社会福祉士として大変なこと(体験談)

相手が心を開いてくれない

仕事をしていれば、大変なことがあって当たり前だとは思います。しかし時には想像もしないような困難なことが待ち受けていたりします。

社会福祉士の仕事は、日常的に生活を送ることに何らかの支障がある方々に対して、助言や指導、相談を行う仕事ですが、人相手の仕事ですので、非常に気を使う場面も出てきます。

相手の心を理解したと思ってサポートの提案をしても、心が開いていなかったのか、まったく相手にされないケースもありました。つまりは、相手のニーズとまったく異なることをしていたのです。

相手の方は「どうして理解してくれないの?」という感じで黙って下を向いてしまいました。相手の表情を見て、私も困惑してしまったこともあります。

こうなってしまうと、信頼関係を築くことが難しくなってしまいます。相手の心が閉じてしまった以上、どんなに私のほうから提案をしても、受け入れてくれません。相談業務での一番の失敗でした。

まずは、相手の気持ちを理解し、相手の心をオープンにすることが大切です。

日常の業務に追われ、ある程度仕事ができるようになると基本的なことを忘れてしまいがちですが、慣れてきたからこそ、初心に戻ることが大切なんだなと思い知らされました。

相談の練習を重ねる

ここからは、一度失敗してしまった人間関係をどう構築していくか必死です。相手の目を見て話をして、とにかく相談員として聞くことに徹しました。

何を提案できるかもわからず、不安な気持ちでいっぱいでしたが、相手には悟られないようにしていたこともあります。

とにかく、その人のことを必死で理解しようとしました。もちろん私の未熟さが伝わってしまっているので、もう恥じることもありませんでした。とにかく必死で挽回です。

どうすれば、今回の相談がうまくいくのか自分なりにシュミレーションしてみたり、職場の先輩や上司にもアドバイスをいただきながらロールプレイングをしたり、イメージを膨らませたりしました。

お互いに理解し合えるように

そして、相談業務の一回一回を丁寧にこなしました。相手がどんなことを求めているのか、どうして欲しいのか詳しく話を聞いてみたり、今まで、どのような日常生活を送ってきたのか聞くこともありました。

聞くだけでなく、「○○さんは△△が好きなんですね。」とか、「最近の趣味についてはどうですか?」など、その人の趣味の話を聞いて詳しく教えてもらったり、相手の方の個性を引き出すコツをつかんだ気がしました。

その甲斐あってか、少しずつ相手の方との距離感も近づいていきました。

私の顔をみて、「毎日大変でしょ?」「家族はいるの?」などと、少しずつ相談業務の中にもプライベートな会話を含むようになり、私に興味を持ってくれ、話を聞いてくれるようになりました。

次第にお互いに理解し合えるようになり、信頼関係を築くことができました。

その時は、今まで負けないでここまでやってこれて本当によかったと実感しました。

大変だけれど、やっぱりとてもやりがいのある仕事なんだと思った経験です。