「ヨガインストラクター」とは

ヨガのトレーニングポーズや呼吸法を指導し、ヨガの魅力と楽しさを人々に伝えていく。
ヨガインストラクターとは、ヨガスクールやスポーツジムなどで、生徒にヨガの正しいポーズや呼吸法などを指導する人のことです。
インストラクターになるのに公的な資格はありませんが、ヨガスクールのインストラクター養成コースで指導を受けることが一般的です。
主な職場は、ヨガスタジオやヨガスクール、フィットネスクラブといったスポーツ施設となりあます。
それ以外にも、老人ホームや個人宅で出張レッスンを行う場合もあります。
大手のヨガスクールで正社員として働く道もありますが、個人営業のインストラクターとしてレッスンごとに報酬を得ている場合が多いようです。
日本では10年ほど前からヨガブームが続いていますので、今後もヨガインストラクターへの需要が大きくなることが見込まれます。
「ヨガインストラクター」の仕事紹介
ヨガインストラクターの仕事内容
「健康ヨガ」の正しい実践法を指導する
ヨガインストラクターは、「健康ヨガ」の正しい実践方法を教える仕事です。
「健康ヨガ」とは、インド生まれの伝統的なヨガに、フィットネス感覚や現代医学の要素などを取り入れたもので、日本でも2000年代以降にブームとなっています。
ヨガインストラクターは、このようなヨガに興味を持つ人々に対して、ヨガスクールやレッスンスタジオ等での集団指導やマンツーマン指導を行い、正しいポーズやヨガ独特の呼吸法などを教えます。
自ら実演しつつアドバイスを行い、ヨガの魅力と楽しさをわかりやすく伝えていきます。
ヨガは若い人から高齢者まで取り組めるものであるため、その人の年代や体力、健康状態、レベル等に合わせた指導計画を考え、実践していくことも求められます。
ヨガインストラクターの就職先・活躍の場
スタジオでのレッスンが中心
ヨガインストラクターの活躍の場は、スクールやスタジオなどヨガの専門教室のほか、スポーツジムやフィットネスクラブ、カルチャースクールなど多岐にわたります。
こうした施設に就職して社員として働くことはもちろん、フリーランスになって自らのスタジオを開設したり、多様な仕事に携わっている人もいます。
たとえば、企業に出向いて従業員の健康維持のためにヨガを指導したり、雑誌や書籍に掲載するヨガ関連の記事を執筆したり、地域のイベントでヨガのパフォーマンスをしたりするようなこともできます。
ヨガインストラクターの1日
レッスンが1日の中心になることが多い
ヨガインストラクターの1日は、勤務場所や働き方などによってもずいぶんと異なるでしょう。
ここでは、ヨガスクールの正社員として働く人のある1日を紹介します。
6:00 起床
自らヨガを実践して心身ともに目覚めさせます。
8:30 出勤
当日のスケジュールを確認し、教室の掃除やレッスンの準備をします。
10:00 レッスン開始
生徒さんと簡単な会話をして緊張をほぐしたのち、前回の続きから個人レッスンをスタートします。
11:30 事務作業
レッスンの空き時間には事務作業をします。
13:00 レッスン開始
午後は集団レッスンを担当。一人ひとりのレベルや体調に合わせて、適切なアドバイスをしていきます。
16:00 勉強
時間が空けば積極的にヨガの歴史や種類などを勉強し、生徒からの質問に対応できるようにします。
19:00 退社
食事や睡眠には人一倍気をつけて生活しています。
ヨガインストラクターになるには
養成講座を受講する道が一般的
ヨガインストラクターになるために、絶対に必要な資格や必ず通わなくてはならない学校・スクールはありません。
しかし、正しいヨガを実践するためのスキルや指導力を身につけるためにも、自らヨガレッスンを受けたり、ヨガインストラクター養成講座を受けたりしている人がほとんどです。
通信講座でヨガを学ぶことも可能ですが、さまざまな民間団体の講座や資格が存在するため、きちんとした知識や技術が身につくものを選ぶことが大事です。
ヨガインストラクターの学校・学費
多種多様な養成スクールが存在する
ヨガインストラクターになるための学校として、全国に養成スクールがいくつもあります。
それらではヨガに関する歴史、ポーズ、呼吸法などを基礎から学ぶことができ、生徒に教える際の注意点やコツも理解できます。
ヨガインストラクターの養成講座はさまざまあり、講義時間は数時間のものから200時間程度のものまで、費用は10万円~60万円くらいのものが多いようです。
なお、就職の際に「高卒」「大卒」などの学歴が問われることはほとんどありません。
ヨガインストラクターの資格・試験の難易度
代表的な民間資格を取得する人が多い
ヨガインストラクターになるための公的な資格はありません。
一方、多くの民間資格が存在しており、ヨガインストラクターを目指す人は、いずれかの資格を取得するケースが多いようです。
最も有名なのは「全米ヨガアライアンス」資格で、この資格を朱徳すれば、日本を含めた世界50ヵ国以上でヨガインストラクターとして働くことができます。
取得するには、同協会で認定されたヨガスクールや指導者から200時間、または500時間のコースを受講する必要があります。
ヨガインストラクターの給料・年収
働き方や実績によって年収は大きく変わる
ヨガインストラクターの給料は、勤務形態や業務内容、スキル、働く地域などによって大きく変わってきます。
一般的な正社員のヨガインストラクターの年収は、250万円~400万円程度になる人が多いようですが、実績や経験などによっても異なります。
フリーランスのヨガインストラクターは、ヨガスタジオやフィットネスクラブなどと契約し、「1レッスン単位」で報酬を受け取るのが一般的です。
