資格取得のために3年以上専門課程を受講
鍼灸師として治療院などで仕事をするためには、「はり師」や「きゅう師」の国家試験を受験し、国家資格を得る必要があります。
しかし、この国家試験は誰もが受験できるわけではなく、まずは定めれらた学校に通って国家試験の受験資格を得る必要があります。
受験資格は、養成施設(鍼灸大学あるいは専門学校)で3年以上、鍼灸に関する専門課程を修了することで得られます。
鍼灸大学は4年制、専門学校の養成機関は3年制となっており、日本全国に約80~90の学校が存在します(新設校・廃校があるため、年によって変動します)
「はり師」と「きゅう師」はそもそも別の国家資格ですが、養成学校では同時に両方の勉強ができるところがほとんどであり、多くの学生がキャリアの可能性を広げるため、2つの国家資格取得合格を目指して学んでいます。
専門学校で学ぶこと
養成学校の鍼灸に関するカリキュラムでは、基礎はり学・きゅう学、臨床はり学・きゅう学などの専門分野を学びます。
また、人体の構造と機能や、疾病の成り立ち、疾病の予防及び回復の促進についてなど、健康・疾病についての基本的な内容も学びます。
鍼灸師に必要な専門技術や知識だけではなく、患者さんとのコミュニケーション能力を高めていくための授業も用意されています。
さらに、骨模型を使って、鍼灸の治療に欠かせない神経系・感覚器系・筋系の知識を学んだり、現場で実際に鍼灸の実習なども行います。
鍼灸大学で学ぶこと
鍼灸大学に通う場合、専門学校よりも1年間在学期間が長いため、一般的に学費はより多くかかりますが、大学卒業の学歴が得られることや、見聞を広げながら、比較的余裕を持って学べるといったメリットがあります。
カリキュラムは、専門学校と同様に、基礎はり学・きゅう学をはじめ、鍼灸師として必要な専門知識や技術を身につけられるものとなっています。
なお、ひとくちに鍼灸大学といっても、鍼灸学部・鍼灸学科のみで成る単科大学もあれば、複数の学部や学科で成り立つ総合大学で鍼灸教育を受けられるところもあります。
鍼灸大学は専門学校ほど数が多くありませんが、学校のカリキュラムなどを比較しながら、自分に合った学校を選びましょう。
「あん摩マッサージ指圧師」の資格取得ができる学校も
先に挙げたように、「はり師」と「きゅう師」は別々の国家資格です。
しかし、はり理論、きゅう理論以外の共通科目は、事前に申告しておけば同じ試験を2回受けることが免除されるため、「はり師」と「きゅう師」の国家試験を同時に受験する人がほとんどです。
また、あんま・マッサージ・指圧を行う「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格も併せて持っておくと施術の幅が広がります。
こちらの国家資格も取得すると、就職先の選択肢が増えたり、開業する際にも有利であるといわれています。
こういったことから、「はり師」や「きゅう師」の資格とともに、「あん摩マッサージ指圧師」の資格も取れる養成学校の人気が高まっているようです。