社会福祉士のつらいこと・大変なこと・苦労

社会福祉士のつらいこと・大変なこと

精神的な負荷が大きい

社会福祉士の支援を必要とする人々が抱える問題は、どれも非常に深刻で、一朝一夕では解決しないものばかりです。

介護や認知症といった高齢者にまつわる問題をはじめ、身体障がいや精神障がいによる生活苦や就労難、貧困、虐待、DVなど、渦中にある当事者の悩みや苦しみは計り知れません。

近年は、介護が必要なのに介護してくれる人が誰もいない「介護難民」や、それに続く「孤独死」、あるいは育児放棄によって我が子を死に至らしめてしまった痛ましい事件などが、日々盛んに報道されています。

社会福祉士は、そうした世間に蔓延する多様な問題と真正面から向き合い、当事者とともに解決を目指していく仕事であり、大きな社会的意義がある一方、業務から受けるストレスは非常に大きいといえます。

いかに仕事とはいえ、日常的にそうしたつらい状況を目の当たりにし続けると、ときには支援する側である社会福祉士のほうまで、心を病んでしまうこともあります。

社会福祉士は、熱心に仕事に取り組みつつも、どこかで相談者と一線を引くバランス感覚が、端的にいえば「割り切ること」が、あるいは必要なのかもしれません。

「傾聴」の姿勢を保たなければならない

上述したような問題を抱える相談者のなかには、非常に厳しい状況に置かれていることで、自分を見失い、混乱してしまっているケースも見受けられます。

取り乱して、話していることが支離滅裂になっている人や、感情的に不安定で、泣きわめいたり、怒鳴り散らす人、あるいは自分勝手な論理を振りかざす人も少なくありません。

また、実の子を虐待している保護者など、そもそも倫理的に容易に受け入れることのできない相談者もいます。

しかし、社会福祉士には「受容の原則」という考え方があり、たとえ相手がどんな状態で、またどんなことを訴えようとも、相手の話に熱心に、そして親身に耳を傾ける、「傾聴」する姿勢が求められます。

事実関係や主義主張を正確に把握し、相手にとって最適な解決策を提示するために、寛容な態度と辛抱強さを保ち続けなければならない点は、社会福祉士ならではの大変さといえるでしょう。

社会福祉士の悩み

福祉は決して万能ではなく、どんな問題でも解決できるというわけではありませんし、すべての人を救えるわけでもありません。

税金をその財源としている以上、予算的な限界がありますし、また各自治体によって受けられる福祉サービスにも差があるのが実情です。

たとえば住んでいる地域が同じであっても、住民票登録地の違いによって、ある介護保険サービスを利用できる人とできない人に分かれるといった事態が生じることもあります。

このため、相談者の状況や要望によっては、社会福祉士がどれだけ頭をひねり、時間をかけてありとあらゆる手を尽くしても、有効な解決策が見いだせないこともあります。

「困っている人を助けたい!」という思いが強く、仕事熱心な人ほど、そうした制度上・法律上の限界に直面しやすく、理想と現実とのジレンマに悩まされることが多いようです。

社会福祉士を辞める理由で多いものは?

社会福祉士を辞める理由としては、人間関係を理由とするものが目立ちます。

社会福祉士は、個々の問題を解決するために、かなり長期間にわたって各相談者と付き合っていくケースも頻繁にありますので、その過程のなかで、何らかのトラブルが生じることも決して少なくありません。

場を和まそうとして言ったひと言が、相談者の神経を逆なでして逆効果となることもありますし、冷静さをもって対応しようとしたことが、「事務的だ」「冷たすぎる」といった批判につながることもあります。

社会福祉士と相談者という間柄だけでなく、人と人の関わり合いすべてにおいて絶対の正解というものは存在しませんので、そうした対人トラブルを完璧に避けることは誰にもできません。

しかし、相談者との距離感がうまく掴めなかったりして、思い悩みすぎてしまう人のなかには、やがて社会福祉士という仕事に対して自信を失くし、辞めてしまうケースもあるようです。