理学療法士として働くうえでの必須能力~就職してから感じる「差」とは?~

(読了時間:5分56秒)

理学療法士になるためには、知識や技術はもちろん必要です。

関わる全ての方々を良い方向に導く手助けをする仕事であるため、やはり一般の人よりも専門職として知っておかなければならない情報や技術は必要になってきます。

が、それ以上にもっと重要なことがあります。

それは「コミュニケーション能力」です。

理学療法士にとって必要というか、社会人として必要な能力とも言えますが、人を相手にする職業であるために、コミュニケーション能力はより重要で必須な能力になってきます。

今回は、そういった部分のもっと根底にある「コミュニケーション能力」について紹介していきたいと思います。

①学生時代と就職してからのコミュニケーションに関連する変化

学生時代はそこまで感じることはなかったのですが、就職してから最も印象的であったのがこのコミュニケーション能力です。

【学生時代】
・関わる人は基本的に知った人が中心(自分のことも相手のこともある程度分かっている)

・知らない人に対してはあいさつ程度の関わりがほとんど

・集団の輪の中で過ごすことが多いので「個人」として突出して見られる機会が少ない

このように、それぞれの置かれている環境によって多少は違いがあるでしょうが、学生でいる間はこのような状況が当てはまるのではないでしょうか?

私の場合は、振り返ると上記のような状況で学生時代を過ごしてきたなと実感します。

対して、就職してから感じた、社会人としての人と人とのかかわり方です。

【社会人になってから(注:あくまで理学療法士としてです)】
・仕事中は患者さんとのリハビリであり、基本的に「初めまして」からが多い

・あまり仲良くもない(関わりが少ない)他職種のスタッフと情報のやり取りをする

・外部の業者と電話でのやり取り

などなど…言い出したらキリがありませんが、基本的には“自分の輪から外れた所“での活動が確実に増えたと実感しました。

要するに、学生自体の気の許せる友達とのコミュニケーションではなくて、本当の意味での他人とのコミュニケーションを取ることが就職してからかなり増えたなと実感しました。

ここのギャップ(差)を就職してから強烈に実感した部分であり、馴れるのに苦労した部分でもあります。

②就職してから感じた、見ていて「安心する人」と「そうでない人」の差

で、ここからが本題です。

就職してたくさんの上司をみて学んできたんですが、やはり「安心する人」と「そうでない人」に出くわすわけです。

後輩に対する対応もそうですが、何より患者さんに対する対応を見ているとよくわかりました。

ここの差に関しては、先ほどからちらほら出ていますが、「コミュニケーション能力の差」が関わっていると感じています。

誰とでも適切にコミュニケーションが取れている人は基本的に「安心感」を一番に感じます。

話をする際に壁を感じる方や一方的な会話となり会話のキャッチボールが出来ない方などを見ていると上司であれ後輩であれ見ていて「不安感」を覚えます…。

このように、専門職である理学療法士でも知識・技術の以前にコミュニケーションが上手くとれるか取れないかで実際のリハビリ効果が大きく変わってきます。
(相手がロボットではなくて人なので当たり前ではありますね…)

なので、いくら学生時代に成績が良くて多くの知識を持っていたとしてもコミュニケーションが上手く取れなければ患者さんから拒絶されることもあるため、やはりコミュニケーションが取れる・取れないは皆さんが思っているよりも重要な位置づけにあるわけです。

③コミュニケーション能力とは?

