仕事体験談 夜勤ができなければ、訪問看護の道もある 回答者 : ゆーさん(女性/46歳) 職業名 : 訪問看護師現在の状態 : 現役経験年数 : 25年 仕事内容 東京都在住、訪問看護師をしています。 ステーション規模は常勤・非常勤を合わせて看護師6名です。 訪問看護師歴は10年ほど、現在は非常勤です。 以前は病院勤務(東京都、職員数1400名、病棟勤務、常勤、主任)をしていました。 母が病気がちだったので、子どものころから看護師になりたいと思っていました。 資格の魅力があったのも事実です。 仕事のやりがい 30代後半で主任になった年に出会った患者さんとのエピソードです。 患者は60代男性、Yさん、奥様と二人暮らし。 彼は食道がんの末期で、発熱や痛みで常にイライラし、しょっちゅう怒鳴っていました。 正直なところ看護師からは「嫌な患者」と疎まれていた存在です。 私は主任という立場上、関わらないわけにはいかず、注意しながら接していました。 ある夜、Yさんから「痛いから何とかしてくれ」とナースコールがありました。 前に使ったばかりだからもう少し様子を見ましょうと、当たり障りない返答をして退室しようとしたところ、大声で怒鳴られたのです。 「お前たちは俺が面倒な患者だと思っている。」と。 それからは、痛い時は痛み止め以外にどうしたらいいのか考えました。 これは看護師には不可欠な「アセスメント」です。 Yさんはマッサージしたり、話を聞いて欲しかったりしたんですね。 その後はぶつかった分、強い信頼関係が生まれました 私の結婚が決まり、休暇に入る前日の夜。 Yさんは数日前から体調がよくありません。 「主任、結婚おめでとう」 手渡されたのは、筆字で「寿」とありがとう、幸せに、がんばれよ、と書かれたカード。 彼は私をはじめて主任、と呼んでくれた患者さんです。 そして、休暇明けで出勤する数時間前にお亡くなりになっていました。 つらくて辞めたくなると、主任、と呼んでくれたYさんを思い出して、また頑張ろうと思うのです。 覚悟しておいた方がいいこと 日本全国どこでも求人があり、働けないということはありません。 常に人材不足の業界ですから・・。 ただし、勤務は過酷です。 病院勤務でしたら夜勤がありますし、ICUや救命など重症患者を扱う部門だと仕事の間中気が張り詰めています。 若いころは自宅で寝ていてもラウンド(患者さんの状態観察に回ること)している夢を見てうなされました。 給料・待遇 46歳、現在のステーション勤務は約10年です。 9時~16時勤務で、一件当たりいくらという勤務形態です。 1日3~4件訪問で月収20~30万円、訪問件数により流動的です。 スケジュール調整がしやすいので子育て中の方にもおすすめです。 1日1件だけの訪問も可能です。 看護師時代は30代で、夜勤が月5~6回で手取りが35万前後、ボーナスあり、年収は600万くらいだったと思います。 この職業の恋愛・結婚事情 激務なので、実は出会いが少ないです。 患者さんとの恋愛は整形外科勤務のナースくらい。 医師と結婚するにしても、研修医のうちは彼らはほとんど病院にいますし、給料が安く、そもそも時間がありません。 良い年齢の医師は狙っている人が多いですしね。 消防関係の方との合コンは割とあります。 結婚、特に妊娠すると辞めてしまう人が多いです。 周りにフォローしてくれる人がいなければ、家庭と仕事を両立するのが難しいからだと思います。 この職業を目指す人へのメッセージ 大変なイメージを持たれがちな看護師ですが、そればかりでもありません。 人の死は身内でなければ簡単にかかわれるものではありませんので、学ぶことも多いです。 新人のうちは何もできず右往左往するばかりでも、経験を積むといつの間にか信頼される看護師になり、感動する出会いがたくさんあります。 働く場所もさまざま、勤務形態もさまざまです。 夜勤ができなければ、私のように訪問の道もあります。 施設やコーディネーター、キャリアアップしたい方は認定看護師になるのも良いでしょう。 働く女性が増え、医療の場でも時短勤務などが取り入れられています。 ぜひ辞めずに看護師でいてほしいです。 人が好きな方にぜひなってほしい職業です。 前の記事へ 次の記事へ
