生活科学とは? 大学で学ぶことや就職先は?





生活科学の概要・理念

生活科学とは、家庭生活のありようを考える上で欠かせない衣食住、人間関係などについて総合的に研究する学問です。

家庭生活を主眼に置く学問として家政学がありますが、人が快適な暮らしを送るためには家庭に留まらず地域社会における暮らし方も含めて研究するケースが増えてきたことから、生活科学として扱われることが増えています。

生活の快適性を追求する上で必要とされる知識・技能は幅広く、食物学、被服学、住居学、児童学をはじめ、生活経営学や家庭関係論、家庭看護論といったさまざまな見地から研究を行います。

現代は人々の生活様式が多様化しており、家庭内における仕事の分担も性別によって区別されていないことが少なくありません。

従来の家政学部は女子大学に設置されているイメージが強かったのですが、生活科学部は共学校に設置されていることも増え、男子学生が学ぶケースも多くなりつつあります。

暮らしから社会を考える実学である生活科学は、今後ますます学問としての重要度が増していくと考えられます。

生活科学で学ぶこと

生活科学においては、家政学と同様に食物学、被服学、住居学といった衣食住に関する知識の習得が求められます。

また、それらをより広く地域社会へと一般化して考察を深めていくために、従来の経営学を家庭に置き換えて応用する生活経営学や、家族のあり方について歴史的背景を含めて検証する家族関係論といった学問を学びます。

座学だけに留まらず、衣類の作製や調理実習、建築模型の制作といったように、実習を通じて知識の理解を深めるとともに、技能を習得するための授業も行われます。

生活科学という学問名の通り、座学・実習ともに科学的な視点から分析・検証することが求められており、文系・理系の枠に囚われない学問分野と言えるでしょう。

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生活科学の大学での授業科目の例

生活経営学

従来は企業経営の手法を検証することを目的としていた経営学の理論を家庭に置き換えて応用し、家計におけるお金の流れを理論的に検証します。

家族関係論

家族を法的に定義する戸籍制度の歴史をひもとき、家族のあり方や地域における家族の位置づけについて研究します。

家庭看護学

家庭内でできる応急処置や病気・災害の際の初期対応など、暮らしの中で役立てるための看護の知識や技能を習得します。

被服材料学

被服素材学と呼ばれることもある、衣服を構成する材料についてその特徴や機能を科学的に探求していきます。

児童学

子どもの成長過程や心身の発達段階に応じた対応の仕方など、児童に接する上で必要な知識を習得します。

生活科学のレポート・テーマの例

生活科学は食物学、被服学、住居学、児童学をはじめ幅広い分野を扱う学問であるため、レポートのテーマも多岐にわたっています。

いずれのテーマについて論じる場合にも、科学的な根拠や検証の過程を明確にする必要があります。

  • ・野菜の保存による成分変化
  • ・衣服の廃棄に関する実態について
  • ・高齢者の暮らしと住まいの工夫について
  • ・子どもが利用する施設における設置基準
  • ・子どもの読む力を育む幼児期の読み聞かせ

生活科学と関連する学問

生活科学のルーツともなっている家政学は、生活科学と重複する研究領域も多く、関連性の高い学問といえます。

また、生活科学において研究される学問の多くは、もともと別の目的で研究が進んできた分野を家庭生活に応用したものが多く見られます。

経営学を家庭経営学として学んだり、看護学の知見を応用した家庭看護学を学んだりするのはその一例です。

被服材料学においては素材に関する科学的な知識が求められますので、材料工学応用化学と関連するケースも少なくありません。

生活科学を学んで就職に有利な業界・仕事

生活科学では生活全般に関する研究を行っていることから、暮らしに関わるあらゆる仕事において、その知見を活かすことができます。

流通や出版、情報といった業界においても、生活に深く関わる商品や情報を扱うことが少なくないため、生活科学で学んだ知識を役立てることができるでしょう。

専攻を活かすであれば、食物学の知識を活かして食品メーカー飲食店へ、住居学の知識を活かしてインテリアコーディネーター住宅メーカー、被服学の知識を活かしてパタンナーバイヤーといった道を目指すことが考えられます。

また、消費生活アドバイザー、衣料管理士、管理栄養士保育士幼稚園教諭といった資格を取得し、専門知識を活かせる職場で活躍する道もあります。

一般企業においても、生活を豊かにするための知識や技能は、商品企画やサービスの開発において存分に発揮することができるはずですので、生活科学の知識を応用して活躍できるフィールドとしては非常に幅広いといえます。

生活科学の知識は人生でどう役立つ?

生活科学は私たちの暮らしの質の向上を図り、より豊かな人生を送ることを目指す身近な科学です。

そのため、生活科学で学んだ知識や技能は日々の暮らしの中ですぐに活用し役立てることができます。

暮らしに密着した身近なところで知識を役立てられるのが、生活科学の大きな特徴なのです。

今後、私たちの暮らしはますます多様化し、デジタルデバイスやAIの発達によってさらに便利になっていくでしょう。

そういった時代の変化の中においても、人間が人間らしく健康に暮らしていくために必要な素養は本質的には変わりません。

生活科学を学ぶことを通して身につけた「暮らしの知恵」や「科学的な思考」は、生涯を通じて人生を豊かにするために役立てていくことができるはずです。

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