コミュニケーションに関する書籍をみれば多くの情報があふれていると思いますが、今回の内容はあくまで私の実体験をもとに紹介している内容になるため、「私が考える理学療法士として必要なコミュニケーション能力」とはといった形で認識して頂ければと思います。

【理学療法士として働くうえで必要なコミュニケーション能力】

●人の話を聞く能力(相手が気持ちよく話すことが出来る環境を作れる能力)

●人の話を遮らない(同調する能力)

●話の内容を理解して問題点を明確に出来る(理解力)

●訴えに対して適切に対応できる能力(行動力)

以下に簡単に説明していきます。

人の話を聞く能力

まず大前提ですが、「患者さんの話を聞くこと」が出来ないとこの仕事はやっていけません。

人間100人いれば100通りの性格や趣味嗜好があるわけで、「話が好きな人」や「話を聞くことが好きな人」など千差万別です。

これは、話を聞く側にある“理学療法士”にもいえますし、目的があって病院にきた“患者さん”にも言えることです。

人の話を聞く能力といっても、相手が「話好き」であれば、ある程度は情報は得られますが、「寡黙な方」であったり「話が苦手な方」の場合、ただ話を聞こうと“待っている”だけでは何も進みません。

ここでいう「人の話を聞く能力」とは、“相手が気持ちよく話すことが出来る環境を作れる能力”も含まれます。

人の話を遮らない(同調する能力)

話を聞いていると、途中で「なるほどこういうことを言いたいのか!」と理解できてしまい、「つまり○○とことですね」と、話を遮って答えを述べてしまう事があります。

これは人生の中で誰もが一度は経験したことがあると思いますが、話を遮られた側はあまり気持ちのいいものではありません。

信頼関係を築く上でのコミュニケーションを図っている場合は、極力話を遮らずにしっかり最後まで話を聞くことが非常に大切になります。

私自身も失敗例がありますが、学生自体はコミュニケーションをとる対象が同レベル(年代や話の内容なども共通のものであったりする)であるため、会話のスピードが速くなりがちです。

しかし、就職して自分と年代の違う中年~高齢者の方とコミュニケーションを取る場合はギャップを感じることが多く、話の内容を理解する(話を噛み砕く)のに時間がかかることが多いです。

実際の所、理学療法士として働くうえで会話のスピード感はあまり求められていません。

それよりもゆっくりでいいので話をしっかり聞いて話の内容を聞き違えない事の方が重要になります。

でないと、会話のキャッチボールがたちまちできなくなってしまい、沈黙になることもあります・・・。

そうならないためにも、話は極力遮らず、最期まで話を聞いていくことが賢明です。

話の内容を理解して問題点を明確に出来る(理解力)

ただただ人の話を聞いているだけでは実際のところ我慢さえしていれば誰でも出来ます。

病院に来てリハビリを受ける患者さんは何かしらの問題を抱えています。

その患者さんの訴えを聞いて「何に困っているのか?」・「何が問題なのか?」・「どうしたら良くなるか」などを明確化できる能力が重要になります。

訴えに対して適切に対応できる能力(行動力)

先程の流れで、患者さんの訴えをある程度解釈出来たら、次は患者さんが抱えている問題に対して適切なアクションを起こしていく必要があるということです。

「肩が痛いんです・・・」
「そうなんですね・・・痛いですね。」

これだとただ話を聞いているだけで、患者さんは「え・・・何もしてくれないの?」と戸惑ってしまいます。

マッサージやトレーニングや運動指導や悩みを聞いてほしいなど、目的は何であれ、何かしらの希望や要望があるからリハビリを受けに来ているわけです。

それをしっかりと聞きだしていく「コミュニケーション能力」とそれに対してアクションを起こす「行動力」はこの業界では非常に重要となります。

適切なアドバイスやリハビリを提供する必要があります。

④まとめ

今回は理学療法士として働くうえで必要な能力として、コミュニケーション能力を挙げて説明していきました。

やはりコミュニケーション能力の相違で就職してからの成長度も大きく異なってくると思いますし、上司からの信頼も得られやすくなるため、学生のうちから意識して生活を送って頂ければと思います。

今回の内容で「ここだけは覚えておいてほしい!」という部分としては、「学生時代と社会人になってからでは必要とされるコミュニケーション能力が思っているよりも相違がある」という点です。

関わる対象や話すテーマが学生時代と大きく異なってくるため、コミュニケーションに自信があっても就職する際は、改めて学び直すくらいの感覚で臨んで頂ければと思います。

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