医師の仕事は頭脳労働+肉体労働

(読了時間:2分7秒)

医師の仕事と聞いてどんな印象を持つでしょうか?

筆者は初期研修の後、整形外科医の専攻医として勤務しています。

医師以外のみなさんが思いつくところとしては患者さんに接するところでいうと外来治療、手術、入院中の患者さんの診察、これらをすべてチームあるいは個人の医師で行います。

実はこの業務は医師業務の一部であり、一般の人の目につかない部分で働いていることもあります。

大変だったエピソード「当直後の通常勤務」

日中業務を残業を含めて医師が終わらせたのち、夜間には、入院している患者さんの管理や救急当番病院の診察ををしなくてはいけません。

これらの勤務には日中の医師と別の医師が雇われているわけではなく、同じ医師が多くはその病院に勤務している医師が担当します。

看護師さんの場合は勤務時間帯が分けられ、夜勤翌日は休みになります。

働き方改革が叫ばれる昨今では信じがたいことではありますが、平日に当直、宿直があった場合、その翌日の勤務は通常通り行われます。

トラブルの少ない病棟での宿直であれば問題ありませんが、救急当直に入って時にはほとんど寝れないことも多々あります。

医師の業務は患者さんの命や生活に直結する責任の重い仕事ですが、場合によっては寝不足のまま翌日の手術を含めた業務を遂行する必要があります。

ただしこれらの待遇は徐々に改善されてきており、記事を見ている皆さんが医師になることにはきっとある程度よくなっていることと思います。

患者さんと接しない業務

先ほど書いたように、通常患者さんと接する仕事として、外来業務、手術、入院患者さんの管理、加えて当直・宿直があります。

これ以外にも

・診断書をはじめとした各種書類の作成
・最新の医療の情報収集
・基礎・臨床研究
・学会発表
・論文作成
・講演会

なども含まれます。

これらの多くはそれ自体に対しての医師への給料のバックはなく無給であるどころか、一部病院が研究費として負担してくれることはあるものの、原則自腹で出費して知見を広げます。

自身の専門とする科、あるいは専門領域のアップデートですら、日々必死に食らいついていかないと最新の医療からは置いて行かれてしまいます。

「医者なんだからある程度すべて分かるだろう、全部診れるようになれるだろう」というのはある意味正しいですが、最先端の治療、専門領域が細分化していっている現代医療においては必ずしもそうとも言えません。

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医師を目指す人へ

医師業務は上記の通り、肉体労働と頭脳労働が併せられ知力・体力ともに重要となる一方で責任も重大な職業です。

筆者の体験の中では、日曜日待機中に救急で呼ばれて夜通し手術→月曜通常業務→当直→火曜日通常業務を数時間の睡眠でやりくりすることなどの経験がありました。

勤務する病院の医師の人数にもよりますが、数日に1回の当直ということも珍しいことではありません。

医師国家試験は日本最難関の試験の一つともよばれ、高校受験・大学受験に生き残り、新旧の厳しい医学部の6年間を卒業して国家試験に合格することはもちろん学力的にも難しいことではあります。

しかしながらそれと同じくらい、医師としての業務を全うするだけの身体づくり、患者さんよりまずは自分が健康であることが重要でもあります。

両方を兼ね備えて、立派な医師を目指している皆さんの参考になれば幸いです。

医師の仕事は患者さんの命と生活に直結する責任重大な仕事です。

業務内容はイメージする患者さんと接する診療・治療の他、事務作業や最新医療情報収集、学会活動など多岐にわたり、高負荷な肉体労働・頭脳労働が求められます。