家政学(読了時間:4分10秒)

家政学の概要・理念

家政学とは、主に家庭での生活に関する事柄を科学的に探求することを通じて、暮らしの質を高めていくことを目指す学問領域です。

代表的なものとして、衣食住にまつわる知識や技能を身につけるとともに、科学的な視点から課題や問題点を発見し、解決策を検証することが挙げられます。

日々の家庭生活を良質なものにするには、幅広い知識や技能が求められます。

食事や家事を行う上で看過されがちな問題点がないか、衣服の機能性やデザイン性をより高めるにはどうしたらよいか、家族が安心して暮らすことができ、子どもの教育においても最適な住環境を整えるにはどのような点に留意すべきか、といったことを突き詰めていくと、多くの知識が求められるのです。

家庭は社会を構成する最小単位であり、あらゆる人にとって日々の暮らしを充実したものにするために工夫や改善が欠かせないもののはずです。

家政学では、こうした家庭生活全般について質の向上や問題解決に取り組むことで、暮らしや人生そのものの質向上を目指しています。

家政学で学ぶこと

私たちの暮らしは衣食住の環境を整えることで成立しています。

そのため、家政学では衣食住に関する研究を中心として、暮らしに関するあらゆることが研究対象となります。

「衣」を充実させるには、衣服の造形や素材に関する知識はもちろんのこと、デザインやビジネスといった観点から被服について学ぶ必要があります。

「食」に関しては、食物に含まれる栄養素や調理法、さらには食生活についての科学的な分析といったように、数多くの研究の切り口があります。

「住」においては、建築やインテリアの知識だけでなく、暮らす地域全体の環境について考える必要があります。

このように、家政学では私たちの暮らしに関する知識・技能全般が研究テーマになり得ますので、幅広い知識が求められるのです。

家政学の大学での授業科目の例

食物学

食生活を豊かなものにしていくために必要な、栄養素や調理法、食生活に関する知識全般について学びます。

住居学

快適な暮らしを送るために欠かせない住居について、建築やインテリアの機能や構造、実際に人が暮らす上での環境といった観点から研究します。

服飾・被服学

衣服には機能とファッションという2つの役割があることから、衣服の造形や素材に関する知識だけでなく、ファッションという表現が社会や環境に与える影響についても学びます。

児童教育学

子どもの心身の発達段階や成長の過程について学び、保育や児童教育に関する専門知識を身につけます。

生活文化学

人々の生活のありようを文化として捉え、時代とともに移り代わってきた暮らし方や、服飾・住まい・工芸・デザインといった文化現象について考察します。

家政学のレポート・テーマの例

家政学のレポートは、衣食住や児童教育を軸として、暮らしの中で関わる特定の問題点について取り上げたテーマが多く見られます。

必要に応じて数値データを用いるなど、科学的な視点から論考することが求められます。

  • ・洗剤のすすぎ効果に関する検証
  • ・住宅密集地における環境振動について
  • ・フラボノイド摂取量と健康との関わり
  • ・色彩とおいしさの関わりについて
  • ・小児の体型変化と食生活

家政学と関連する学問

家政学と関わりの深い学問に生活科学があります。

家政学が家庭における暮らしのありように着目するのに対して、生活科学では地域や社会全体といった観点から研究を進めます。

ただし、大学によっては家政学科を生活化学科へと呼称を改めるケースも見られるため、両者の境界は厳密でないこともあります。

他にも、家計について考える際には経済学や経営学、人が暮らす環境について考える上で社会学や人間関係学の知識が求められるなど、家政学と関連する学問領域は幅広く存在します。

家政学を学んで就職に有利な業界・仕事

衣食住に関する知識を学ぶことから、家政学を学ぶことで就職先として選択可能な業界・職種が非常に幅広いのが特徴です。

主な業界としては、アパレル、飲食、住宅、教育などが挙げられます。

服飾・被服を学んだ場合、服飾メーカーのパタンナーやデザイナー、ショップスタッフ、ブライダル関係のプランナーといった道が考えられます。

食物について学んだ知識を活かして、食品メーカーや飲食店で働いたり、食品衛生監視員として公務員を目指したりすることも可能です。

資格を取得することにより、栄養士や管理栄養士として活躍することも考えられます。

住居に関する知識は、住宅メーカーや建築事務所、リフォームに関わる仕事に活かすことができるでしょう。

また、児童学の知識を活かして保育士や幼稚園教諭、子どもを対象としたインストラクターや講師を目指すこともできます。

このように、家政学で学んだ知識を活かせる就職先は多岐にわたっており、希望に応じてさまざまなキャリアの選択を実現できる学問といえます。

家政学の知識は人生でどう役立つ?

家庭における日々の暮らしは、私たちが毎日関わることであり、生涯関わり続けるものです。

暮らしをより良く、健康的なものにしていくために、工夫できることや改善できることはたくさんあります。

つい見過ごしてしまいがちな暮らしの小さな問題点を発見し、科学的な視点から改善策を考えられる思考を学ぶことによって、暮らしそのものをより良くしていくことができるのです。

暮らしをより良いものにできれば、心身ともに豊かで健康的な生き方を実現することにつながります。

家政学で学んだ知識は暮らしと直結しているという点において、身近なものであると同時に生涯関わり続ける重要な「暮らし」の問題を解決する手段として、人生において役立っていくことでしょう。

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