オーナー社長とは
オーナー社長と雇われ社長
社長は、大きく分けると「オーナー社長」と「雇われ社長」の2パターンがあります。
「オーナー」の日本語としての意味は「持ち主、所有者」です。
つまり、オーナー社長は自ら多くの株を保有して会社を所有し、さらに社長としてのポストに就く人のことをいいます。
創業家の一族が会社を所有して経営を行う企業のことも、オーナー社長(がいる会社)と呼ぶこともあります。
一方、雇われ社長とは、オーナーに雇われている社長のことです。
社長とは別に会社の所有権をもつ人(オーナー)がおり、その人に雇用されるかたちで社長業に就きます。
こちらは「サラリーマン社長」と呼ばれることもあります。
オーナー社長がいる会社の例
オーナー社長は、自ら会社を立ち上げた人、つまり会社の創業者であることが多いです。
ベンチャーなどで活躍する「起業家」といわれるような人の大半は、自身でお金を出して会社をもつオーナー社長となっています。
その他の中小企業でも、社長、もしくは他のトップが創業者やその家族であるケースが多いです。
また、歴史のある大会社でも、創業者の二代目、三代目などの親族がオーナー社長(あるいは会長、役員など)になるケースはよく見られます。
このように代々、同じ家族で経営していく会社のスタイルは「オーナー企業」や「同族経営」「ファミリービジネス」などとも呼ばれます。
<国内の大手オーナー企業の例>
・トヨタ自動車(豊田家)
・イオン(岡田家)
・ソフトバンク(孫家)
・村田製作所(村田家)
・ベネッセコーポレーション(福武家)
・ヤマダ電機(山田家)
など。
これらの企業では、実質的に創業一族の経営の支配権が強かったり、役員に親族を置いたりするケースが目立ちます。
ただし、会社が長く続いていくなかで、会社の競争力をより強めることなどを目的に、あえて外部から招へいした役員を選任することもあります。
オーナー社長として働くメリット・デメリット
メリット
オーナー社長は、自らのお金を使って会社を経営しているため、自然と当事者意識が強くなります。
長期的に会社を発展させ続け得るためにどうすればいいのかといった考えを持ち、「自分の生き方そのもの」を会社で体現しているという人が多いようです。
発行済株式(議決権)の保有割合によっては、社長自ら取締役の選任や解任、あるいは定款の変更、株式分割などの決議を行うことが可能です。
経営事項に関する意思決定スピードが速いことは、オーナー社長の大きなメリットといえます。
もちろん、雇われ社長でも任された責務を果たすべく努力している人は大勢いますが、自分で会社を所有するオーナー社長とは、根本的な立場が異なるといえるでしょう。
もしオーナー社長として事業を大きく成功させられれば、株の配当などによってそれだけ大きな収入を手にすることも可能になります。
実際に世の中で「大金持ち」といわれているような社長の大半は、オーナー社長です。
デメリット
オーナー社長の場合、もし事業に失敗すれば、個人的なお金を使ってでも会社を立て直さなければならないといった責任が伴ってきます。
小規模な会社では社長個人の資産を使っていることもあり、経営状況が悪くなると、社長自身の生活が厳しくなる可能性も否定できません。
また後継者の問題も重要な課題となりやすく、親族で適任者がいない場合には事業継承などについても時間をかけて考える必要が出てきます。
さらに、オーナー企業で一族のカラーがあまりに出すぎてしまうと、従業員からの不満や反発が大きくなってしまうことがあります。