信用金庫の就職・求人・採用の状況
信用金庫にはどんなところがある?
全国信用金庫協会によると、全国にはおよそ250の信用金庫があります。
北は北海道から南は沖縄まで、全47都道府県、信用金庫のないところはありません。
信用金庫には「地域性」の原則があり、各信用金庫は地域ごとに営業エリアを分担し、その地域経済の発展のために事業を行っています。
このため、都市銀行などのように、事業を全国展開している超有名企業というものは信用金庫にはありません。
ただ、信用金庫業界内での大手どころとしては、総資産5兆円を超える京都中央信用金庫や、関東エリアトップの城南信用金庫、東海エリアトップの岡崎信用金庫などが挙げられます。
総資産1兆円を超える信金は全国に41ありますが、そうした信金は「メガ信金」と呼ばれ、中位の地方銀行と肩を並べる、その地域を代表する組織です。
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信用金庫の求人の状況
信用金庫は、一般的な株式会社のように自社の利益を追求するのではなく、地域を支えることを目的とする「非営利法人」です。
さまざまな金融機関のなかでも、信用金庫はかなり公共性の高い組織であり、その金融サービスには常に一定の需要があります。
このため、信用金庫の求人も、民間企業と比べると景気の波などによる影響は少なく、かなり安定的です。
毎年必ず10名~数十名程度の新卒採用があり、大手信用金庫では採用人数が100名を超えるところも珍しくありません。
ただし、過疎化が進む地域の信用金庫では、地域住民の減少に合わせるかたちで、採用人数が絞られるケースも増えつつあります。
信用金庫の就職先の選び方
地元の信用金庫を選ぶ
信用金庫に就職する際に最も重視すべきなのは、その信用金庫の営業エリアが自分の見知った地域であることです。
信用金庫職員として活躍するためには、地域住民に好かれることが不可欠であり、そのためには地域の風習やしきたり、文化、歴史的背景などに精通しておく必要があります。
その地域で生まれ育った、あるいはその地域にルーツがある、学生時代を過ごしてその地域をよく知っているといったことは、信用金庫職員によって何よりの強みとなります。
逆にいうと、まったく縁もゆかりもない地域の信用金庫では、何かと苦労することが多いかもしれません。
就職する際には、自身に馴染みのある地域の信用金庫を選ぶことをおすすめします。
将来性で選ぶ
信用金庫は、上で述べた通り営業エリアが定まっている関係上、その将来性は管轄する地域に強く影響されます。
現在でもすでに、少子高齢化によって人口減少が進む地方の信用金庫ほど、業績を悪化させているケースが目立ちます。
その一方で、東京、名古屋、大阪を中心とする3大都市圏に近い信用金庫ほど業績堅調なところが多く、収益の柱である貸出金残高も伸びています。
地域格差はより大きくなっていくので、将来性を重視するなら、人口が多い都市部の信用金庫に就職するとよいでしょう。
地方の信用金庫は、資金力の乏しいところから順番に、ほかの信用金庫に吸収合併されるかたちで淘汰されていくものと予想されます。
出身大学卒業生の採用実績で選ぶ
信用金庫を含む金融機関では、一般的な「オープン制」の採用とは別枠で、「リクルーター制」の採用が実施されているケースがよくあります。
リクルーター制とは、若手の信用金庫職員が出身大学の後輩などと面談をして、評価の高い学生についてはその採用支援者(リクルーター)となり、直接人事部への面接に繋げるという採用方式です。
信用金庫職員のなかに自身の大学出身者が多ければ多いほど、リクルーター制で採用される可能性が高まります。
各信用金庫の大学別採用実績を参考に就職先を選ぶことも非常に有効です。
働きだしたあとも、先輩・後輩という「縦のつながり」が太いことは、さまざまな局面で役に立つでしょう。
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信用金庫の志望動機・面接
信用金庫の志望動機については、信用金庫特有の性質を念頭に置き、「地域経済への貢献」や「公共性の高さ」などをキーワードに据えて作成するべきです。
「金融に興味がある」「大学で学んだ経済の知識を生かしたい」といった動機は、銀行などほかの金融機関との差別化ができていませんのでNGです。
地元への愛着や、地域経済への関心の高さをアピールし、「信用金庫でなければならない」という必然性が感じられる内容にするとよいでしょう。
面接においては、信用金庫の金融サービスが「地域密着型」である関係上、誰とでも仲良くなれる親しみやすさやコミュニケーション能力、お金を預けてもらうに足りる信用できる人物かどうかが問われます。
挨拶や身だしなみはもちろん、表情や仕草、喋り方、言葉の選び方などに細心の注意を払い、安心感や誠実な印象を抱いてもらえるように振る舞いましょう。
就職先はどのように探したらいい?
信用金庫の就職先を探す方法としては、他業界の企業も含めて実施される合同説明会や就職エキスポなどのイベントに参加する、所属する学校の学生課や就職相談課に問い合わせるといった方法があります。
全国信用金庫協会のホームページでは、現存するすべての信用金庫の情報がエリアごとに取りまとめられています。
どんな信用金庫があるのか自分で調べて、各金庫のサイトから、個別の企業説明会や採用試験にエントリーすることも容易です。
志望する信用金庫にOB・OGがいる場合は、直接連絡して相談してみることも非常に有効といえます。
リクルーターになってもらえるかもしれませんし、就職試験や仕事内容に関する実体験を聞くだけでも、おおいに就職活動の参考になるでしょう。