社会福祉士と介護福祉士の違い

社会福祉士介護福祉士の仕事内容の違い

社会福祉士と介護福祉士は、ともに福祉系国家資格の代表格であり、困っている人を助けることを目的とした職業ですが、その業務内容は大きく異なっています。

社会福祉士は、高齢者や障がい者、生活困窮者、虐待を受けている子どもなど、なんらかの理由で福祉の手助けを必要としているさまざまな人に対して、助言や指導、援助などを行う仕事です。

一方、介護福祉士は、高齢者や障がい者といった自力で日常生活を送ることが困難な人に対して、食事、入浴、排せつなどの介助業務を行ったり、料理や掃除、洗濯などの家事の援助を行う仕事です。

双方を比較すると、社会福祉士の役割は「相談対応」であり、幅広い人を支援対象とするのに対し、介護福祉士の役割は「介護」であり、支援対象は介護を必要とする人に限定されるという点に違いがあります。

介護福祉士の仕事

社会福祉士と介護福祉士のなる方法・資格の違い

社会福祉士・介護福祉士ともに、働くためには国家試験に合格してそれぞれの資格を取得することが必要です。

ただし、どちらの試験も誰でも受けられるわけではなく、まずは受験資格を得なければなりませんが、双方とも、受験資格を満たすルートは複数あります。

社会福祉士については、福祉系4年制大学に通って指定科目を修めて卒業する、一般の4年制大学を卒業したあと養成施設で1年以上学ぶといったルートが代表的であり、いずれかの学校で学ぶことが必須です。

介護福祉士については、福祉系高校を卒業する、一般の高校卒業後養成施設で2年以上学ぶといったルートもありますが、実務経験を積むだけで受験資格を得るルートもあり、学校で学ぶことは必須ではありません。

受験資格を得るハードルが低く、社会福祉士より介護福祉士のほうが目指しやすいこともあって、社会福祉士の資格保有者が約23万人である一方、介護福祉士は約160万人もおり、人数には8倍近い開きがあります。

社会福祉士と介護福祉士の資格の難易度の違い

社会福祉士国家試験の合格率は、近年25%~30%前後で推移しており、受験者がいずれかの学校で専門的に学んだ人に限定されていることを勘案すると、難易度はかなり高めといえます。

試験で出題される科目数も多く、福祉行政や医学、心理学に関する知識を幅広く身につけなければなりませんので、一般的に合格するためには約1年ほどの準備期間が必要とされています。

一方、介護福祉士試験の合格率は、これまでも60%前後とかなり高い合格率で推移していましたが、近年ではさらに上昇し、70%を超える年が続いています。

出題される問題も、介護技術やコミュニケーション、老化に関するものなど、社会福祉士と比べるとより基礎的な内容となりますので、およそ3ヵ月~4ヵ月ほど勉強すれば合格できるレベルです。

両者の資格取得難易度を比較した場合、社会福祉士のほうが介護福祉士より難しいのは間違いありません。

社会福祉士と介護福祉士の学校・学費の違い

社会福祉士になるためには、大学や養成施設など、いずれかの学校に必ず通わなくてはならず、最もオーソドックスといえる福祉系4年制大学の場合、学費は総額400万円ほどかかります。

福祉系の短大であれば、4年制大学より学費は安くなりますが、現場での相談援助実務を経験しなければ、国家試験の受験資格を得られない点がネックです。

一方、介護福祉士を目指す場合、社会福祉士と違って大学に通う必要はなく、福祉系の高校を卒業するか、養成施設で2年以上学ぶことで受験資格が得られますので、学費はかなり安く抑えることが可能です。

さらに、学歴に関係なく、実務経験を3年以上積めば、研修を受けるだけで受験資格が得られますので、まったくの独学で介護福祉士になることも可能であり、その場合にかかる学費は実質的にゼロです。

経済的負担という観点から比べると、社会福祉士のほうが、介護福祉士よりかなり費用がかかりやすいといえます。

社会福祉士と介護福祉士の給料・待遇の違い

社会福祉士の勤務先は幅広いため、一概にはいえませんが、年収は380万円~550万円が相場とされています。

世間的に高給とまではいえないものの、福祉職のなかではかなり恵まれた水準にあり、また自身のスキル次第で昇給していくことも十分に期待できます。

また、社会福祉士には公務員として働ける職場も多く、雇用が安定しているうえ、休日や福利厚生などの待遇面も充実しているケースが目立ちます。

これに対し、介護福祉士の給料は年収250万円~400万円ほどが相場とされており、社会福祉士と比べるとかなり低く、また一般的な職業と比べても見劣りする水準です。

日によって早番や遅番をこなす変則的な勤務体系であり、また夜勤もかなりの頻度で発生しますので、仕事はかなりハードですが、それに見合った給料とはいえず、待遇の悪さを理由に離職する人も少なくありません。

介護福祉士として安定的に働きたいなら、公務員に準じた待遇で働ける社会福祉法人の運営する施設に就職したり、ケアマネジャーなどの上位資格取得を目指すといったことが必要になるでしょう。

社会福祉士と介護福祉士はどっちがおすすめ?

社会福祉士と介護福祉士は、どちらも福祉職であるものの、困っている人に対する支援の方法が違いますので、求められるスキルや適性も大きく異なります。

社会福祉士に必要なのは、ありとあらゆる相談に応じるための、福祉制度や行政、法律、医学などに関する幅広い専門知識です。

一方、介護福祉士に必要なのは、介助や生活面のサポートを行うための、実務的な介護スキルや家事スキル、そして体力や筋力です。

そのため、勉強が得意で、探求心や知的好奇心のある人は社会福祉士がおすすめであり、反対に、勉強するよりも体が動かすほうが得意で、心身の丈夫さや健康面に自信のある人は介護福祉士がおすすめです。

ただし、高齢者福祉施設などでは、社会福祉士が介護を手伝うこともありますし、介護福祉士が生活上の相談に応じることもあり、両者の業務はそこまで明確に線引きがなされているわけではありません。

どちらかの職に就いて働きながら、もう一方の資格取得を目指すことも十分に可能ですので、進路に迷っているなら、あまり深く悩まず、とりあえず興味のあるほうを選んでみてもよいでしょう。