人材派遣会社の現状と将来性

人材派遣会社の現状と需要

景気変動の影響を受けやすい

「人」でビジネスを手掛ける人材派遣業界は、景気の波に左右されやすいことが特徴です。

人材派遣会社の業績は好況期と不況期とで大きく変わる傾向にあり、企業が多くの人手を欲する時期はよいものの、景気が悪化して、各社が採用数を減らすことになれば、どうしても人材派遣会社の仕事が減ってしまう面は否めません。

たとえばリーマンショック後の世界的不況の際には、自動車産業や電機メーカーといった製造業を中心に、いわゆる「派遣切り」が起こり、大きな社会問題となりました。

2020年の新型コロナウイルスでも、飲食業やサービス業、アパレル業など大きな打撃を受けた業種はいくつもあり、各社が採用を控えました。

しかし、社会全体の景気が後退しているときでも、一部の業種では業務量が増え、人手を欲しているといったケースはあります。

ビジネスの多くは、人がいなければ成り立ちませんから、人材派遣会社の需要は常に一定数あります。

派遣を取り巻く環境・制度は変わり続けている

派遣業界では規制緩和や、そこから一転しての規制強化など、外部環境がめまぐるしく変わっています。

実際、これまで派遣として働く人の賃金や待遇などを定めた「労働者派遣法」は何度も改正されています。

2020年4月の改正では、企業に対し「職務内容が同一である場合、雇用形態に関係なく同じ金額の賃金を支払う」ことが義務付けられました。

つまり、正社員とまったく同じ仕事をしている派遣社員は、正社員と同じ金額の給料がもらえることが法律で定められた、ということです。

いまだ派遣社員についてはさまざまな議論が続けられており、今後も業界を取り巻く環境は変化していくものと考えられます。

人材派遣会社は、市場に対して柔軟に適応しながら事業を展開していくことになるでしょう。

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人材派遣会社の将来性

人材派遣会社は「企業と人材の橋渡し」的な役目を果たす存在として、世の中から必要とされています。

ひと昔前の派遣社員といえば事務職が中心でしたが、最近では専門職、技術職、医療職など、高度な専門性が要求される仕事においても派遣として働く人が増えており、企業側もハイスペックの人材を求める傾向が強くなっています。

派遣社員の待遇見直しも進められ、能力の高い人材は正社員にも劣らない条件で働ける職場は徐々に増加傾向です。

今後も派遣として働きたい人と、派遣スタッフを求める企業の双方をサポートしていく存在としての活躍が期待されます。

人材派遣会社社員の今後の活躍の場

ここ最近では、これまで人材派遣業となじみの薄かった業種の企業へ積極的にアプローチし、新たな派遣先を開拓する人材派遣会社も増えています。

派遣先の選択肢が増えることは、派遣として働きたいと考える人の能力を最大限生かす機会を創出することにつながります。

とくに医療や介護、ITなどの領域では人材不足が課題となっており、派遣のニーズが高まっているといわれます。

さまざまな業界の活性化や、人の可能性を引き出すことも、今後の人材派遣会社社員の使命だといえるでしょう。