社会福祉士に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
社会福祉士に向いている性格・適性
相手の立場で物事を考えられる人
社会福祉士が相談に応じる相手は、病気やけが、老化などで介護が必要になった人や、心身に障がいを抱える人、生活困窮者、虐待を受けている子ども、DVの被害者などです。
そうした人たちは、境遇こそ個々に異なるものの、誰もがつらく厳しい状況に置かれ、福祉の手助けを切実に必要としています。
社会福祉士にとって最も大切なことは、そのような相談者一人ひとりに共感し、同じ目線で物事を考えることです。
たとえ表面上は丁寧に対応しても、心の中にほんの少しでも相手を見下す気持ちがあれば、相談者と良好な関係を築くことは決してできないでしょう。
また「自分ならこうする」という手前勝手な考え方を押し付けても、相談者にとって真に有効なアドバイスとはなりません。
社会福祉士には、どんなときでも相手の立場で物事を考えられる、思いやりのある優しい人が向いています。
話を聞ける人
社会福祉士のおもな仕事は相談対応であり、相手の話を聞くことは基本中の基本です。
しかし、本当の意味で相手の話を聞くことは、決して簡単なことではありません。
相談者がどのようなことを社会福祉士に求めているのか、きちんと正確に汲み取るためには、ただ話を聞くだけでなく、口調や仕草、表情などにも気を配り、注意深く相手の考えを洞察することが必要です。
そのような「傾聴」の姿勢を長時間保つには、相応の努力や訓練、あるいは資質が必要になります。
とくに意識していなくても、日常生活のなかで人から悩みや相談ごとを持ちかけられやすく、アドバイスするのが得意な人は、生まれ持って社会福祉士の適性があるかもしれません。
チームプレーが得意な人
社会福祉士の業務は、相談者との一対一の関係だけで完結するものではありません。
社会福祉士は相談者のニーズを聴取し、最もふさわしい福祉サービスを紹介することが仕事であり、相談者と各福祉サービスとを結びつける役割を担っています。
このため、自身が所属する以外の、さまざまな福祉サービスを提供している施設と密に連絡を取り合い、連携しながら働くことが必要です。
個人プレーに走るのではなく、周りと協力しながら物事を進めることのできるチームプレーが得意な人は、社会福祉士に向いているでしょう。
社会福祉士に必要なスキル・能力
コミュニケーションスキル
社会福祉士は、老人から子どもまで、さまざまな人を相手に、難しい相談に乗らなければなりません。
年齢も事情も異なる相手に心を開いてもらって、必要な情報を聞き出したり、複雑な福祉制度などをわかりやすく伝えたりするには、非常に高度なコミュニケーションスキルが求められます。
コミュニケーションスキルは一朝一夕で向上するものではないため、日ごろからの意識的な鍛錬が必要になるでしょう。
忍耐力
相談者のなかには、つらい状況にあるがゆえに、泣いたり怒ったりと過度に感情的になってしまう人や、言っていることが支離滅裂になってしまう人もいます。
また、こちらの話に耳を貸さず、一方的に自分の言いたいことだけを喋り続ける人もいますし、反対に、何をたずねてもろくに応えてくれない人もいます。
社会福祉士は、どんなときでも相談者の心情に配慮し、広い心をもって粘り強く接することが求められるため、相応の忍耐力も必要になるでしょう。
社会福祉士に向いていないのはどんな人?
完璧主義すぎる人
社会福祉士のもとを訪れる相談者は、ニーズや事情も違えば、性格も考え方もさまざまです。
相談者のためになると確信して紹介した福祉サービスであっても、必ずしもよい結果を生むとは限りません。
相談対応ひとつ取ってみても、場を和ませるために言ったことが悪く捉えられたり、相手のためを思って言ったことが、逆に相手の反感を買うこともあります。
人と人とのコミュニケーションに絶対の正解がない以上、社会福祉士の仕事も、どれだけ経験を積んだとしても、失敗することはあり得ます。
このため、社会福祉士は過度にミスを嫌う性格の人には不向きの職業であり、そうした完璧主義な人は、一般企業の会社員や公務員として、経理や財務、事務などを手掛けるほうが向いているでしょう。
軽薄な印象の人
社会福祉士の手助けを必要とする人の多くは、自分一人では手に余る深刻な悩みを抱えています。
ときには、個々の問題を解決するために、社会福祉士は各相談者のプライベートにまで深く立ち入ることもあります。
言葉遣いや表情、仕草、身だしなみなど、総合的な誠実さが感じられる人でないと、そうした内面に踏み込むことを許されるほど、相談者からの信用を得ることは困難です。
このため、たとえ悪気はなくとも、どことなく軽薄な印象を与える人や、職務上知った秘密を漏らしてしまうなど態度や口が軽い人は、社会福祉士に向いているとはいえません。