ステーション規模は常勤・非常勤を合わせて看護師6名です。
訪問看護師歴は10年ほど、現在は非常勤です。
以前は病院勤務(東京都、職員数1400名、病棟勤務、常勤、主任)をしていました。
母が病気がちだったので、子どものころから看護師になりたいと思っていました。
資格の魅力があったのも事実です。
患者は60代男性、Yさん、奥様と二人暮らし。
彼は食道がんの末期で、発熱や痛みで常にイライラし、しょっちゅう怒鳴っていました。
正直なところ看護師からは「嫌な患者」と疎まれていた存在です。
私は主任という立場上、関わらないわけにはいかず、注意しながら接していました。
ある夜、Yさんから「痛いから何とかしてくれ」とナースコールがありました。
前に使ったばかりだからもう少し様子を見ましょうと、当たり障りない返答をして退室しようとしたところ、大声で怒鳴られたのです。
「お前たちは俺が面倒な患者だと思っている。」と。
それからは、痛い時は痛み止め以外にどうしたらいいのか考えました。
これは看護師には不可欠な「アセスメント」です。
Yさんはマッサージしたり、話を聞いて欲しかったりしたんですね。
その後はぶつかった分、強い信頼関係が生まれました
私の結婚が決まり、休暇に入る前日の夜。
Yさんは数日前から体調がよくありません。
「主任、結婚おめでとう」
手渡されたのは、筆字で「寿」とありがとう、幸せに、がんばれよ、と書かれたカード。
彼は私をはじめて主任、と呼んでくれた患者さんです。
そして、休暇明けで出勤する数時間前にお亡くなりになっていました。
つらくて辞めたくなると、主任、と呼んでくれたYさんを思い出して、また頑張ろうと思うのです。
常に人材不足の業界ですから・・。
ただし、勤務は過酷です。
病院勤務でしたら夜勤がありますし、ICUや救命など重症患者を扱う部門だと仕事の間中気が張り詰めています。
若いころは自宅で寝ていてもラウンド(患者さんの状態観察に回ること)している夢を見てうなされました。
9時~16時勤務で、一件当たりいくらという勤務形態です。
1日3~4件訪問で月収20~30万円、訪問件数により流動的です。
スケジュール調整がしやすいので子育て中の方にもおすすめです。
1日1件だけの訪問も可能です。
看護師時代は30代で、夜勤が月5~6回で手取りが35万前後、ボーナスあり、年収は600万くらいだったと思います。
患者さんとの恋愛は整形外科勤務のナースくらい。
医師と結婚するにしても、研修医のうちは彼らはほとんど病院にいますし、給料が安く、そもそも時間がありません。
良い年齢の医師は狙っている人が多いですしね。
消防関係の方との合コンは割とあります。
結婚、特に妊娠すると辞めてしまう人が多いです。
周りにフォローしてくれる人がいなければ、家庭と仕事を両立するのが難しいからだと思います。
人の死は身内でなければ簡単にかかわれるものではありませんので、学ぶことも多いです。
新人のうちは何もできず右往左往するばかりでも、経験を積むといつの間にか信頼される看護師になり、感動する出会いがたくさんあります。
働く場所もさまざま、勤務形態もさまざまです。
夜勤ができなければ、私のように訪問の道もあります。
施設やコーディネーター、キャリアアップしたい方は認定看護師になるのも良いでしょう。
働く女性が増え、医療の場でも時短勤務などが取り入れられています。
ぜひ辞めずに看護師でいてほしいです。
人が好きな方にぜひなってほしい職業です。