社会福祉士と精神保健福祉士はダブル受験できる?

社会福祉士と精神保健福祉士はダブル受験できる?

「社会福祉士」と「精神保健福祉士」の両資格は、福祉に関する相談業務を手掛けるソーシャルワーカーにとって、双璧をなす国家資格といえます。

どちらも取得難易度の高い専門資格ですが、試験制度上、両方の受験資格を満たすことで、同一年度中にダブル受験することも認められています。

社会福祉士試験では全18科目、精神保健福祉士試験では全16科目から問題が出題されますが、そのうち11科目は両試験で共通しています。

このため、たとえば社会福祉士試験の勉強をしている人は、精神保健福祉士の専門科目である残り5科目を勉強しさえすれば、両試験にダブル合格できる可能性があるということです。

試験勉強はもちろん、2つの受験資格を満たすだけでもかなり大変ですが、同時受験して同時合格し「ダブルライセンス」を叶えることも決して不可能ではありません。

ダブル受験するメリット

ダブルライセンスを取得すれば、福祉のエキスパートと呼ぶにふさわしい、幅広い専門知識を備えた人材であることの証明となります。

実務に役立つことはいうまでもなく、就職においても有利ですし、将来的には管理職などへのキャリアアップにつなげたり、よりよい待遇を求めて転職する際に役立つこともあるでしょう。

また、残念ながら力およばず、どちらか一方しか取得できなかったとしても、片方の資格があれば残るもう一方を再受験する際、上述の共通科目11科目が免除されます。

社会福祉士が残れば7科目、精神保健福祉士が残れば5科目の勉強で済むため、資格取得難易度は大きく下がります。

ダブル受験する際の注意点

双方の受験資格を得られる学校を選ぶ

双方の受験資格を満たすための最短のルートは、4年制の福祉系大学に進学することです。

どちらの試験も、受験資格を得る方法は10通り以上ありますが、そのなかで唯一、4年制福祉系大学を卒業するルートだけが、卒業後に実務経験を積む必要も、養成施設で学びなおす必要もありません。

しかし、その際に注意したいのは、双方の試験を受けるためには別々の「指定科目」を履修しなければならないということです。

同じ福祉系大学でも、両方の指定科目が学べるところもあれば、片方しか学べないところもあるため、大学を選ぶ際は、あらかじめよく確認しておくことが必要です。

勉強漬けの毎日となることを覚悟する

本来であれば、社会福祉士か精神保健福祉士、どちらか一方の資格を取得するだけでも相当の努力を要します。

それを同時に取得することを目指すなら、勉強漬けの日々を送ることを覚悟しなければならないでしょう。

たとえば現場実習一つ取ってみても、両方の受験資格を満たすためには、それぞれのために1ヵ月ずつ、別々の施設において、厳しい実習をこなさなければなりません。

体力的にも精神的にも非常にハードであるため、どうしてもダブルライセンスを取りたいという断固たる決意がなければ、途中で投げ出したくなるかもしれません。

双方の資格を取得するおすすめの方法

ダブルライセンスを目指したいけれども、ダブル受験するのは負担が大きいという場合は、さきに精神保健福祉士の資格を取得し、あとから社会福祉士試験を受ける方法をおすすめします。

両者の国家試験合格率には、例年2倍ほどの開きがあり、勉強しなければならない範囲が狭いぶん、精神保健福祉士のほうが難易度としては下です。

まず精神保健福祉士の勉強をして国家資格を取得し、共通科目の免除制度を利用することで社会福祉士国家試験のための勉強量を減らすと、スムーズに両方の資格を取得し、ダブルライセンスとなれるでしょう。