社会福祉士とケアマネジャーの違い

社会福祉士ケアマネジャーの仕事内容の違い

社会福祉士は、高齢者や心身に障がいを抱える人、生活困窮者、家庭環境に問題がある子どもなど、なんらかの理由で日常生活を送ることが困難な人からの相談に応じ、生活をサポートする仕事です。

福祉、行政、医療などに関する幅広い専門知識をもち、関係機関と連携しながら、福祉を必要とする人々と最適な福祉サービスを結びつける役割を担っています。

一方、ケアマネジャーは、高齢や障がいなどで介護を必要とする人に対して、個々の要介護度などの状態を見極め、どのような介護サービスを提供するかをとりまとめた「ケアプラン」を作成する仕事です。

ただし、ケアマネジャーの仕事はケアプランの作成だけでなく、要介護者からの相談に応じることもありますし、関係各所と連絡を取り合い、社会福祉士のように調整役としての役割を担うこともあります。

双方の業務には重複している部分もあり、しばしば混同されがちですが、社会福祉士はありとあらゆる人を支援する一方、ケアマネジャーは要介護者の支援に特化しているという点が、両者の大きな違いです。

ケアマネージャーの仕事

社会福祉士とケアマネジャーのなる方法・資格の違い

社会福祉士・ケアマネジャーとも、働くためには資格の取得が必要ですが、双方の資格にはさまざまな違いがあります。

社会福祉士は厚生労働省が主管する国家資格であり、4年制福祉大学に通う、指定の養成施設に通うなどして受験資格を得たうえで、国家試験に合格することで資格を取得できます。

一方、ケアマネジャーは、正式名称を「介護支援専門員」といい、国家資格ではなく、都道府県が主管する公的資格です。

福祉施設や介護施設、医療施設などで、相談援助業務などを通算5年以上経験することで受験資格が得られ、都道府県ごとに実施される「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格すると、資格を取得できます。

ケアマネジャー試験は都道府県ごとに申込手続きが異なりますし、また受験資格も近年頻繁に変更されていますので、各自治体の最新情報を逐次確認しておくことが望ましいでしょう。

また、社会福祉士資格は一生有効ですが、ケアマネジャー資格は、5年ごとの更新手続きが必要です。

社会福祉士とケアマネジャーの資格の難易度の違い

社会福祉士国家試験の合格率は、近年25%~30%前後というかなり低い水準で推移しています。

福祉はもちろん、行政、医学、心理学などに関する幅広い専門知識が求められる難関試験であり、1年ほどかけて入念な受験対策を行うことが必要です。

これに対し、ケアマネジャー試験は、都道府県によって若干の差があるものの、社会福祉士国家試験をさらに下回る15%~20%前後で推移しています。

しかも、ケアマネジャーの質の向上を目的として、試験問題が年々難化する傾向にあり、直近の合格率はひとケタ台に近づきつつあります。

このため、両者を比較すると、どちらも難関といえるレベルであるものの、ケアマネジャー試験のほうがより合格するのが難しいといえます。

ただし、それはあくまで試験単体を比べた場合であって、社会福祉士のほうが、ケアマネジャーよりも受験資格を得る方法が厳しいため、資格の取得難易度については比較できない面もあります。

社会福祉士とケアマネジャーの学校・学費の違い

社会福祉士国家試験の受験資格を得る方法は複数ありますが、どのルートを辿るとしても、大学や短大、養成施設といったいずれかの学校に通うことは必須条件です。

最もオーソドックスといえる4年制の福祉大学に進学する場合、必要となる学費は4年総額で400万円ほどが相場とされています。

ただ、なかには夜間コースや通信コースのある学校もありますので、そうしたコースを選択することで、より経済的負担を抑えることも可能です。

これに対し、ケアマネジャー試験の受験資格は、実務経験を積むことだけですので、大学などに進学する必要はなく、学歴は関係ありません。

試験はかなりの難関ですが、独学で突破することも決して不可能ではありませんので、資格取得にかかる学費負担をほとんどゼロに抑えることもできるでしょう。

学費という観点から比較した場合、社会福祉士のほうが、ケアマネジャーよりもかなり負担が大きいといえます。

社会福祉士とケアマネジャーの給料・待遇の違い

社会福祉士には、介護、福祉、医療など、複数の分野にまたがったさまざまな職場がありますので、給料は個人差がありますが、おおむね年収380万円~550万円が相場とされています。

なかでも、公務員として働ける公共の施設は、キャリアに基づいて徐々に昇給していくうえ、福利厚生などの待遇面も充実しているところが目立ち、安定して働きやすいでしょう。

一方、ケアマネジャーの職場は、社会福祉士とは違って介護分野に限定されており、介護施設は業界全体で給与水準が決して高いとはいえません。

このため、ケアマネジャーの年収は330万円~420万円が相場とされており、社会福祉士よりかなり低くなっています。

なお、ケアマネジャーには、入所者をケアする「施設型」と、通所者をケアする「居宅型」の2種類の働き方がありますが、施設型ケアマネジャーのほうが、夜勤が発生するぶん、高収入を得やすいようです。

社会福祉士とケアマネジャーはどっちがおすすめ?

社会福祉士とケアマネジャーの最も大きな差は、その業務範囲です。

高齢者や障がい者に対する介護業務を手掛けたいという熱意が強く、目的意識が明確である場合は、ケアマネジャーのほうが向いています。

介護以外にも、生活困窮者の救済や障がい者の就労支援、児童虐待防止など、さまざまな福祉サービスに興味があるという場合は、社会福祉士のほうがおすすめです。

ただし、社会福祉士になりたいが、家庭の事情や経済的な事情などで、学校に通うことがどうしても難しいという人もいるかもしれません。

その場合は、少し遠回りになりますが、介護施設などに就職して実務経験を積み、ケアマネジャーの資格を取って、相談援助業務を行いながら、社会福祉士の資格を目指すという道をおすすめします。

相談援助業務の実務経験が4年以上あれば、養成施設に1年以上通うだけで社会福祉士試験の受験資格が得られますので、負担を最小限に抑えて資格を取得することが可能です。

双方の業務には重複している部分も多々ありますので、ケアマネジャーとして働いた経験が、社会福祉士としての仕事に役立つケースも頻繁にあるでしょう。