンジニアなどが、持ち前の技術スキルを武器に転職するケースも目立ちます。
20代で正社員への就職・転職
未経験から物流企業で働くには
未経験採用を利用する
物流業界では未経験者採用も積極的に行われているため、まずは未経験者向けの求人に応募し、ステップアップしていくのが一般的です。
未経験採用であれば基本的には誰でも応募は可能であり、やる気、適性、人間性などに問題なければ採用につなげられることが多いです。
また、最初はアルバイト、パート、契約社員などで採用され、仕事が肌にあうようであれば「正社員登用制度」を利用して正社員を目指すという方法がとれる会社もあります。
大手の総合職で働くには
未経験から大手物流企業の「総合職」で働くには、専門学校や大学を卒業後、「新卒採用」で入社するのが一般的です。
学校卒業後も数年年程度であれば、新卒や第2新卒として採用に応募が可能な場合もありあります。
また、既卒の未経験者を総合職として採用する会社もありますが、その場合「社会人経験〇年以上」といった条件がかかげられていることが多く、就業経験が必要になることがあります。
物流企業への転職に必要な資格・有利な資格
必須な資格
物流業界における大半の職種では、転職する上で必ず必要になる資格・免許というのはありません。
ただし、例外としてドライバーや運航系の仕事では免許が必須となることがあります。
たとえば配送ドライバー職では「普通自動車免許」、海運の航海士や航海士などでは「海技士」の資格が採用条件として設定されていることがあります。
資格のメリット
資格を所持していると意欲や頑張りの表れとなり、未経験者の場合は面接でプラス評価となることがあります。
また、所持していると資格手当などが支給され給料がアップするものもあります。
たとえば、倉庫スタッフであれば「フォークリフト免許」、国際物流の現場で働くスタッフであれば「通関士」などを所持していると、給料や時給が底上げされることがあります。
資格勉強をつうじて物流業界の知識も深められるため、未経験者でも業務にスムーズに入りやすくなるというメリットもあります。
おすすめの資格
物流業界へ転職する上での、おすすめの資格や有利になる資格をピックアップします。
<総合職向け>
・ロジスティクス管理 2・3級:公的資格
・物流技術管理士:民間資格
・ロジスティクス経営士:民間資格
・情報技術者試験;国家資格
参考:公益社団法人日本ロジスティックスシステム協会 資格認定講座
参考:情報処理推進機構 情報技術者試験
<倉庫業務向け>
・フォークリフト免許:国家資格
・危険物取扱者:国家資格
・倉庫管理主任者:民間資格
参考:KOMATSU フォークリフト運転技能講習
参考:一般財団法人消防試験研究センター 危険物取扱者について
参考:一般社団法人日本倉庫協会 倉庫管理主任者講習会
<ドライバー向け>
・普通自動車免許:国家資格
・中型免許:国家資格
・大型免許:国家資格
・大型特殊免許:国家資格
・牽引免許:国家資格
<国際物流向け(海運会社や航空会社など)>
・TOIEC:民間資格
・海技士:国家資格
・通関士:国家資格
20代で正社員への就職・転職
物流企業社員への転職に役立つ職務経験は?
次のような職務経験は、物流企業の社員としてはたらく上でも役立ちます。
<役立つ職務経験>
・大きな組織や大勢の従業員の中で働いた経験
・マネジメントやリーダーの経験
・接客や営業経験など(セールスドライバー職で働く場合)
・コスト管理や人員管理など、多くの要素をロジカルに処理した経験(総合職で働く場合)
・海外相手にビジネスをした経験、語学力(国際物流企業に勤務する場合)
物流現場では倉庫スタッフやドライバーなどさまざまな職種の人々が働いており、それぞれの仕事がつながって物流というものが成り立っています。
そのため、大勢の組織の中で働いたことがあり、集団の中で自分がどのような役割をこなすか理解できている、周囲と連携が取れるタイプの人が向いています。
また、経験を重ねると現場のスタッフたちをまとめるポジションに立つことも多いため、マネジメントやリーダーの経験があると将来的に強みとなります。
物流企業に転職可能な年齢は何歳くらいまで?
年齢はさほど問われない
物流業界は全体的に人手不足が進んでおり、年配者やシニア人材まで積極的に採用しようとする会社さえあります。
そのため、転職するにあたり年齢はさほど問われないことが多いです。
とくにドライバー職などは高齢化が進んでおり、中にはドライバーの大半が50代以上という会社もあるため、年配になってから転職しても職場で浮くことは少ないです。
ただし、未経験から総合職などのオフィス系職種、もしくは将来の管理職候補などとして採用される場合は、20代~30代でないと転職が難しくなることもあります。
「学校卒業後〇年以内」、「第2新卒まで」「30歳以下」などの年齢的な制限を設けている会社もあります。
体力面は壁となる
倉庫スタッフやドライバー職のような現場系の仕事は、年齢制限はゆるく、40代50代になってからも転職するチャンスはあります。
ただしそのような仕事は肉体労働が中心となり、毎日何時間も手足を動かして働かなければならなかったり、シフト勤務で不規則な生活となることもあります。
採用はされても体力的に続かない恐れもでてくるため、年配者が転職する上では、業務に耐えられるだけの身体づくりや体調管理も重要となります。