【2022年版】理学療法士の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説

理学療法士の平均年収・給料の統計データ

理学療法士は、医療や介護の現場において、リハビリを先導する重要な立場にある職業であり、専門知識を身につけて国家資格を取得しなければなりません。

このため、収入面について多くを期待する人もいるかもしれませんが、理学療法士の平均年収は一般的サラリーマンと同程度であり、そこまで高給が得られる職業とはいえません。

ただし、今後は高齢者が急速に増加することで、リハビリニーズの拡大が見込まれるため、需要が増えるにつれて理学療法士の待遇が改善される可能性もあります。

理学療法士の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

理学療法士の平均年収_2021

厚生労働省の令和3年度賃金構造基本統計調査によると、理学療法士・作業療法士の平均年収は、35.1歳で427万円ほどとなっています。

・平均年齢: 35.1歳
・勤続年数: 7.4年
・労働時間/月: 161時間/月
・超過労働: 5時間/月
・月額給与:  296,000円
・年間賞与: 713,400円
・平均年収: 4,265,400円

出典:厚生労働省「令和3年度 賃金構造基本統計調査」

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
理学療法士(PT)
転職会議)
396万円 20代前半:346万円
20代後半:395万円
30代:432万円
40代以上:483万円
理学療法士
indeed)
3,419,474円 時給 1,202円
日給 15,017円
月給242,105円
理学療法士
求人ボックス)
356万円 月給30万円
初任給21万円
アルバイト時給1,308円
派遣社員時給1,446円

各社のデータをみると、理学療法士の平均年収は、厚生労働省の統計よりも若干低い350~390万円前後が実態であるようです。

理学療法士の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

理学療法士の平均年収を390万円として計算すると、厚生労働省の統計調査から、ボーナスは月収の約2.5ヵ月分と推定されますので、平均月収は約28万円、ボーナスは約56万円となります。

そこから住民税や所得税、社会保険料などを差し引いた手取りは、仮に扶養者のいない独身の場合、月に約22万円、ボーナスが約46万円です。

理学療法士の初任給はどれくらい?

理学療法士の初任給は、施設によって多少の差があるものの、約21~23万円が相場とされています。

一般の職業における大卒者の平均初任給が20万円前後、専門学校卒業者が17万円前後であることを勘案すると、理学療法士はかなり恵まれた水準にあるといえるでしょう。

しかし、初任給が高いにも関わらず、職業としての平均年収が低いということから、理学療法士の給料は、昇給ペースがかなり鈍いということが伺えます。

社会人として働き始めた当初は、ほかの同世代より経済的な余裕が生まれやすいといえますが、年齢を重ねていくうち、どこかの時点で逆転されるというケースも多いかもしれません。

理学療法士の勤務先の年齢別の年収(令和3年度)

理学療法士の年収を年齢別に見ると、年齢の上昇にしたがって、年収も上がっています。最も年収が高い世代は、55~59歳の575万円です。

全年代の平均年収は427万円となっています。

理学療法士の年収(年齢別)_r3

上記グラフの基タイトルは「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」で作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士など他職業を含むデータです。

理学療法士の勤務先の規模別の年収(令和3年度)

理学療法士の年収は、勤務先の規模によってあまり変化がありません。

10〜99人規模の事業所に勤める理学療法士の平均年収は414万円、100〜999人規模は419万円、1,000人以上規模は463万円、10人以上規模平均は427万円となっています。

理学療法士の年収(規模別)_r3

上記グラフの基タイトルは「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」で作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士など他職業を含むデータです。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

理学療法士の福利厚生の特徴は?

医師や看護師をはじめとする医療スタッフは、高いスキルをもつ専門資格職であり、代替が効きにくいため、労働団体の権力が経営陣よりも強いという職場が大半です。

このため、理学療法士についても、その福利厚生制度はかなり充実しているケースが多いといえます。

交通費が支給されるのはもちろん、資格手当や住宅手当などが付くところも珍しくなく、施設によっては、クリーニング代の補助があったり、勤務先病院の診察を無償で受けられることもあるようです。

また、医療法人などが運営する民間施設よりも、国や地方自治体が運営する公的施設のほうが、各種福利厚生制度が手厚い傾向にあります。

就職先を選ぶ際には、単純に給料の額面だけを見るのではなく、そうした福利厚生制度まで踏まえて、「実際に手元に残る金額」を比較検討してみることも大切です。

理学療法士の給料・年収の特徴

国公立病院と私立病院で傾向が異なる

病院は、理学療法士全体の約6割が勤める最もメジャーな就職先といえますが、大学病院や市立病院、厚生年金病院などの公立病院と、医療法人が運営する民間の私立病院では、給料事情に異なる傾向がみられます。

