社会福祉士になるまで(体験談)

短大進学〜卒業

社会福祉士といっても、資格を取るまでにはさまざまな苦労があります。私の場合は、普通科の学校を卒業後、深い理由はなく興味本位で福祉系の短大に進学しました。

将来の目標も漠然としていて、福祉系なら今後需要はあるかな…程度の軽い考えで福祉系の短大に入学しました。

もちろん、考えていた短大生活とは違い、ほとんど毎日講義です。大学は三年生の後期から就職活動が始まりますが、短大では一年生の後期から始まっていました。

そんな中で、一年生のころから現場での実習が始まり、老人福祉施設や知的障害者福祉施設などへ実習に行き、社会福祉士としての自分の姿が少しずつ見えてきました。

初めは、国家試験のために何をしていいかも分からず、ただ単に短大の2年間を必死に過ごしました。講義の中にも過去の問題集を使って試験対策をしたり、ボランティアに行って現場の雰囲気を感じたりの日々でした。

そして短大を無事に卒業し、現場での実務経験のスタートです。実習先でも経験があったため、私は知的障害者関係の施設へと就職しました。

知的障害者施設での仕事

知的障害者関係の施設では、生活指導員という立場でしたが、実際には現場での仕事が多く、ほとんどが利用者の方と関わる仕事でした。

中には、あまり話をしてくれない利用者の方もいて、挨拶をしても返事がなかったりで、何回同じことを言っても理解してくれず、正直しんどい思いを経験したこともあります。

利用者の方は高齢者とは違い、独特の世界観、こだわりなども強く、支援をしていくのも大変でした。

しかし、こうした生活の中にも、小さな楽しみがいくつかありました。それは、レクリエーションの時間です。

創作ダンスや合唱、演奏やスポーツレクリエーションなど、さまざまな遊びやレクリエーションを取り入れ、体を動かすことによって、利用者の方々と同じ時間を共有し、利用者の方の本当の姿や気持ちを次第に理解していきました。

また、レクリエーションの企画・運営に少しずつ携わり、身体的な機能を生かしたレクリエーションや芸術などに触れる機会を作り、陶芸教室などを開いたり常に工夫してきました。

現場の経験を積みながら、利用者の方との間に少しずつ信頼関係が生まれてきました。

相手の立場を理解して、何かを提案・提供していくことが、これほど大切で重要なことだと気づかされました。

社会福祉士の資格取得

新人として就職してから3年目についに社会福祉士の国家試験受験資格が与えられました。

ですが、正直毎日、現場で仕事をして、国家試験に向けての勉強なんてしている余裕はまったくなかったです。

それでも、働き始めて2年目ぐらいから少しずつ勉強はしていましたが、短大時代に比べると、頭になかなか入ってこずに苦労しました。焦りもあったためか、初めての試験は落ちてしまいました。

しかし、試験を受けたというチャレンジにより、私の中で何かが少しずつ変わってきました。そしてあきらめずに勉強を続け、何とか二回目の試験で合格することができました。

最近では、法律の改正などで、若干制度に変更があったり、覚える内容も難しいものばかりですが、やりがいのある仕事に変わりはありません。

もちろん、苦労する日々もありますが、苦労した分、自分に結果として返ってくることもあると学びました。

失敗しても最後まで、諦めずに何度でもチャレンジすることが重要だと思っています。