医学部ではどんな勉強をする? 実習の内容は?

医学部での勉強内容は?

医学部では、医師になるために必要なことをたくさん学びます。

6年間の教育内容は、大きく「教養課程」と「専門課程」で構成されており、他の学部と異なり、ほとんどの科目が必修となっています。

人間性を深める教養課程

医学部生は入学後、1年生から2年生の前期までの期間で、視野を広げ、教養を深めることを目的として語学や医学科以外の科目などの教養科目を学びます。

最近の傾向としては、教養課程の時間を短縮し、早めに専門的な基礎医学を学ぶ大学が国公立・私立問わず増えています。

また、医学部ならではの教養課程の科目として「医学英語」があります。

医師は英語と切っては切れない職業です。

実際に医師になった後も論文を読んだり書いたり、専門書を紐解いたりする際に頻繁に英語を使う必要があるため、学生のうちから医学英語をしっかり学びます。

医師として必要な知識を身に付ける専門課程

医学部では教養課程と並行しながら、2年次の後半には医学の専門課程の講義が始まることが多いです。

一般的に医学部生は、2年次から3年次にかけて人間の身体の仕組みやメカニズムについて学ぶ「基礎医学」の講義を、3年次から4年次にかけて疾患や病態について具体的に学ぶ「臨床医学」の講義を受けることになります。

また臨床医学を学ぶ3~4年次の医学部生は、大学によって時期はまちまちですが、約半年間かけて人体を解剖し、その仕組みを目と手で学ぶ解剖実習を行います。

その間にも、研究室に配属されゼミを受けたり、実習や実験があったりと、基本的には1日中大学でみっちりと学ぶことになります。

また、医学部では数ヵ月、もしくは数週間に1回といった頻度でさまざまな科目の試験が頻繁にあるため、医学部生は試験期間とは別でその勉強に追われることになります。

そして4年間の総まとめである共用試験に合格したあと、5年次から始まる病院実習へ進むことになります。

臨床実習で学ぶこと

医学部では、5~6年生(大学によっては4年生から)にかけて「臨床実習」というものが行われます。

医師の臨床実習は通称「ポリクリ」と呼ばれており、大学の附属病院や外部の病院にて、実際に各診療科を回って行われます。

この実習のおもな目的は、実際の医療現場で患者さんの診察や治療を体験し、医師として不可欠となる知識や技能、そして態度を得ることです。

実際の実習カリキュラムは大学によって異なりますが、学生も医療チームの一員となって研修医や指導医とともに診療にあたり、臨床医学をより深く学ぶことができます。

また、外来実習や病棟の回診、さらには手術見学なども行われ、現場にほど近い場所で、これまで勉強で身につけてきた知識をどう生かしていけばよいか考える機会にもなります。

卒業後にも臨床研修の受講が求められる

臨床研修とは

このように、医師は大学在学中にさまざまな学びを通して成長し、医師国家試験合格を目指します。

しかし、いざ医学部を卒業してからも、また勉強の日々が待っています。

というのも、現在の医師には「臨床研修」の受講が必須になっているからです。

平成16年以降、「診療に従事しようとする医師は、医学部を置く大学に附属する病院または厚生労働大臣の指定する病院において、2年以上の臨床研修を受けなければならない」と義務付けられています。

現在では、この臨床研修を受けなければ医師として診療に従事することはできません。

この必修化によって、医師は地域医療との接点が増えたり、専門の診療科に偏らずに幅広い科での研修を行ったりもできるようになりました。

ただし、この臨床研修は、あくまでも臨床に従事する人の場合に必要になる研修です。

大学などの研究機関で研究者としての道を歩む医師や、法医学、産業医などの場合は、臨床研修を受けなくても業務に差し支えはありません。

臨床研修のプログラム

医師の臨床研修のプログラムや実際の内容は、受け入れ先の病院によって異なります。

規模の大きい総合病院では各診療科を1~2ヵ月ごとに回ることもありますし、専門分野に特化した病院では、特定の診療科で時間をかけて知識やスキルを磨くこともあります。

どの病院の研修プログラムに参加するかは、個人の希望によって自由に選ぶことができます。

一昔前は出身大学の附属病院にそのまま研修にいくことが一般的でしたが、最近ではインターネット上でプログラムの内容を公開する病院も増えており、より選択の幅が広がっています。

なお、以前は研修医が診療のアルバイトをすることが一般的になっていましたが、近年はこういったアルバイトは基本的に禁止されています。

臨床研修中は、研修プログラムに専念することが求められています。