公立の施設では、初任給については私立施設を下回ることが多い一方、その後の昇給率については、私立施設より高い傾向にあります。

反対に、私立施設では、公立施設よち初任給が高く設定されている一方、その後の給料の伸びはあまり期待しにくいようです。

どちらのほうがいいというわけでもありませんので、各自の志向に合った就職先を選択しましょう。

ただ、ひとつのところに長く勤め続けたいという意志が固いなら公立施設のほうが、複数の職場を経験して多様なスキルを学んでいきたいなら民間施設のほうが、それぞれ適しているといえるかもしれません。

学歴による待遇差はほぼない

一般的な職業の場合、大卒や高卒といった最終学歴によって、ある程度待遇に差がつけられているケースがほとんどです。

しかし、理学療法士については、国家資格を取得した時点で、各人の保有する知識やスキルは横一線とみなされますので、そうした傾向はほとんど見られません。

ある意味では非常に平等な制度といえますが、大卒者についてはやや不満が残るかもしれません。

ただ、国立病院をはじめとした公的施設では、そもそも大卒でないと採用にエントリーできないというケースもよく見られますので、まったく4年制大学を卒業するメリットがないというわけではありません。

能力給を取り入れている職場もある

理学療法士の給料は年功序列の傾向がかなり強く、基本的に勤続年数に応じて昇給していきますが、民間施設のなかには、理学療法士の給料の一部に能力給を導入しているところも見られます。

就職説明の際に提示された年収プランが相場よりかなり高い場合、この能力給を含めた数字となっている可能性がありますので、人事評価制度などをあらかじめ確認したほうがよいでしょう。

能力給の場合、毎年昇給するとも限りませんので、リスクがあるのは間違いありませんが、その反面チャンスも大きく、実力次第では同世代の理学療法士より高収入を得ることもできるかもしれません。

施設別に見る給料・年収

医療施設勤務の理学療法士の給料・年収

総合病院やリハビリテーション病院、ケアミックス病院、クリニックなどの医療施設に勤務する理学療法士の給料は、年収350万円~450万円が相場です。

10年以上勤め続ければ、年収500万円前後に達するケースもありますが、それ以上大きく収入を伸ばすためには、役職者に昇進することが条件となるでしょう。

介護施設勤務の理学療法士の給料・年収

介護老人保健施設や有料老人ホーム、グループホームなど、介護施設で働く理学療法士の給料は、年収400万円~550万円前後が相場となっており、全体的に医療施設よりも高給です。

その要因はおもに需要と供給のバランスにあり、高齢化の進展によって介護ニーズが高まり、理学療法士の求人数も増加傾向にある一方、介護業界はつらい、しんどいというイメージが強く、就職希望者の数は限定的です。

このため、資格さえあればいきなり年収400万円前後が得られるところも珍しくなく、とくに体力的負担の大きい訪問介護系・訪問リハビリ系の事業所は、高待遇のところが目立ちます。

高収入を狙うなら、介護施設への就職は非常に有効な選択肢のひとつです。

福祉施設勤務の理学療法士の給料・年収

児童福祉施設や障がい者支援施設など、福祉事業関係の事務所に勤める理学療法士は、年収300万円~400万円くらいが相場であり、医療施設よりもやや見劣りする水準です。

また、求人募集の大半はアルバイトやパートなどの非正規雇用ですので、経済的には安定しにくいかもしれません。

ただ、近年は障がいを抱える子どもについて、学校の授業終了後から保護者が仕事を終えるまで預かる「放課後等デイサービス事業」が人気を博しており、正規雇用の募集も増加傾向にあります。

理学療法士が収入を上げるためには?

理学療法士が収入を上げるには、ひとつの場所に長年勤め続けて役職者に昇進する、訪問介護事業所など、ハードだけれども高給が期待できるところに転職するといった方法が考えられます。

また、かなりリスク・難易度ともに高くなりますが、独立開業して経営者になるという道もあります。

理学療法士が行うリハビリなどの施術は、必ず医師の指導に基づかなければなりませんので、独立すると、基本的に理学療法士として働くことはできなくなります。

しかし、それまでに培った知識や経験を生かして、自身でデイサービスなどの事業所を立ち上げたり、整体院を開業したりして、大きく収入を伸ばしている人も一部います。

なお、アメリカでは、日本とは違って理学療法士にも独立が認められていますので、海外でなら資格を使って開業することも可能です。