自らのスタジオを開設し、生徒さんから直接レッスン料をもらうケースもあります。
ヨガインストラクターのやりがい、楽しさ
ヨガで人々が元気になってくれること
ヨガインストラクターのやりがいや喜びは、ヨガの魅力が人々に伝わり、相手がヨガで笑顔になってくれたときだといえるでしょう。
自分が指導する生徒さんがヨガを楽しいと感じてくれたり、「ヨガをしてから体調や心の状態が良くなった」などと言ってくれたときには、自分が誰かの役に立てた気持ちになります。
また、自分自身ヨガを継続することで心身の状態が安定してくることも、ヨガインストラクターとして働く魅力だといえます。
ヨガインストラクターのつらいこと、大変なこと
いつも健康的で元気な自分を保つこと
ヨガインストラクターの大変なことは、「健康」のイメージが強いヨガを人々に伝えるために、自分自身がいつも元気でいなくてはならないことです。
生徒さんからすれば、もしインストラクターが不健康な様子であったり、体調が悪そうにしていれば、「この先生に習って大丈夫なのだろうか」と不信感を抱いてしまいがちです。
そのため、ヨガインストラクターは自分の健康に人一倍気を配り、いつも笑顔で明るくいられるように心がけなくてはなりません。
ヨガインストラクターに向いている人・適性
ヨガが大好きで、その魅力を伝えたいと思える人
ヨガインストラクターに向いているのは、まず、ヨガが大好きになれる人です。
ヨガは哲学的なテーマやスピリチュアル的な要素も絡んでくるため、精神的なテーマや人間の内面にも興味を持ち、一生ヨガと付き合いたいと思えるのであれば、ヨガインストラクターの適性があるといえます。
また、ヨガを自分だけで楽しむのではなく、その魅力をたくさんの人に伝えたい気持ちや、正しいヨガの楽しみ方を広めたいと感じる人は、まさにヨガインストラクターにぴったりだといえるでしょう。
ヨガインストラクター志望動機・目指すきっかけ
大好きなヨガを仕事にしたいというもの
ヨガインストラクターを目指す人のきっかけとして多いのは、まず自分自身がヨガの魅力にハマり、ヨガを仕事にしたいと思うようになったというものです。
最初は生徒としてヨガに触れ、それを職業として生きていくために、ヨガインストラクターの道に進むというケースが目立ちます。
ヨガインストラクターとして働くには、自分自身ヨガを大好きであることが不可欠といえます。
ヨガの魅力を実感し、それを人々に伝えたいと思ったというような感情が、志望動機につながってくるでしょう。
ヨガインストラクターの雇用形態・働き方
多様な働き方ができる職業
ヨガインストラクターは、多様な働き方が望める職業のひとつです。
ヨガスタジオやスクールに正社員や契約社員などとして雇われる道もありますし、出張レッスンをメインで行う派遣のヨガインストラクターになること、あるいはアルバイト・パートで短時間だけ仕事をすることも可能です。
また、フリーランスとなり、各スタジオや教室と業務委託契約を結んで仕事をする人もいます。
特定の企業などに属さないフリーランスは、自由にさまざまな仕事がしやすいという特徴があります。
ヨガインストラクターの勤務時間・休日・生活
スタジオ所属かフリーかで大きく変わってくる
ヨガインストラクターとしてヨガスタジオに正社員として勤める場合は、スタジオの営業時間内で、1日8時間程度の勤務になるでしょう。
休みは不定期になることが多く、他のインストラクターと交代で働くシフト制勤務が一般的です。
フリーランスになると、勤務時間や休日の定めはなく、自分自身でスケジュールを調整しながら仕事をしていくことになります。
自宅で個人レッスンを中心に行う人もいれば、企業などから依頼を受けて講演や出張レッスン、イベント出演など、空いている時間で多様な案件に取り組む人もいます。
ヨガインストラクターの求人・就職状況・需要
正社員としての募集はあまり多くない
ヨガインストラクターは、正社員としての募集はあまり数が多くないようです。
大手のスタジオでは定期的な募集が出されることもありますが、ヨガインストラクターの求人募集の多くは、独立して個人で仕事をするフリーランスのインストラクターを対象としています。
正社員として同じ職場で安定的に働きたいのであれば、地道に求人情報をチェックする必要があるでしょう。
また、フィットネスクラブのトレーナーとして雇用され、ヨガができることを強みに、ヨガレッスンを担当する道もあるとされています。
ヨガインストラクターの転職状況・未経験採用
養成講座で基礎力を身につけておくとベター
ヨガインストラクターは国家資格がないため、なるためのハードルは比較的低いといえるでしょう。
実際、趣味からヨガインストラクターを目指す人もいますが、いざ仕事を始めるとヨガの専門知識や技術は不可欠であるため、この職業へ転職したいのであれば、何らかのヨガインストラクター養成講座で学ぶほうが近道となるでしょう。
自身でヨガについて学ぶと同時に、経験不問のヨガスタジオに応募して、働きながらスキルアップしていくことも可能です。
ヨガインストラクターの現状と将来性・今後の見通し
ブームは続くが、正しく指導できる人が生き残れる
日本ではヨガブームが続いており、若い女性はもちろんのこと、最近では中高年の女性、さらに男性でも習い事や趣味としてヨガを始める人が増えているようです。
しかし、一時期は豊富にあったヨガインストラクターの求人は多少落ち着きを見せ、本当に正しいヨガの実践方法や考え方を上手に伝えられるインストラクターが求められるようになっています。
これからヨガインストラクターを目指すのであれば、確かなスキルを身につけ、一生ヨガを究めていこうという気持ちが必要になるでしょう。