石油会社の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

石油の輸入や販売を手掛ける会社

石油会社とは一般的に、石油の輸入や精製、販売を行う会社のことをいいます。

一般の人たちにとって、石油というものをじっくりと考える機会はあまりないかもしれませんが、石油はガソリンや火力発電の燃料など、私たちの暮らしに不可欠なエネルギー源となっています。

そして、そんな石油の元となるのが「原油」です。

石油ビジネスを大きくとらえた場合、まずは世界各国で原油の開発や生産が行われ、採掘された原油は輸入され、輸送、そして精製といった流れを経て販売されます。

日本では、石油の99.7%程度を海外からの輸入に頼っており、油田で採掘された原油はタンカーで運ばれ、製油所でガソリンや軽油、重油といった石油製品へと精製されます。

そして、石油製品はタンクローリーなどでガソリンスタンドや発電所、工場などに運ばれ、燃料や化学品の原料として利用されていきます。

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石油会社の種類

石油業界に属する会社の種類としては、

・原油や石油製品の輸入、精製、販売を行う「石油元売り会社」
・原油の開発と生産を行う「石油開発会社」
・石油製品の製造を行う「石油精製会社」
・石油製品の輸送を行う「石油輸送会社」
・石油製品の小売りを行う「石油販売会社」

などがあります。

これらすべてをまとめて石油会社ということもありますが、通常、石油会社といった場合には「石油元売り会社」のことを意味します。

石油元売り会社では、給油所などの流通機構や直売によって、消費者や需要家に対して石油製品の販売を行います。

なお、石油元売り会社のなかには、石油精製会社としての機能を含めているところもあります。

石油元売り

燃料や化学品の原料として不可欠になっている石油。

エネルギー自然に乏しい日本では現在、石油の約99.7%を海外からの輸入に頼っているといわれます。

海外で発掘された原油は日本に運ばれると、まず製油所でガソリン、軽油、重油などの石油製品に精製され、そこからガソリンスタンドや発電所などに運ばれて、燃料などとして使われます。

この流れを詳しく見ると、一般的に原油の開発と生産までの段階は「上流部門」と呼ばれ、原油と石油製品の輸入、輸送、精製、石油製品の販売については「下流部門」と分けられています。

このうち、下流部門にあたる部分、つまり原油の輸入から備蓄、精製、輸送、販売までを一貫して手掛ける会社のことを「石油元売り」といい、資本で分類した場合には外資系企業と日系企業に分けられます。

石油元売り会社は日本の石油市場の中心的な存在なっており、かつては20社ほどの企業が存在していました。

しかし、昨今うたわれている省エネ、そしてエコカーの普及などによって国内の石油需要が年々減っているなか、相次ぐ経営統合によって、その数は減少しています。

今後も大手企業同士の経営統合など、業界再編の動きは継続していくものと予測されています。

油田開発会社

エネルギーの中心である石油を安定的に供給するためには、世界中で原油を採掘できる場所を探索し、安全に採取を行うことが不可欠です。

先に述べた「上流部門」を専業で行う企業のことを油田開発会社といいます。

こうした油田開発事業は、石油元売りが行っているケースもあれば、商社などグローバルビジネスを手掛ける異業種の企業におけるプロジェクトの一種として実施されるケースもありますが、もともと国が出資していた専業会社も多いです。

販売会社

石油製品(ガソリン、軽油、灯油など)の卸売り販売を専業で行う会社もあります。こちらは商社の系列会社が中心となっています。

石油会社で働く人

繰り返しになりますが、石油会社では原油の輸入から精製・生産、製品販売までを一貫して手掛けています。

事業領域が広いため、関わる人の数や仕事内容も幅広いものとなっています。

大きく分けると、まず「技術系」として活躍する石油精製や製造のエンジニアや技術営業、研究職、さらには「販売・管理系」として活躍する営業、人事、経理・財務、情報システム法務など、さまざまな職種の人たちが働いています。

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石油会社社員に特有の職種

石油会社は事業規模が幅広く、グローバルなビジネスを手掛けていることもあり、社内ではさまざまな職種の人たちが自らの専門性を生かし、協力しながら業務を進めています。

会社によって部門や職種の名称などは若干異なりますが、ここでは石油会社ならではといえる職種のうち、代表的なものについて紹介していきます。

生産技術

高品質の石油や石油化学製品を安全に生産し、安定的に供給するために、製油所や工場の稼働を技術面から支えていきます。

具体的には、環境負荷低減や安全性向上、収益性向上などを目的とするプロセス設計を行う「プロセスエンジニア」、プラント設備のメカニカル設計や新設プロジェクト管理などを行う「メカニカルエンジニア」、さらに石油精製工場のプラント制御システム開発に携わる「システムエンジニア」などが活躍しています。

研究職

燃料や潤滑油の研究開発をはじめ、社会が抱える燃料・エネルギー・環境に関する課題についての対策提言なども行います。

インフラ開発(設計・建設、資源開発)

新たな石油施設の設計や建設および、世界各国における油田の調査活動や採掘に従事します。

管理・保守

石油設備の安全性や信頼性向上のために、稼働している石油精製設備の保守・管理や点検、改善業務などに携わります。

オプティマイザー(供給部門)

原油調達から工場設備の状況、在庫や出荷状況など、製品やサービスが消費者の手に届くまでの一連のプロセス管理と最適化を行います。

技術営業

自動車・機械メーカーなどの顧客に対して、最適な潤滑油の提案やアフターサポート業務を担当します。

セールス・販売促進

サービスステーションを運営する特約店などに対するカウンセリング営業を行います。

石油製品の卸営業や提案、販売促進の検討、店舗の経営アドバイスなどが主な仕事内容です。