鍼灸師になるには

鍼灸師になるまでの道のり

鍼灸師になるためには、「はり師」「きゅう師」の両方の国家資格を取得し、鍼灸師として治療院等に就職します。

鍼灸治療院は、個人で開業しているところが多いため、鍼灸師を募集しているところはわずかなため、鍼灸師として就職することは簡単ではありません。

あん摩マッサージ指圧師柔道整復師など、そのほかの関連資格も取得していれば、より就職の幅は広がります。

鍼灸院以外の就職先としては、病院・診療所・介護施設・在宅医療などの、地域医療における就業が挙げられます。

この地域医療では、地域の保健医療福祉であるプライマリ・ケアとして、もしくは、リハビリテーションやキュアとしての鍼灸が基本となります。

また、介護予防や週末期医療・統合医療・スポーツ分野・美容・リラクゼーション分野・労働衛生分野・小児や児童・学校保健分野においても活躍が可能です。

鍼灸師の資格・難易度

鍼灸師という資格はなく、「はり師」「きゅう師」の両方の資格を持っている人を鍼灸師と呼びます。

はり師・きゅう師はそれぞれ別の国家資格のため、2つの試験を受けることが必要です。

同時に受験する場合、共通する科目については免除の規定があります。

いずれにしても、国家資格を受ける前に受験資格を得なくてはなりません。

受験資格とは、厚生労働省と文部科学省によって定められた専門学校や大学を卒業することで、修業年限は3年以上となっています。

はり師・きゅう師の資格を取得できる学校で3年以上学び、そこで初めて鍼灸師の試験を受ける資格が得られるのです。

鍼灸師の試験の難易度、合格率

鍼灸師になるための学校の種類

鍼灸師専門学校や大学

鍼灸師になるための学校には、鍼灸師専門学校や大学などがあります。

学科内容としては、人体の解剖学を始めとして、生理学や衛生学・公衆衛生学・病理学などの現代医学の知識取得がメインとなっています。

また、専門分野の東洋医学概論、診断学、治療学、治療実習なども学んでいきます。

これらの科目を履修することにより、国家試験にトライすることができるのです。

なお、あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師(はり師、きゅう師)の受験資格を同時に取れる学校もあります。

数が少ないため、人気は高いですが、効率的に受験資格を得ることができます。

鍼灸師になるために勉強すること

人体のツボ

人間の身体には、全身で400個弱の「経絡経穴」、いわゆる「ツボ」があるといわれています。

それらのツボの名前や場所、効果、また周辺の筋肉や神経などについては、すべて暗記をして確実に覚えなくてはなりません。

暗記はとても大変なことですが、これを覚えていないと鍼灸師としての業務に差しさわりがあるのはもちろん、国家試験にパスするのも難しいため、しっかりと時間をかけて取り組むことが大切です。

鍼・灸の理論と実技について

東洋医学の基礎である「東洋医学概論」のほか、「はり理論」「きゅう理論」も鍼灸師にとってベースとなる知識です。

養成施設では、鍼灸治療による人体への効果や変化について理論として学んだうえで、実技の時間も多くとられています。

また、養成施設のなかには同時に「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格取得も目指せるところがあり、そのような学校ではマッサージ指圧実技の授業もあります。

技術はとくに、一朝一夕で身につくものではなくやればやるほど上達していくといわれるため、鍼灸師として現場に出てからも勉強会や研修などを通して日々勉強を続けることが大切です。

あん摩マッサージ指圧師の仕事

西洋医学の基礎

鍼灸は東洋医学の考え方による療法ですが、鍼灸師を目指すのであれば西洋学の基礎である「解剖学」や「生理学」も学ぶ必要があります。

これらの勉強は、人体の構造や生命維持のしくみについて知ることであり、鍼灸治療においても不可欠の知識となります。

「はり師」「きゅう師」の国家試験においても、半分以上は西洋医学系の科目となっているため、鍼灸師にとっては重要な要素です。

鍼灸師になるための学校と費用(大学・専門学校)

鍼灸師に向いている人

医療人としての資質

鍼灸師になるには、日々学習する意志があるかどうかと、医療に関わる医療人としての資質を兼ね備えているかどうかにかかってきます。

医療人としての資質とは、鍼灸術を施す患者さんを思いやる姿勢や、コミュニケーション能力、自分自身を客観的に振り返る姿勢や習慣などが挙げられます。

現代医学の知識も必要

鍼灸師として活躍するには、その鍼灸技術のもとである東洋医学についての知識だけではなく、現代医学の知識も必要です。

鍼灸師は単独で鍼灸技術を行うこともありますが、疾病の種類やその重傷度などによっては、医師と連携して治療をするといった場合もあるからです。

鍼灸師は東洋医学のスペシャリストではありますが、医療に携わる一人として現代医学の知識も欠かせないのです。

鍼灸師に向いている人・適性・必要なスキル

鍼灸師のキャリアプラン・キャリアパス

鍼灸治療への期待の高まり

近年、病気の予防に有効であるとして、鍼灸への注目が集まってきています。

海外でも研究が進んできており、予防医学の一つの手段として積極的に使われるようになってきました。

日本においても、医療費の増大や高齢化社会の進展という状態において、鍼灸への期待が高まってきています。

また、予防医学以外にもアレルギーに対する治療やがんの緩和としての鍼灸治療にも注目が集まっています。

鍼灸師を目指せる年齢は?

鍼灸師を目指す人の年齢層は幅広く、実際に専門学校には幅広い年齢の人がいます。

30代や40代、さらには50代で入学する学生も少なくなく、社会人になってから鍼灸師を目指す人も珍しくありません。

鍼灸師は年齢に関係なく働けるため、他の職種から転職する人も多く、手に職をつけたいなどの理由で多くの人が鍼灸師として就職・転職することを目指しています。

鍼灸師に関するデータ

はり師・きゅう師就業者数

はり師・きゅう師の資格を持つ人の数は増え続けています。両方の資格を同時に持つ人がほとんどですが、平成26年時点で、はり師は108,537人、きゅう師は106,642人の人が働いています。
はり師数の推移_26

きゅう師数の推移_26

はり及びきゅうを行う施設所数

はり及びきゅうを行う施設所、あん摩、マッサージ及び指圧、はり並びにきゅうを行う施術所ともに年々増加をしています。

あん摩、マッサージ、指圧のみを行う施設所数は減少しており、はり・きゅうのニーズが高まっていることが伺えます。

はり及びきゅうを行う施術所の推移_26