人材派遣会社を起業するには
人材派遣会社は簡単に起業できる?
最近、人材派遣会社を自ら起業しようとする人が増えているようです。
他の国と比べても、日本は人材派遣会社の数が非常に多いことで知られており「人材派遣」というビジネスモデルに魅力を感じている人が多いことがうかがえます。
しかし、人材派遣会社を設立するにあたっては、いくつかの要件をクリアしなくてはなりません。
決して誰もが簡単に起業できるものでないことは事実です。
以下では、人材派遣会社を新規で立ち上げるときの流れについて紹介していきます。
人材派遣会社の起業までのステップ
人材派遣会社を起業するまでには、大きく以下のステップを踏む必要があります。
1.派遣元責任者講習を受講する
↓
2.人材派遣業の許可申請を出す
↓
3.許可が下りる
↓
4.事業開始
重要なポイントについて詳しく紹介します。
派遣元責任者講習とは
人材派遣会社を起業した場合、経営者は派遣労働者の保護を目的として「派遣元責任者」を配置する必要があります。
派遣元責任者の要件はさまざまあり、なかでも注意すべきは「雇用管理の経験」が求められる点です。
雇用管理の経験とは、人事あるいは労務の担当者、または労働者派遣事業における派遣労働者や登録者等の労務の担当者であること指し、この経験を3年以上積まなくてはなりません。
各種要件を満たしたうえで「派遣元責任者講習」を受講することにより、派遣元責任者として認められます。
なお、事業を開始してからも、派遣元責任者の立場に就く人は3年(以内)ごとにこの講習を受け、新たな知識の習得や更新手続きを行うことが求められます。
派遣元責任者の要件や、派遣元責任者講習のさらに詳しい情報は、以下のページで確認できます。
人材派遣業の許可申請について
「派遣元責任者講習」受講が終わったら、申請書類等を準備し、申請手続きを行います。
申請書類には、以下のようなものが必要です。
・法人設立届
・給与支払事務開設届出書
・健康保険者厚生年金保険の資格取得届、雇用保険・労災保険に関するものなど(従業員を雇う場合)
申請から許可が下りるまで2~3ヵ月程度、長ければ3ヵ月以上かかることがあるといわれています。
また資産要件として、基本的には「基準資産額が2000万円以上」と定められています(ただし、小規模派遣元事業主の場合は、緩和条件があります)
このほか、細かな要件等については、申請前に都道府県労働局などで確認しておいたほうがよいでしょう。
人材派遣業を起業する前に考えておくべきこと
現在は小規模の人材派遣会社が乱立しており、競争がさらに厳しくなっています。
開業に必要な準備に漏れがないように気をつけるのは当然のこととして、営業戦略や経営方針をしっかりと定めていかなくては、成功は難しいでしょう。
人材派遣ビジネスでは、派遣スタッフにとっての派遣先となる「企業」と、働きたいと考える「人材」の両方を集めなくてはなりません。
どちらに対しても密なフォローや信頼感が大切ですし、マッチングの質向上にも努める必要があります。
人材派遣会社の起業はさほどハードルが高いものではありませんが、起業前には、数多くの人材派遣会社のなかでどのような強みをもつ会社づくりを目指すのかや、どのように事業展開をしていくのかを深く考えるべきでしょう。